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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「アルプススタンドのはしの方」

 これは面白い。優れた青春映画であると共に、その卓越した着眼点には驚くばかり。まさに“その手があったか!”と快哉を叫びたくなった。また、原作は第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞を受賞した戯曲だが、舞台劇の映画化にありがちな作品世界の窮屈さや演者のわざとらしいパフォーマンスも巧みに回避している。75分というコンパクトな尺も相まって、鑑賞後の気分は爽快だ。...

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最近購入したCD(その38)。

 2002年に英国チェシャー州ウィルムスローで結成された4人組のバンドThe 1975の4枚目のアルバム「仮定形に関する注釈」(原題:Notes on a Conditional Form )は、2020年度のロック・シーンを代表する名盤だと断言したい。とにかく、恐るべきクォリティの高さだ。...

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「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

 (原題:A RAINY DAY IN NEW YORK )若者が主人公のラブコメも、ウディ・アレン御大が手掛けると、かくも上質でエスプリの効いた逸品にに仕上げられるのかと、感心することしきりである。俳優の動かし方、ギャグの繰り出し方もさることながら、先の読めない脚本の巧みさには唸るしかない。...

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「君が世界のはじまり」

 最近「のぼる小寺さん」や「アルプススタンドのはしの方」といった良質の学園ドラマを堪能出来て嬉しく思っていた矢先、こんなにも低レベルのシャシンに遭遇してしまい、大いに気分を害した。とにかく、本作はまるで“映画”になっていないのだ。単に思い付きだけで撮られたようで、全てが素人臭く、観るに堪えない。...

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「カセットテープ・ダイアリーズ」

 (原題:BLINDED BY THE LIGHT)音楽を聴くという行為の素晴らしさを、何の衒いも無く提示してくれる良作だ。かねてから思っていたが、映画を観て人生が変わるケースよりも、音楽に出会って人生の方向性を掴むことの方が多いのではないだろうか。それは映画が(ほとんどの場合)受動的なメディアであるのに対し、音楽は受動的であると同時に能動的でもあるという特性を持つからだろう。...

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「燃えつきるまで」

 (原題:Mrs. Soffel )84年作品。キャストの使い方は万全ではなく、ストーリー自体は大して面白くない。それよりも、時代の設定と考証の方に興味を覚える映画だ。今まで知らなかったことが紹介されている。監督はオーストラリア出身の女流ジリアン・アームストロングで、カンヌ国際映画祭に正式出品された「わが青春の輝き」(79年)に続く二作目である。...

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「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」

 (原題:DER TRAFIKANT )何だか妙な映画である。興味深いネタは散りばめられてはいるが、それらを束ねて骨太な映画的興趣に持っていこうという意思が感じられない。総花的に事物を並べているだけだ。反面、映像はヘンに凝っていて、結局作者がやりたかったのは奇を衒った画面構成であり、歴史的なモチーフはその“前振り”に過ぎなかったのかと思いたくなる。...

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「オールド・ガード」

 (原題:THE OLD GUARD )2020年7月よりNetflixで配信されたアクション編。少なくとも退屈はしなかったが、これは劇映画というより、いわば連続テレビドラマのパイロット版だ。散りばめられた謎はほとんど解決しておらず、ラストなんか“次回に続く”という体裁を露骨に現している。しかも、大して予算は投入されておらずチープな印象が拭えないのも、テレビ番組らしい。...

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「悪人伝」

 (英題:THE GANGSTER,THE COP,THE DEVIL)主演のマ・ドンソクの大きすぎる存在感を、ひたすら堪能するためのシャシンである(笑)。多少プロットに難点があっても、そこはドンソク御大の顔の圧の強さで乗り切ってしまう。また、主人公と対峙する他の面子のキャラも濃く、結果として見応えのあるバイオレンス劇に仕上がった。...

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「フィール・ザ・ビート」

 (原題:FEEL THE BEAT )2020年6月よりNetflixで配信。絵に描いたようなスポ根仕立てのシャシンで、探せば欠点も少なからずあるのだが、約束通りのストーリー展開と明るい雰囲気で十分に楽しませてくれる。キャラクターの配置の上手さ、およびキャストの好演、さらに107分というあまり長くない尺と、観て損はしない御膳立てだ。...

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「海辺の映画館 キネマの玉手箱」

 一見すると、単なる珍作だ。しかしながら、これが大林宣彦監督の遺作であることを分かった上で接すれば、納得してしまう。それどころか、高齢で病身にもかかわらずパワフルに3時間の作品を撮り上げた、監督のその執念には圧倒される。映画はそれ自体“単体”として評価すべきなのは当然だが、映画を取り巻く状況が作品の質を左右することもある。...

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島倉原「MMTとは何か」

 正式タイトルは「MMT(現代貨幣理論)とは何か 日本を救う反緊縮理論」。MMT(Modern Monetary...

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「ジョーンの秘密」

 (原題:RED JOAN)興味深い映画である。主人公のかつての言動は、今から考えると完全に間違っている。しかし、あの時代にあって斯様な境遇に身を置いた者が、果たして理に適った行動が出来たのかというと、それは議論の余地がある。いずれにしろ歴史を振り返る際は、現在の価値観で物事を結論付けてはいけないということだ。...

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「ザ・テキサス・レンジャーズ」

 (原題:THE HIGHWAYMEN)2019年3月よりNetflixから配信。本国での批評家の評価は平凡なものに留まっているらしいが、それも頷けるような内容だ。アーサー・ペン監督の代表作「俺たちに明日はない」(1967年)で知られる強盗犯ボニー&クライドの事件を当局側から描くという設定は興味深いが、ストーリー自体はさほど面白くはない。ただし主要キャストの存在感は印象的だ。...

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「いつくしみふかき」

 面白く観ることが出来た。設定は非凡だし、キャストは力演。荒削りながらも、登場人物の内面に深く食い込んでくる演出。人間の業というものを容赦なく描出している。また、犯罪映画かと思わせて、笑わせる場面やサスペンス仕立てのシークエンスもあり、先の読めない展開で最後まで飽きさせない。また、これが実話を基にしているというのも凄い。...

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「ハヌッセン」

 (原題:Hanussen)88年西ドイツ=ハンガリー合作。ハンガリーの巨匠イシュトヴァーン・サボー監督の代表作で、骨太なテーマの捉え方や力強い演出、キャストの演技の素晴らしさで、実に見応えのある映画に仕上がっている。第一次大戦後からファシズムの台頭までのヨーロッパの歴史に関心がある観客にとっては、必見の作品と言って良い。...

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「東京の恋人」

 ハッキリ言って、古臭い映画だ。しかも、キャラクターの作り込みが浅く、各キャストの演技も褒められたものではない。ならば全然面白くない映画なのかといえば、決してそうではないのだ(笑)。本作の持つ、奇妙な懐かしさは独特の魅力がある。もっともそれは、80年代あたりの日本映画をリアルタイムで観た層(私を含む ^^;)に当てはまる話だろう。それ以外の観客は、まるでお呼びではない。...

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「ヒットマンズ・ボディガード」

 (原題:THE HITMAN'S BODYGUARD)2017年作品。日本においては劇場未公開だが、Netflixにて配信されている。ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンが主演のアクション・コメディということなので、ある程度の内容と出来が予想されるが、実際観た印象もその通りだ。つまりは“殊更優れているわけではないが、少なくとも観ている間は退屈しない”というシャシンである。...

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「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」

 (原題:MR.JONES)アグニェシュカ・ホランド監督が“本気”を出した一作。歴史の闇を身じろぎもせず正面から捉え、観る者を慄然とさせる。ハリウッドでの有名俳優相手の仕事や、テレビシリーズの演出などで娯楽作品の担い手として知られた面もあったが、やはり彼女はアンジェイ・ワイダから薫陶を受けていたことを改めて確認出来る。...

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「コンフィデンシャル/共助」

 (英題:Confidential Assignment )2017年韓国作品。人気ドラマ「愛の不時着」の好演で、ファンを激増させたヒョンビンの魅力が爆発している(笑)アクション編。それだけではなく、設定は面白いし各キャラも“立って”いる。活劇場面も健闘していて、公開当時は本国で動員数ナンバーワンヒットとなったというのも納得出来る内容だ。...

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