「五線譜のラブレター DE−LOVELY」
(原題:De-Lovely )2004年作品。丁寧な作りで、感心した。アメリカの名作曲家コール・ポーターとその妻の実録映画である。 映画は1964年、ニューヨークの広大なアパートで死の床にあったポーターの元に、ゲイブと名乗る怪しげな演出家が出現し、ポーターを観客とした彼の人生ショウが展開するという場面から始まる。主に描かれるのはポーターと妻リンダとの関係性だ。...
View ArticleMAGICOのスピーカーを試聴した。
米国MAGICO社のスピーカーの試聴会に行ってみた。同社はイスラエル出身のエンジニアのアーロン・ウルフが主宰するメーカーで、2004年から日本に輸入されている。私は過去にオーディオフェアでMAGICOのQシリーズを何回か聴いたことがあったのだが、その精緻で伸びやかな音に圧倒されたことを覚えている。...
View Article「超高速!参勤交代」
題名とは裏腹に、まったく展開が“高速”ではない映画だ。もちろん速いテンポで演出すればすべてOKということでもないが、タイトルとは正反対の“鈍足”では評価はとても出来ない。...
View Article大濠公園の花火大会に足を運んでみた。
去る8月1日に福岡市中央区の大濠公園で恒例の花火大会が開催された。前年も行ったので今年は見る必要は無いと思っていたが、いつの間にか職場の連中と共に会場の近くまで来てしまった(笑)。...
View Article「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
(原題:Edge of Tomorrow)観ている間は退屈せず、鑑賞後はきれいサッパリ忘れることが出来るという、肩の凝らない娯楽映画の見本みたいなシャシンだ(まあ、本当に忘れてしまったら感想を書けないのだが、それはさておき・・・・ ^^;)。主演のトム・クルーズの“持ち味”も上手く活かされている。...
View Article「人類創世」
(原題:La Guerre du feu)81年製作のフランス=カナダ合作映画。舞台は旧石器時代。ある種族が先祖代々引き継いできた火が消えてしまう。彼らは火を作り出す手段を持っていなかった。村の青年たちは失われた火を探すべく、長く苦しい旅に出る。...
View Article「GODZILLA ゴジラ」
(原題:Godzilla)98年に作られたローランド・エメリッヒ監督版よりもかなりマシな仕上がりで、観ている間は退屈しない。しかし、設定や作劇に不十分な箇所も目立つことから、諸手を挙げての高評価は差し控えていただく。...
View Article「ジョンQ 最後の決断」
(原題:John Q)2002年作品。ヌルい映画である。要するに“アメリカの医療保険はロクなもんじゃねぇ!”ということを言いたいだけ。何でも米国では約五千万人もの国民が医療保険に加入できず、たとえ入れたとしても一般ピープルは貧弱な内容に甘んじなければならないとか。そりゃあ確かに大変だろう。でも、だからといって銃を手に病院を占拠していいという理由はない。...
View Article「夢は牛のお医者さん」
これは良い映画だ。元々はテレビのドキュメンタリーなのだが、素材に対する粘り強い取り組みが可能になったのはテレビの特性によるところが大きい。そして、それを映画にしてまとめ上げた作者の真摯な姿勢と手腕に感心する。いわばテレビと映画のメディアとしての長所をミックスさせた佳編と言えるだろう。...
View Article特別展「軍師官兵衛」について。
福岡市早良区百道浜にある福岡市博物館で開催されていた、特別展「軍師官兵衛」に行ってみた。もちろん主催はNHK福岡放送局で、大河ドラマ「軍師官兵衛」の便乗企画である(笑)。夏休み期間中でもあり入場客は多く(特に家族連れ)、なかなかの盛況ぶりだった。...
View Article「ぼくを探しに」
(原題:Attila Marcel )とても感銘を受けた。ジャコ・ヴァン・ドルマル監督による傑作「トト・ザ・ヒーロー」(91年)と似た構成の映画だが、あちらが余命幾ばくも無い主人公の悔恨の念と人生に対する“和解”を切々と描いていたのに対し、こちらは不遇を乗り越えた青年の前途洋々たる将来をうたいあげる。鑑賞後の気分は極上だ。...
View Article山水電気の破綻に思う。
2014年7月9日、高級オーディオメーカーとして知られた山水電気が破産手続きを開始し、完全消滅した形になった。とはいえ同社は90年代には業界の第一線から退いており、ブランド名が残っていただけで、このニュースを聞いても今さら何の感慨も無い。 ただ、あらためて思うのは、企業の命運というのは各従業員が握っているものではなく、トップの資質次第だということだ。...
View Article「サンシャイン 歌声が響く街」
(原題:Sunshine on Leith )物足りない出来だ。何よりストーリーが面白くない。もちろんミュージカル映画だから筋書きが緻密なものである必要はないのだが、地に足が付かないような実体感の無いドラマ運びには閉口するしかない。...
View Article「とらばいゆ」
「avec mon mari」などの大谷健太郎監督が2001年に撮った作品。かなり楽しめる。いわゆる“原作もの”ではなく、オリジナル脚本でこれだけのレベルに持って行った作者の力量にも感心した。...
View Article「革命の子どもたち」
(原題:CHILDREN OF THE REVOLUTION)丁寧に作られたドキュメンタリー映画だとは思うが、題材とアプローチ自体が一般ピープルの価値観と相容れないものであり、どう頑張っても高い評価は得られない。あえて言ってしまえば、この素材を現時点でも取り上げる作者(およびそのシンパ)の思想的背景に突っ込んでみた方が面白いのかもしれない。...
View Article「父、帰る」
(原題:Vozrashchenie )2003年作品。第60回ヴェネツィア国際映画祭の大賞を獲得した珠玉のロシア映画。12年ぶりに帰ってきた父親と十代の息子たちとの葛藤を、痺れるほどに美しく、かつ厳しい大自然を背景に描く。...
View Article「こっぱみじん」
若い登場人物達の微妙な内面の動きを巧みに掬い取った演出により、見応えのある映画に仕上がった。このインパクトがあるタイトルは、監督の弁によると相手のちょっとした“裏切り”によって自己の存在を完全否定され、簡単に文字通り“こっぱみじん”な気分になるという、当世の若者気質を表したものらしい。...
View Article最近購入したCD(その30)。
71年イタリア生まれのピアニスト、ロベルト・オルサーを中心としたトリオによる新作「ステッピン・アウト」は、実に美しいアルバムだ。ジャズのカテゴリーに入るサウンドなのだが、しっかりとしたクラシックの素養を感じさせ、格調の高い音世界を展開させている。...
View Article「なまいきチョルベンと水夫さん」
(原題:Tjorven, Batsman och Moses)随分とレトロな作りだと思ったら、1964年製作の映画だった。どうして今頃公開するのか分からない。しかも、丁寧に作られているとはいえ、内容は完全に子供向け。ミニシアターでやるようなシャシンではないだろう。セリフを日本語吹き替えにして、子供相手に市民ホール等で上映するのにふさわしい。...
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