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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「彼らが本気で編むときは、」

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ドン・ウィンズロウ「ザ・カルテル」

 ニューヨーク出身のライター、ウィンズロウの代表作といえばメキシコ・マフィアの生態を生々しく綴った「犬の力」(2005年刊行)だが、本書はその続編だ。高評価の作品のパート2というのは、通常は質の低下が懸念されるところだが、これは前作を凌ぐほどの重量感と迫力で読む者を圧倒する。かなりの長編ながら、弛緩するところも見当たらず、一時も飽きさせない。...

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「愚行録」

 これが長編映画デビューとなる石川慶監督の、独特の映像センスが光る映画だ。彼はポーランド国立映画大学で演出を学んだとのことだが、登場人物の心の闇を象徴するかのような、深く沈んだ色調の画面は日本映画ではあまり見かけたことがない。まさしくクシシュトフ・キエシロフスキやイエジー・スコリモフスキといった、ポーランドの監督たちの作品を思い起こさせる。...

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「遥かなる大地へ」

 (原題:FAR AND AWAY)92年作品。19世紀、はるかな夢の国アメリカに大志を抱き、祖国アイルランドを後にした男と女。それは厳しく無情な旅の始まりであった・・・・。ロン・ハワード監督がトム・クルーズと組んだ大作で、当時アメリカ映画としては久々の70ミリ映像も話題になっていた。...

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「ラビング 愛という名前のふたり」

 (原題:LOVING)題材やキャストの演技は悪くない。しかし、あまりにも演出が抑え気味で、盛り上がりに欠ける。おそらく作者としては余計なケレンを廃して対象を自然に扱いたかったのだと思うが、こうも展開が平板だと観ていて眠気を覚えるのも仕方が無い。少しはエンタテインメントに振った映画作りをした方が、広範囲な支持を集めたと思う。...

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「輝きの海」

 (原題:Swept from the Sea)97年作品。キャストは悪くなく、風景は美しいのに、監督の腕が三流だから凡作に終わってしまった。もっとドラマティックに引っ張れないのだろうか。これじゃTVムービーと変わらないじゃないか。...

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「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

 (原題:DEMOLITION)作者のスノッブな姿勢が散見され、ケレン味たっぷりの映像処理や演出が目白押し。こりゃハズレかなと思ったら、最後は何とか格好が付いた形になり、取り敢えずホッとした(笑)。まあ、場合によってはこのような語り口も許容されるのだろう。...

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「Aサインデイズ」

 89年作品。内容はそれほど上出来ではないが、時代背景の描出と題材になった音楽の扱い方は悪くないので、評価はそれほど低くない。監督は崔洋一で、出来映えにはムラがある彼のフィルモグラフィの中では水準には達していると思う。...

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「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」

 欠点はかなり目立つのだが、決して嫌いではない(笑)。実録のスポ根ものという、鉄板の御膳立て。しかも漫画などの安易な映画化ではなく、オリジナル脚本で勝負。何より主要キャストの存在感と頑張りが強く印象に残る。...

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「星空のむこうの国」

 86年作品。現在でも映画やテレビドラマなどでコンスタントに活動している小中和哉監督の、劇場用長編デビュー作である。とはいっても、彼のフィルモグラフィは子供向けが多く、本作以外は観ていない。だが、この映画に限って言えば決して低くはないクォリティを持ち合わせており、(当時は限られた公開ながら)接することが出来た観客には、強い印象を残したことだろう。...

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「哭声/コクソン」

 (英題:THE WAILING )わけの分からない映画である。もちろん“わけの分からぬ映画を作ってはいけない”ということはなく、その“わけの分からなさ”に作者のポリシーが一本通っていて映画的面白さに結実していれば文句はない。しかし本作は、各モチーフが文字通り“わけが分からないまま”放り投げられてしまった。これでは評価のしようがない。...

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「第14回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その1)

 去る3月31日から4月2日にかけて、福岡市博多区石城にある福岡国際会議場で開催された「九州ハイエンドオーディオフェア」に行ってきた。とはいっても年度末のこの時期は忙しく、何とか時間を見つけて足を運べたのは1日だけだ。だから大したことが書けるわけではないが、取り敢えず印象に残ったことをいくつかリポートしたい。...

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「第14回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その2)

 国産高級アンプのメーカーとして有名な、ACCUPHASEのブースにも行ってみた。音に関しては言うことなしで、このブランドらしい堅実な展開だ。ここで興味を惹かれたのが“AAVA方式”と名付けられたボリューム・コントロールである。...

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天神東宝が閉館。

 2017年3月31日をもって、福岡市中央区天神にある天神東宝(TOHOシネマズ天神・本館)が営業を終えた。天神東宝ビルの所有者が建替えを予定しているとのことで、それに伴う措置だという。...

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「わたしは、ダニエル・ブレイク」

 (原題:I, DANIEL BLAKE )厳しくも、美しい映画だ。また、これほどまでにこの時代の一面を照射した作品はないだろう。ケン・ローチ監督の真骨頂とも呼べるような、強靱な求心力がみなぎる、まさに必見の映画だ。...

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「インビジブル」

 (原題:Hollow Man)2000年作品。ポール・ヴァーホーヴェン監督がハリウッドで最後に撮った映画で、当時彼が“まるでスタジオの奴隷になったようだ”とコメントしたように、あまり気勢の上がらないシャシンではある。ただ、クライマックスではこの作家らしい勢いは感じられ、その意味では存在価値はあるだろう。...

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「SING シング」

 (原題:SING)イルミネーション・エンターテインメントによるアニメーションだが、困ったことにキャラクターデザインがあまり可愛くない。このあたりはディズニーに一日の長がある。しかも、可愛さが足りないだけではなく、愛嬌も無い。感情移入できる登場人物を最後まで見つけることが出来ず、不満を抱えたまま劇場を後にすることになった。...

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東芝と音楽事業。

 日本を代表する大手電機メーカーだった東芝も、放漫経営により今や存亡の危機にある。原発という先の見えない事業に大枚を叩いてしまった幹部連中は糾弾されて然るべきだが、減給とリストラを強いられる従業員こそいい迷惑だ。もしも倒産ということになると、膨大な数の社員が路頭に迷い、日本経済にも悪影響を及ぼす。まことに困ったものである。...

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「ムーンライト」

 (原題:MOONLIGHT )胸を締め付けられるほどの切なさと、甘やかな感慨が横溢する、まさに珠玉のような映画だ。オスカー受賞作がすべて優れた映画だとは言えないが、この低予算映画に大賞を与えた映画芸術科学アカデミーの会員達に、今回ばかりは敬意を払いたい。...

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「死んでもいい」

 92年作品。石井隆監督による、初の一般映画である。結果から先に言うと、イマイチ物足りない出来だ。何より、石井の本分である漫画家としての素養が表に出すぎているため、映画本来のメソッドがトレースされていない。そのため、ストーリーが盛り上がっていかないのだ。プロデューサー(伊地智啓)が上手く機能していない結果であるとも言える。...

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