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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「無知の知」

 無知の知とは、無知であるということを知っているという時点で、相手より優れていると考えることらしいが、そのスタンスが本作の題材にマッチしているとは、とても思えない。もちろん、自分が無知であることを知るというのは良いことだ。無知のくせに利いた風な口を叩くよりも、はるかにマシ。でも、無知を自覚した時点で立ち止まってしまっては何もならない。残念ながらこの映画の作者にも、それは言えると思う。...

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アナログレコードの優秀録音盤(その3)。

 久しぶりに、保有しているアナログレコードの中で録音が優秀なものを紹介したい。ブラジルのパーカッショニスト、アイアート・モレイラによる「ミサ・エスピリチュアル ブラジリアン・ミサ」と題されたディスク(87年発売)は、私が持っているポピュラー系のレコードの中では間違いなく一番音が良いと思う。...

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「TATSUMI マンガに革命を起こした男」

 (原題:Tatsumi )とても興味深いアニメーション映画であった。表現者の矜持、および“仕事の流儀”といったものを絶妙の手法で見せてくれる。また我が国の伝説の漫画家である辰巳ヨシヒロを取り上げたのが、シンガポールの映画であったというのも面白い。...

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「ハートブルー」

 (原題:POINT BREAK )90年作品。単純明快な活劇編で、最後まで飽きずに楽しめる。主演が当時売り出し中のキアヌ・リーブスで、監督がその頃に頭角を現してきた気鋭の女流キャスリン・ビグローという布陣なので、勢いのある映画に仕上がったのは当然と言えるかもしれない。...

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「ベイマックス」

 (原題:Big Hero 6)予告編やPR内容によってハートウォーミングな話だと予想していたら、全然違ったのには面食らった。これは原題が示すように、ヒーロー戦隊ものだったのだ。しかも原作はアメコミだという。まさに“看板に偽りあり”である(笑)。ならば活劇映画として面白いのかというと、そうではない。何とも扱いに困る作品なのだ。...

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「活きる」

 (原題:活着)94年中国作品。張藝謀監督のフィルモグラフィの中では「秋菊の物語」(93年)と「上海ルージュ」(96年)との間に位置づけられるが、買い付け料が高かったためか日本で公開されたのは2003年である。第47回カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞した注目作だ。...

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「0.5ミリ」

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「Jam Films S」

 2004年作品。オムニバスシリーズの最新(最終)作で、園田賢次監督の「Tuesday」、高津隆一監督の「HEAVEN SENT」、石川均監督の「ブラウス」、手塚領監督の「NEW HORIZON」、阿部雄一監督の「すべり台」、原田大三郎監督の「α」、浜本正機監督「スーツ」の7つのパートから構成されている。  しかしながら、まあまあ面白かったのは第七話「スーツ」だけだ。...

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後藤忠政「憚りながら」

 かつて山口組系列の武闘派組織であった後藤組を率い、その後引退して今では天台宗系の寺院の僧侶になっている後藤忠政が“現役”だった頃を綴った自叙伝だ。極貧の子供時代から、長じて愚連隊を結成し、やがて“本職”にスカウトされる。後藤組結成以後の創価学会との攻防や山一抗争、政財界との交流などが描かれ、紹介される事実自体はけっこう興味深い。...

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「シン・シティ 復讐の女神」

 (原題:Sin City:A Dame to Kill For )前作に比べると、大幅に落ちる出来。この続編が作られたのが前回から時間がかなり経ってからであり、(キャストの入れ替えなどもあって)インパクトの強さを持続出来なかったことが一番の敗因だろう。やはり映画製作にはタイミングが大事である。...

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「マネキン2」

 (原題:MANNEQUIN ON THE MOVE )91年作品。かわいいマネキン人形が本物の人間になって、ドシで夢見がちな青年とめでたく結ばれるというファンタスティックなストーリーが受けた前作(私は未見)から4年、装いを新たに作られたパート2である。とはいっても、ストーリーがつながっているわけではなく、実質的にはリメイクだ。...

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「祖谷物語 おくのひと」

 ロケ地の風景こそ興味深いが、終わってみれば図式的で底の浅い映画であることが分かる。3時間近くも引っ張っておきながら、この程度の主題提示しか出来ないのならば、最初から撮るなと言いたい。...

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「DEAD OR ALIVE 犯罪者」

 99年作品。三池崇史監督作といえば出来不出来の差が極端に多いことで知られる・・・・というより大半は駄作で、ごくまれに面白いものがあるというのが実情だ(笑)。その中でも本作は、愚作の部分と快作のパートがきれいに二つに分かれているという、興味深いシャシンである。...

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「黒い画集 あるサラリーマンの証言」

 昭和35年東宝作品。松本清張の小説の映画化ではよく知られているもので、今回私は福岡市総合図書館にある映像ホール“シネラ”での特集上映にて観ることが出来た。評判通り面白く、最後まで楽しませてくれる。なお、その年のキネマ旬報ベストテンでは2位にランクインしている。...

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「満月」

 91年作品。前にも書いたことがあるが、90年代前半は日本映画界が絶不調に陥った時期である。80年代に邦画ニューウェイヴだ何だと持て囃された若手監督陣が息切れし、それを引き継ぐ人材も出てこない状態で、業界全体にシラケたムードが漂っていた(注:これはあくまで個人的な感想だ。そうは思っていない者もいるだろう)。本作もそれを代表するかのような、冴えないシャシンである。...

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「ジミー、野を駆ける伝説」

 (原題:Jimmy's Hall)ケン・ローチ監督作としては、同じく混乱期のアイルランドに題材を得た「麦の穂をゆらす風」(2006年)よりはずっと良い出来だ。主人公を歴史の最前線に立って戦った者ではなく、一般民衆に近い無名の活動家に設定したことで、肩に余計な力が入らなかったのが功を奏していると思う。...

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最近購入したCD(その31)。

 今回はプログレッシブ・ロック三題。まず紹介するのは、このジャンルの大御所であるピンク・フロイドの最新作にして最終作であるという「The Endless River」(邦題は「永遠/TOWA」)。前作「The Division Bell」(邦題は「対/TSUI」)以来20年ぶりのアルバムで、全英ヒットチャート1位。全米でも3位を獲得している。...

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「薄氷の殺人」

 (原題:白日烟火)何じゃこりゃ。まるで映画の体を成してしない。第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞と最優秀男優賞を得た作品だが、主要アワードの受賞作が必ずしも良い映画であるとは限らないものの、この出来は酷すぎる。審査員の目が曇っていたか、あるいは別に“何らかの働きかけ”が存在していたと思われても仕方がない。...

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「ジョヴァンニ」

 (原題:Il Mestiere delle armi)2001年イタリア作品。格調高い歴史劇だ。本国の映画祭で9部門を制覇したというが、それも頷けるほど。16世紀のイタリアがフランスとドイツ(神聖ローマ帝国)との抗争に巻き込まれ蹂躙されていく様子を、教皇軍の騎兵隊隊長ジョヴァンニ・デ・メディチの死を通して描く。...

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「ジャッジ 裁かれる判事」

 (原題:THE JUDGE )連続TVドラマのダイジェスト版みたいな印象を受ける。作劇のリズムには乱れはなく、話はスムーズに進んでストレスは感じない。しかしながら深い感銘とか熱い情念とか、そういう類のインパクトは皆無である。ヒマ潰しにテレビ画面越しで向き合うには良いのかもしれないが、劇場で対峙するには物足りない内容だ。...

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