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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「エメラルド・フォレスト」

 (原題:The Emerald Forest)84年作品。数々の異色作を世に問うたジョン・ブアマン監督にしては、いささか軽量級の出来映えだ。しかしながら、映像の美しさと画面処理の非凡さは目覚ましい効果を上げ、そのあたりをチェックするだけでも存在価値はある。また、地球環境保護を訴えるというテーマ設定は普遍性があり、違和感なく観ていられる。...

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「白い牛のバラッド」

 (英題:BALLAD OF A WHITE COW )これはかなり厳しいイラン製のサスペンス劇だ。全編を通じて作者の切迫した危機感が横溢しており、観る者を圧倒する。しかも、いたずらに扇情的にならず冷静で落ち着いた語り口に終始しているあたり、作り手の聡明な姿勢が感じられる。また、心象風景およびメタファーの多用など、イラン映画が新しい局面に入ったことを示しているのも興味深い。...

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「RONIN」

 (原題:RONIN )98年作品。活劇映画の名手ジョン・フランケンハイマーの監督作にしては、大して気勢が上がらない。キャラクター設定や風光明媚なロケ地の選定、そして豪華な配役を達成しただけで送り手が満足してしまったようなシャシンだ。とはいえ、けっこうレトロな雰囲気と、出ている面子の存在感は捨てがたい。...

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「交渉人」

 (原題:The Negotiator)98年作品。2人の人質交渉人(ネゴシエーター)が対峙するという映画。公開時の惹句が“IQ180の駆け引き”というものであったが、正直言って“それ、2人合わせてIQ180ではないのか?”と思ってしまった。斯様に本作には頭脳戦の要素は希薄だ。しかしながら主役2人の存在感は光っており、何とか最後まで映画を見せ切っている。...

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「ドリームプラン」

 (原題:KING RICHARD)これはとても評価できない。早い話が、主演で製作にも関与しているウィル・スミスの“俺様映画”なのだ。スクリーン上でデカい態度を取り、一人悦に入っているものの、作品の内容は低級である。特に脚本の不備は致命的で、昨今のハリウッド映画でこれだけいい加減なシナリオが採用された例は珍しい。アカデミー賞候補になったのも、何かの間違いではないかと思ったほどだ。...

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「ライフ・ウィズ・ミュージック」

 (原題:MISIC )好き嫌いがハッキリと分かれる映画だが、私は気に入った。ミュージカル仕立てながら、昨今の「ウエスト・サイド・ストーリー」や「シラノ」などより楽曲の訴求力が高い。監督自身がミュージシャンであることも関係していると思うが、作者は音楽がドラマにリンクする手順を知り尽くしているような印象だ。また、ストーリーも味わい深い。...

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「ポゼッサー」

 (原題:POSSESSOR )本作の興味の対象は、鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督の息子ブランドンが、演出家としてどれほどのパフォーマンスを見せてくれるかだった。しかしながら、その期待は裏切られた。少なくとも現時点では、彼は父親の足元にも及ばない。そもそも、父の作品群と似たような題材を選んでいることが賢明だとは思えない。もっと別の分野を手掛けた方が良かったのではないだろうか。...

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「第19回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その1)

 去る3月25日から27日にかけて、福岡市博多区石城にある福岡国際会議場で開催された「九州ハイエンドオーディオフェア」に行ってきた。昨年(2021年)に引き続きコロナ禍が完全に収束していない時期にも関わらず、あえて実施してくれたのは評価したい。もちろん、コロナ禍前の賑やかさは戻ってはいないが、普段接することの出来ない機器を紹介してくれるだけでも有意義である。...

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「第19回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その2)

 スコットランド中南部ラナークシャ―地域に本社を置くFYNE...

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「愛なのに」

 良く出来た艶笑譚で、最後まで楽しめた。雰囲気としては、昔の成人映画三本立ての中で思わぬ拾いものをした一本みたいな感じだ(←どういう例え話だよ ^^;)。キャラクター造形はしっかりしており、ストーリーも意外なところを攻めてくる。キャストは良い仕事をしているし、カネを払って観るに相応しい内容だ。...

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「GAGARINE ガガーリン」

 (原題:GAGARINE)面白く観た。とはいえ、誰もが楽しめる映画ではない。若い頃に団地に住んでいた者ならば、この作品の世界観は納得できるだろう。対して、団地住まいに縁の無い者は、単なる珍妙なシャシンとしか思わないかもしれない。ちなみに私は、子供の頃から十代半ばまで団地住まいだったし、社会人になってからも何年か住んだことがある。だから本作の雰囲気は、強く印象に残るのだ。...

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「猫は逃げた」

 先日観た「愛なのに」とは監督と脚本が交代しての一作。共通点は複数の男女による面倒くさい恋愛関係を描いていること、および猫が出てくることだが、出来としては「愛なのに」より落ちる。いくら演出が達者でも、肝心の筋書き(シナリオ)が冴えなかったら映画のクォリティは上がらないのだ。また、キャスティングも弱体気味である。...

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「THE BATMAN ザ・バットマン」

 (原題:THE...

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「ベルファスト」

 (原題:BELFAST )手堅い演出とキャストの確かな演技、そして全編を覆うノスタルジーとリリシズム、さらには背後に横たわる歴史の重み。間違いなく本年度を代表する佳編だと言える。また、現時点での風雲急を告げる世界情勢の中で、この作品に接することが出来るのは実に有意義であると思う。...

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しばらく休みます。

 申し訳ないですが、一身上の都合により、ブログの更新を休みます。  再開期日は未定ですが、出来れば5月下旬には復帰したいと思っています。  よろしく御了承ください。 ->ALL

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「TITANE チタン」

 (原題:TITANE)まさに超弩級の“変態映画”で、このようなシャシンに大賞をくれてやった第74回カンヌ国際映画祭の審査委員たちには、精一杯の罵声と拍手を送りたい(笑)。とにかく、絶対に人に奨められない内容ながら、醸し出される何とも言えない恍惚感と吸引力には呆れるばかり。本年度屈指の問題作だ。...

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「コーダ あいのうた」

 (原題:CODA)まったく期待していなかったが、実際観てみると面白い。ハリウッドがアメリカ以外の映画をリメイクすると、元ネタよりも劣化するというのが常だったが、本作に限っては違う。もっとも、原作である2014年製作のフランス映画「エール!」がさほど出来が良くなかったせいもあるが(苦笑)、それでもウェルメイドに徹したこの映画の評価が下がることはない。...

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「ようこそ映画音響の世界へ」

 (原題:MAKING WAVES: THE ART OF CINEMATIC SOUND)2019年作品。興味深いドキュメンタリー映画だ。まず、題材を映画音響に特化している点が面白い。映画製作に関するドキュメンタリーは過去に数多くあったが、サウンドに着目したものは(私の知る限り)他には見当たらない。それだけでも存在価値はある。...

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「モービウス」

 (原題:MORBIUS )特段手応えのある映画ではないが、ストレスフリーで画面に向き合い退屈せずに1時間40分ほどを過ごすことが出来た。ホラーテイストが苦手な観客ならば別だが、一般的な訴求力は高いのではないだろうか。マーベル映画ながら“一見さんお断り”のような態度が(ごく一部を除いて)見られないのもポイントが高い。...

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「女子高生に殺されたい」

 いかにもキワモノ臭いネタを扱った映画で、普通ならば敬遠するようなシャシンだが、そこは城定秀夫監督、見応えのあるサスペンス編に仕上げていた。さらには原作が快作「帝一の國」などの古屋兎丸なので、よく考えれば駄作にはなりそうもない陣容だ。上映館の数は少ないものの、もっと注目されて良い作品である。...

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