「フィールド・オブ・ドリームス」
(原題:Field of Dreams )89年作品。素晴らしい出来映えで、この時期のアメリカ映画を代表する傑作だ。アイオワの片田舎、主人公レイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)はトウモロコシを育てる農夫だ。妻と10歳ぐらいの娘と3人で暮らしている。一見幸せな日々を送っている彼だが、17歳のとき衝突して家を飛び出し、とうとう死に目にも会えなかった父のことが今だに忘れられない。...
View Article「世界の果ての通学路」
(原題:Sur le chemin de l'ecole)興味深い題材で、出来も良い。登校すること自体が“一大アドベンチャー”になっている子供達を取り上げたフランス製のドキュメンタリーだが、子供にとっての教育の重要さを再確認すると同時に、本作が優れたロードムービーである点も強調しておきたい。...
View Article「紅い鞄 チベット、秘境モォトゥオへ」
(原題:心跳墨脱)2003年作品。「世界の果ての通学路」を観て思い出したのがこの映画。一般公開されているかは不明(ビデオ化はされている)。私は2004年のアジアフォーカス福岡映画祭で鑑賞している。...
View Article「春を背負って」
いったい何十年前の映画を観ているのだろうかと思った。斯様にこの作品は古くさい。これを“雄大な山の風景をバックにしているから気にならない”と評する向きもあるのかもしれないが、私は全然納得しない。それ以前に、どうしてこのような作風の映画を現時点で作らなければならないのか、理解出来ない。...
View Article「クルックリン」
(原題:Crooklyn)94年作品。スパイク・リー監督による、ブルックリンを舞台に自らの少年時代を描くファミリー・ドラマ。売れないミュージシャンの父、口うるさい母とわんぱく盛りの5人の子供たちを、当時の風俗と音楽をからめてにぎやかに綴る。...
View Article「私の男」
大して面白くもない。直木賞を受賞した桜庭一樹による同名小説はすでに読んでいるが、この映画化作品は筋書きが違う。別に“原作をトレースしていないからダメだ”と言うつもりなど毛頭無いが、小説版で提示された重要なモチーフがスッポリと抜け落ち、代わりにどうでも良いようなシークエンスが挿入されている。つまりは物語の要点が捨象されて余計なエクステリアが付与されているということで、これは評価出来ない。...
View Article「XYZマーダーズ」
(原題:CRIMEWAVE )85年作品。サム・ライミの監督作の中でも、特に面白い映画の一つだ。脚本はライミ自身とコーエン兄弟が共同で書いており(今から考えると信じられないコラボレーションだが ^^;)、両者のヘンタイ度が良い感じに(?)ブレンドされているような印象を受ける。...
View Article「トランセンデンス」
(原題:Transcendence )つまらない。ストーリーは練られていないし、キャラクターは魅力が無い。映像面でも見るべきものは存在せず。要するに、何のために作ったのか分からない映画である。...
View Article「罪の手ざわり」
(原題:天注定)強い求心力を持った秀作だ。中国の異能ジャ・ジャンクー監督の「四川のうた」以来5年ぶりの長編劇映画で、格差が生み出す悲劇を描くことによる社会批判と共に、当事者達と大衆演劇や武侠の世界を平行してイメージ的に描き、ドラマに奥行きを持たせている。...
View Article「her 世界でひとつの彼女」
(原題:her )面白い。人間と機械や人工知能との“恋愛”というネタは過去に何回も取り上げられてきたが、本作は“仕込み”が堂に入っており、一筋縄ではいかない奥深さを見せる。さすが屈折した持ち味が特徴のスパイク・ジョーンズ監督作だ。...
View Article甘党ですが、何か?
実を言うと、私はかなりの甘党である(笑)。家には食後のデザートやお茶うけとして、常にお菓子がストックされている。人によっては“男のくせに甘い物ばっかり食べやがって、情けない”と思われるのかもしれないが、好きなものは好きなのだから仕方が無い。...
View Article「ホドロフスキーのDUNE」
(原題:Jodorowsky's Dune )すでに80歳を超えてはいるが、今でも元気いっぱいに映画に対する夢やヴィジョンを語る鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督の姿を見ているだけで嬉しくなる。 70年代半ば、フランク・ハーバードが65年に発表したSF巨編「デューン/砂の惑星」(私は未読...
View Article「デッドマン・ウォーキング」
(原題:Dead Man Walking)95年作品。観る価値は十分ある力作だが、個人的には評価出来ない。ルイジアナ州刑務所に収監されている死刑囚マシュー(ショーン・ペン)と、精神カウンセラーのような役割で彼に付き添うシスター・ヘレン(スーザン・サランドン)との触れ合いを描く、俳優ティム・ロビンスの2作目の監督作(ロビンスは出演していない)。実話をベースにしている。...
View Article「渇き。」
くだらない。映画的センスが微塵も感じられない狂騒的映像を、飽きもせずに垂れ流しているだけだ。画面上はガチャガチャとうるさいのだが、観ている間に眠気さえ催してくる。中島哲也監督もヤキが回ったようだ。...
View Article雲仙・島原に行ってきた。
長崎県の雲仙および島原市に行ってきた。考えてみれば、私がここを観光で訪れたのは子供の頃以来である(笑)。福岡県からそう遠くない土地なのに、意外と足を運ばないものだ。ちなみに同行した嫁御は(同じく九州出身ながら)初めて行ったという。...
View Article「関の彌太ッぺ」
昭和38年東映作品。福岡市総合図書館にある映像ホール“シネラ”で上映された中村錦之助特集の中の一本。股旅物の傑作とされているが、正直それほどのシャシンとは思わないものの、随所に心惹かれるシーンがあり、退屈しないで観ることが出来た。...
View Article「フェリスはある朝突然に」
(原題:Ferris Bueller's Day Off)86年作品。80年代のアメリカ映画界におけるコメディ分野は、ジョン・ヒューズの天下だった。脚本やプロデュースで大いに腕を振るったが、自らメガホンを取った作品もいくつかある。この映画もその一本で、市場では好評をもって迎えられた。...
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