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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「ハートブルー」

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 (原題:POINT BREAK )90年作品。単純明快な活劇編で、最後まで飽きずに楽しめる。主演が当時売り出し中のキアヌ・リーブスで、監督がその頃に頭角を現してきた気鋭の女流キャスリン・ビグローという布陣なので、勢いのある映画に仕上がったのは当然と言えるかもしれない。

 カリフォルニアのベニス・ビーチで、元大統領のマスクを被った4人組による銀行強盗が多発。新任FBI捜査官のジョニー・ユタは、事件の手口から犯人はサーファーではないかと推測する。早速彼は地元のサーファーたちの間に潜入することにした。やがてジョニーは、カリスマ的なサーファーとして名を知られていたボディという男と出会う。

 相反する価値観を持つボディに最初は戸惑うジョニーだが、次第に友情を深めていく。ところが、ひょんなことから相手が犯人ではないかという疑いを持ったジョニーは、その直後に起こった強盗事件でそれを確信する。ボディもまたジョニーがおとり捜査をしていることを知り、彼を消そうと画策するのであった。

 ボディにはパトリック・スウェイジが扮し、リーブスとの“(当時の)二枚目ツートップ”を形成(笑)。それを粘り着くような官能的タッチで描き上げているのはいかにも女性監督だと言えそうだが、クライマックスのスカイダイビングの場面から、主人公が恋人と再会するまでのジェットコースター的なシークエンスは、女性の演出家であることを忘れさせてしまうほどに骨太で力強い。さすが、かつてジェームズ・キャメロンを私生活で御したこともある女傑だ(爆)。

 映像は流麗でキレイだし、マーク・アイシャムの音楽も好調。まあ、ボディのキャラクターを脚本でもう少し書き込んでほしかったし、そもそも犯人が日焼けしているという理由で“サーファーに違いない”と即断するのも無理があるような気がするが、そのあたりは目をつぶろう。とにかく気軽に楽しむのはもってこいの映画だろう。

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