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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」

 (原題:BOOKSMART )軽佻浮薄な学園ものと思わせて、実は深いところを突いてくる、なかなか玄妙な作品だ。物語の構成は凝っており、それ自体で一本の映画が出来上がるほどのモチーフを次々と積み重ねてゆく。しかも、観終わってみれば爽やかな青春ドラマとしての手応えも感じる。本国での批評家の高評価も納得する内容だ。...

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「土曜の午後に」

 (原題:SATURDAY AFTERNOON)アジアフォーカス福岡国際映画祭2020出品作品。昨今のコロナ禍によってこのイベントも今年度は規模が大幅に縮小され、上映本数も開催期間もスケールダウンした。唯一観たのがこのバングラデシュとドイツの合作による映画だが、内容はかなり強烈でインパクトが大きい。あまりの過激さにバングラデシュ国内では上映禁止となったらしいが、それも頷けるほどだ。...

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「ソワレ」

 まるで要領を得ない映画だ。作者の意図が見えない。もしかしたらアメリカン・ニュー・シネマの“復刻版”を日本映画でやりたかったのかもしれないが、時代も環境も違う中で形式だけ移管させようとしても、上手くいくはずもない。加えて作り手の余計なケレンが目に付き、鑑賞後の印象は芳しいものではない。...

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「ワンダーウォール 劇場版」

 元ネタは2018年にNHK BSプレミアムで放映された“京都発地域ドラマ”で、未公開カットなどを追加して2020年に劇場公開されている。上映時間は68分と短いが、モチーフ自体は興味深く、面白く鑑賞出来た。とはいえ、観る側が昔の学生気質のようなものを少しは理解していないと受け付けないかもしれない。...

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「オフィシャル・シークレット」

 (原題:OFFICIAL SECRETS)実話とのことだが、本当にセンセーショナルな題材だ。この事件が起こったこと自体、驚きでしかない。さらに映画は国家と個人の関係性や、組織の内部規制と公共の福祉との相克、果ては欧米を揺るがす難民問題に至るまで、重大なモチーフを次々と繰り出してくる。観終わった後の満足感は決して小さくはない。...

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「プロジェクト・パワー」

 (原題:PROJECT POWER )2020年8月よりNetflixにて配信された、SF(?)アクション編。設定は目新しくはないし、その設定自体も作劇に活かしているとは言い難い。予算が少ないのか、観たいと思っていた活劇場面は適当なところで切り上げられ、どうでも良いようなモチーフばかりが並べられる。まあ、尺があまり長くない(1時間41分)ことが救いだろうか。...

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「mid90s ミッドナインティーズ」

 (原題:mid90s)たぶん90年代にティーンエイジャーだった観客(それも一部)ならば、大いにウケるのだろう。しかし、そうではない者(私も含む)にとっては、どうでもいい映画である。ドラマ自体に見せ場に乏しく、盛り上がりも無い。各キャラクターもそれほど“立って”おらず、85分という短い尺ながら、随分と長く感じてしまった。...

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「宇宙でいちばんあかるい屋根」

 つまらない映画だ。観る前は青春ものかホームドラマだと思っていたのだが、蓋を開けてみると私の嫌いなファンタジー映画だということが分かり、大いに盛り下がった。もちろん良く出来ていれば文句は無いのだが、中身はこの手の映画にありがちな“ファンタジーであることを言い訳にした、筋書きに不備のあるシャシン”になっている。これでは評価は出来ない。...

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「アンカット・ダイヤモンド」

 (原題:UNCUT...

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「喜劇 愛妻物語」

 一応、最後まで退屈せずに観ることは出来た。笑えるギャグもあった。しかしながら、釈然としないものが残る。他人のノロケ話に無理やり付き合わされたような、そんな違和感を覚えてしまう。「百円の恋」(2014年)などの脚本家兼監督の足立紳による自伝的小説の映画化だが、自身の体験談を自分で監督までやって作品に仕上げると、どうしても自己満足的になってしまうのだろう。...

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「甲子園:フィールド・オブ・ドリームス」

 監督の山崎エマはニューヨークを拠点に活動する映像作家で、彼女が海外向けに日本の高校野球を紹介するために作ったドキュメンタリーである。その意図はほぼ達成されているが、深くは掘り下げられていない。しかし、この場合はそれがさほど欠点にはなっていないと思う。それどころか、考えるヒントを見出せることは認めて良い。...

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「パーフェクト・デート」

 (原題:THE PERFECT DATE)2019年4月よりNetflixにて配信。お手軽な学園ラブコメものだが、けっこう考えさせられる点もあって鑑賞後の印象は悪くない。設定は興味深く、各キャラクターは十分“立って”おり、しかもイヤな奴が一人も出てこないのも好感が持てる。本国での評価が高いのも納得した。...

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「真夏の夜のジャズ」

 (原題:JAZZ ON A SUMMER'S DAY)1959年製作の映画だが、映像をブラッシュアップした上で今年(2020年)にリバイバル公開された。私は本作を観るのは初めてながら、音楽ドキュメンタリーの秀作と言われているだけあって、見応えがあると感じた。ミュージシャンたちの演奏もさることながら、当時の風俗や“空気感”といったものを実に上手く描出している。...

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雫井脩介「望み」

 堤幸彦監督による映画化作品は観る予定は無いが、原作者がけっこう面白かった「火の粉」の雫井脩介なので、この原作小説に関しては楽しめるかもしれないと思って手に取ってみた。しかし、その期待はあっさりと裏切られる。これはつまらない。サスペンスにしては話にメリハリが無く、リアリティを前面に押し出すにしては絵空事の展開が目立つ。正直言って、中盤以降は読むのが辛かった。...

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「シチリアーノ 裏切りの美学」

 (原題:IL TRADITORE)イタリア製のギャング・ストーリーなので、血で血を洗う抗争劇とキレの良いアクション場面の連続かと期待していたのだが、それはあっさりと裏切られる。もちろん、非情な悪者どもの跳梁跋扈は見られるが、実話を基にしているだけに娯楽作品向けのケレンやカタルシスは影を潜めている。個人的には好きな映画ではない。...

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「TENET テネット」

 (原題:TENET )クリストファー・ノーラン監督作としては、前回の「ダンケルク」(2017年)に続いての失敗作だ。とにかく“何か思い切ったことをしたい”との気持ちだけが空回りし、肝心の作劇が疎かになり娯楽映画としての体裁を欠いている。作者としては3時間以上の大作に仕上げる予定が興行面での都合により2時間半に削られたらしいが、それを勘案しても評価出来る水準には達していない。...

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「最後の追跡」

 (原題:HELL OR HIGH WATER)2016年11月よりNetflixにて配信。第89回米アカデミー賞の作品賞候補であるにも関わらず、日本での一般公開が見送られた作品だが、ネット経由ながらこうして鑑賞出来るのは有り難い。内容は見応えがある。現代版の西部劇ともいえるエクステリアだが、設定や人物描写に優れたものがあり、筋書きも練られている。本国での高評価も納得だ。...

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「監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影」

 (原題:THE SOCIAL DILEMMA)2020年9月よりNetflixにて配信されているドキュメンタリー映画。内容は題名の通りで、SNSがもたらす利点と共に、大きな問題点について言及している。そのアプローチには既視感があるし、ドラマ(フィクション)を挿入する方法もそれほど上手くいっているとは思えないが、深刻な事実の提示には改めて事態の深刻さを認識させられる。...

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「はりぼて」

 これは面白い。深刻なテーマを扱っていながら、アプローチに関してはフットワークが実に軽い。劇場内では笑いさえ起こったほどだ。また、そのライト感覚が素材の重要性をより浮き彫りにする。先日観た大島新監督の「なぜ君は総理大臣になれないのか」と並ぶ、政治ドキュメンタリーの快打だと思う。...

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「スローなブギにしてくれ」

 81年作品。正直言って出来自体は大したことがないと思う。しかし、この時代の空気感はよく出ていた。東映と角川春樹事務所による製作で、東映洋画が配給したものだが、当時は隆盛を誇っていた角川映画の中では配給収入は振るわず、何とか製作費を回収した程度だった。とはいえ、映像と音楽も効果的で、こういう“小洒落た”エクステリアを持つシャシンを手掛けた意義はあるだろう。...

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