Quantcast
Channel: 元・副会長のCinema Days
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2422

特別展「軍師官兵衛」について。

$
0
0

 福岡市早良区百道浜にある福岡市博物館で開催されていた、特別展「軍師官兵衛」に行ってみた。もちろん主催はNHK福岡放送局で、大河ドラマ「軍師官兵衛」の便乗企画である(笑)。夏休み期間中でもあり入場客は多く(特に家族連れ)、なかなかの盛況ぶりだった。

 国宝の日本刀「圧切長谷部」をはじめ、戦場で官兵衛が使用した赤合子や具足、自筆の書簡など、展示物はどれも興味深いものばかり。また、期間限定の展示ながら愛知県の長興寺が保有している織田信長像(重要文化財)まで見られたのは有り難かった。

 大河ドラマの方も、私は楽しんで見ている。放映前は主演が岡田准一だと聞いて“あんな優男に戦国武将が演じられるのか?”と思っていたのだが、実際見てみたらテンポの良いドラマ運びと多彩なキャスティングにより退屈するヒマがない。さらに官兵衛が幽閉されていた有岡城が救出され、軍師としての腕を振るうようになってからは、岡田にも貫禄が出てきた。今後の展開も期待出来る。

 NHKは2012年の「平清盛」の視聴率低迷に懲りて、ある程度の数字が見込める戦国時代と幕末に時代設定を固定してきたようだ。本当はもっといろいろな時代を取り上げて欲しいのだが、大河ドラマすなわち戦国&幕末というステレオタイプの見方をする視聴者が多いので仕方がないのかもしれない。

 とはいえ、戦国や幕末においてもまだ主役に据えていない人物がたくさんいるわけで、これからも題材の多様性を狙ってほしいものだ。しかしながら、2015年の「花燃ゆ」の主人公は疑問が残る。いくら製作側が“「篤姫」の夢をもう一度!”と望んだところで、歴史上ほとんど“無名”の者を取り上げるのはいかがなものか。よっぽど脚本がシッカリしていないと、視聴者からソッポを向かれるだろう。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2422

Trending Articles