(原題:RONIN )98年作品。活劇映画の名手ジョン・フランケンハイマーの監督作にしては、大して気勢が上がらない。キャラクター設定や風光明媚なロケ地の選定、そして豪華な配役を達成しただけで送り手が満足してしまったようなシャシンだ。とはいえ、けっこうレトロな雰囲気と、出ている面子の存在感は捨てがたい。
冷戦終結直後のパリ。謎めいた女ディアドラのもとに、サム、ヴィンセント、スペンス、グレゴール、ラリーといった、いずれも国家や組織から逸脱した一匹狼のプロたちが集められる。任務は、ある男から銀色のケースを奪うことである。南仏ニースに移動した一同は綿密な計画のもとにケースの奪取には成功するが、メンバーの一人が早々に裏切り、ケースを横取りして別のシンジケートに売り飛ばそうとする。サムとヴィンセントはそれを阻止しようとするものの、突如としてIRAのエージェントたちが乱入。何とか逃れた2人だが、事の真相とケースの在り処を求めてパリに舞い戻り、最後の戦いに挑む。
若干ネタバレするようで恐縮だが、銀色のケースの中身は何なのか、結局何も分からない。5人のメンバーの経歴や、どうして国家や組織から抜け出したのかも説明されていない。ディアドラの正体は判明せず、IRAが関与する理由も不明。要するに、主なプロットが回収されないままエンドマークを迎えるわけで、これではドラマの体を成していない。また、真相が解明されないことによる作劇上の効果も狙っているようには見えない。これでは不出来と評価されても仕方がないだろう。
ただし、フランスの街並みをバックに展開されるカーチェイスだけは見応えがある。かなり長いシークエンスなのだが、緊張感が途切れずに見せ切っているあたり、かろうじてフランケンハイマー御大の実力が認められる。さらには、昔懐かしいスパイ映画の佇まいを醸し出しているあたりも、手練れの映画ファンにとっては喜ばしい点だ。
主演はロバート・デ・ニーロとジャン・レノだが、この2人がスクリーンの真ん中に陣取ると、何となく安心できる(笑)。ナターシャ・マケルホーンにステラン・スカルスガルド、ショーン・ビーン、ジョナサン・プライスなど、他の配役も豪華。それから、元フィギュア・スケートの女王であるカタリナ・ヴィットが顔を見せているのも興味深い。
冷戦終結直後のパリ。謎めいた女ディアドラのもとに、サム、ヴィンセント、スペンス、グレゴール、ラリーといった、いずれも国家や組織から逸脱した一匹狼のプロたちが集められる。任務は、ある男から銀色のケースを奪うことである。南仏ニースに移動した一同は綿密な計画のもとにケースの奪取には成功するが、メンバーの一人が早々に裏切り、ケースを横取りして別のシンジケートに売り飛ばそうとする。サムとヴィンセントはそれを阻止しようとするものの、突如としてIRAのエージェントたちが乱入。何とか逃れた2人だが、事の真相とケースの在り処を求めてパリに舞い戻り、最後の戦いに挑む。
若干ネタバレするようで恐縮だが、銀色のケースの中身は何なのか、結局何も分からない。5人のメンバーの経歴や、どうして国家や組織から抜け出したのかも説明されていない。ディアドラの正体は判明せず、IRAが関与する理由も不明。要するに、主なプロットが回収されないままエンドマークを迎えるわけで、これではドラマの体を成していない。また、真相が解明されないことによる作劇上の効果も狙っているようには見えない。これでは不出来と評価されても仕方がないだろう。
ただし、フランスの街並みをバックに展開されるカーチェイスだけは見応えがある。かなり長いシークエンスなのだが、緊張感が途切れずに見せ切っているあたり、かろうじてフランケンハイマー御大の実力が認められる。さらには、昔懐かしいスパイ映画の佇まいを醸し出しているあたりも、手練れの映画ファンにとっては喜ばしい点だ。
主演はロバート・デ・ニーロとジャン・レノだが、この2人がスクリーンの真ん中に陣取ると、何となく安心できる(笑)。ナターシャ・マケルホーンにステラン・スカルスガルド、ショーン・ビーン、ジョナサン・プライスなど、他の配役も豪華。それから、元フィギュア・スケートの女王であるカタリナ・ヴィットが顔を見せているのも興味深い。