2017年3月31日をもって、福岡市中央区天神にある天神東宝(TOHOシネマズ天神・本館)が営業を終えた。天神東宝ビルの所有者が建替えを予定しているとのことで、それに伴う措置だという。
同映画館は97年3月にオープンしている。その前身は博多区中洲にあった宝塚会館だ。宝塚会館は5スクリーンだったが、天神東宝は6スクリーンだ。しかし、劇場の規模は宝塚会館の方が大きかった。繁華街の真ん中にある天神東宝は確かにロケーションは良いが、設備面では満足できるものではなかった。特に男子トイレを使うのに階段を上り下りする必要があったのには閉口した。
顧客サービスにおいても、九州東宝株式会社が経営・運営していた頃は旧来型の映画館と変わらず、新興のシネコンに比べると見劣りしていた。ただし、2008年にTOHOシネマズ株式会社に経営統合されたあたりから、随分と良くなったように思う。
それにしても、6スクリーンが一挙に無くなったというのは、映画好きの福岡県民にとってはかなりのダメージだ。まあ、福岡市のような規模の市場に東宝系のシネコンが存在しない状態が長く続くとは思えず、たぶん別の場所で開館してくれると予想するが、現時点では未定というのが辛い。今後の展開を見守りたい。