使用中のアンプ(SOULNOTEのsa3.0)とCDプレーヤー(ROTELのRCD−1570)は、バランス接続が可能である。多くのオーディオ機器の接続に使われるラインケーブルにはRCAプラグが装着されているが、これはアンバランス接続と呼ばれる規格に則っている。対してバランス接続は、XLR型という大型のコネクターを搭載したケーブルを使用する。一般にバランス接続の方がノイズに強いと言われており、プロ用機材にはよく使われる。
家庭用オーディオではケーブル方面から侵入するノイズがそれほど多いとは思えず、果たしてバランス接続の存在価値はあるのだろうかという疑問も持ったのだが、その旨をディーラーのスタッフに話してみたら“バランス接続とアンバランス接続とではけっこう音が違いますよ”という答えが返ってきた。もちろんオーディオというのは実践の世界なので“やってみなければ分からない”のであるが、XLRケーブルをわざわざ購入する必要があるのかどうか迷っていると、くだんのスタッフ氏が“試しに、ケーブルを一組貸しましょう”と申し出てくれた。
さっそく自宅に持ち帰って換装してみたところ、明らかにRCAケーブルを使っていた時とは音は違う。しかもこれは“激変”に近い。
まずびっくりするのが、音圧感の上昇だ。ヴォリュームの位置が上がったような印象を受ける。そして低域の骨格がシッカリとしてきて、安定感が増してきた。さらには音場が聴感上1.5倍ぐらいに広がり、見通しが格段に良くなった。とにかく、アンバランス接続とは別の次元に移行した感がある。
反面、使っているスピーカー(KEFのLS50)がモニター的な展開であるせいか、ソースの録音のアラがしっかり出てくるようになった。質の良くない音源だと、耳障りで聴くに耐えない音になる。とはいえ、RCAケーブル使用時とはパフォーマンスにおいて差をつけているのは確かだ。
ただし、ディーラーが貸してくれたXLRケーブルは約2万円の値札が付いているもので、果たして今回の結果がバランス接続によるものか、あるいは当該ケーブル自体の性能によるものか判別できない。よってケーブルを返却後、とりあえず別のケーブルの調達を考えた。だが自他ともに認めるケチな私としては(爆)、電線ごときに2万円も払いたくはない。ここはひとまず安価なXLRケーブルを購入して“バランス接続自体の音質向上効果”を見極めることにした。
導入したのはBeldenの88770とGothamのGAC−4/1だ。共にローコストな業務用ケーブルだが、どうして2組も買ったのかというと、実家のメイン・システムもバランス接続が可能であり、いずれはそちらにも装着することを考慮したものだ(ただし、大型コネクターを接続するためには重いラックを前に移動させるなどの厄介な作業が必要であり、メイン・システムでの運用はまだ先の話になりそうである ^^;)。
実装してみると、やはりRCAケーブル接続時とはまったく異なる展開を見せた。音の伸びや透明感こそ前にレンタルした2万円のケーブルに遅れを取るが、音圧感のアップと低域の積極性、そして音場の広さはここでも強く印象付けられる。各ケーブルの音の違いは確かにあり、Beldenが中低音のメリハリ重視でGothamは全域のバランスの良さと滑らかさが特徴的だ。私はどちらかというとGothamの方が好きだが(特にヴォーカルの再現性)、Beldenの元気の良さを好むユーザーもいるかもしれない。
正直言って、個人的にはもうRCAケーブルによるアンバランス接続には戻れない。もしも今後ラインケーブルを調達するとすれば、XLRケーブル限定になるだろう。もちろん、今回の結果は私のシステムに限った話であり、すべてのリスナーにとってバランス接続が適しているかどうかは分からない。ケーブルだけバランス接続にしても、プレーヤーやアンプの信号処理が完全にバランス回路化された製品じゃないと効果は望めないという意見もある。
ただ、今回のようにケーブルの仕様を変えるだけで大きな音の変化が見られたケースもあるし、それにXLR型コネクターは機器にしっかりと固定されて接続するので、使用上の安心感にも繋がる。バランス接続が可能であるならば、トライする価値はあるだろう。
家庭用オーディオではケーブル方面から侵入するノイズがそれほど多いとは思えず、果たしてバランス接続の存在価値はあるのだろうかという疑問も持ったのだが、その旨をディーラーのスタッフに話してみたら“バランス接続とアンバランス接続とではけっこう音が違いますよ”という答えが返ってきた。もちろんオーディオというのは実践の世界なので“やってみなければ分からない”のであるが、XLRケーブルをわざわざ購入する必要があるのかどうか迷っていると、くだんのスタッフ氏が“試しに、ケーブルを一組貸しましょう”と申し出てくれた。
さっそく自宅に持ち帰って換装してみたところ、明らかにRCAケーブルを使っていた時とは音は違う。しかもこれは“激変”に近い。
まずびっくりするのが、音圧感の上昇だ。ヴォリュームの位置が上がったような印象を受ける。そして低域の骨格がシッカリとしてきて、安定感が増してきた。さらには音場が聴感上1.5倍ぐらいに広がり、見通しが格段に良くなった。とにかく、アンバランス接続とは別の次元に移行した感がある。
反面、使っているスピーカー(KEFのLS50)がモニター的な展開であるせいか、ソースの録音のアラがしっかり出てくるようになった。質の良くない音源だと、耳障りで聴くに耐えない音になる。とはいえ、RCAケーブル使用時とはパフォーマンスにおいて差をつけているのは確かだ。
ただし、ディーラーが貸してくれたXLRケーブルは約2万円の値札が付いているもので、果たして今回の結果がバランス接続によるものか、あるいは当該ケーブル自体の性能によるものか判別できない。よってケーブルを返却後、とりあえず別のケーブルの調達を考えた。だが自他ともに認めるケチな私としては(爆)、電線ごときに2万円も払いたくはない。ここはひとまず安価なXLRケーブルを購入して“バランス接続自体の音質向上効果”を見極めることにした。
導入したのはBeldenの88770とGothamのGAC−4/1だ。共にローコストな業務用ケーブルだが、どうして2組も買ったのかというと、実家のメイン・システムもバランス接続が可能であり、いずれはそちらにも装着することを考慮したものだ(ただし、大型コネクターを接続するためには重いラックを前に移動させるなどの厄介な作業が必要であり、メイン・システムでの運用はまだ先の話になりそうである ^^;)。
実装してみると、やはりRCAケーブル接続時とはまったく異なる展開を見せた。音の伸びや透明感こそ前にレンタルした2万円のケーブルに遅れを取るが、音圧感のアップと低域の積極性、そして音場の広さはここでも強く印象付けられる。各ケーブルの音の違いは確かにあり、Beldenが中低音のメリハリ重視でGothamは全域のバランスの良さと滑らかさが特徴的だ。私はどちらかというとGothamの方が好きだが(特にヴォーカルの再現性)、Beldenの元気の良さを好むユーザーもいるかもしれない。
正直言って、個人的にはもうRCAケーブルによるアンバランス接続には戻れない。もしも今後ラインケーブルを調達するとすれば、XLRケーブル限定になるだろう。もちろん、今回の結果は私のシステムに限った話であり、すべてのリスナーにとってバランス接続が適しているかどうかは分からない。ケーブルだけバランス接続にしても、プレーヤーやアンプの信号処理が完全にバランス回路化された製品じゃないと効果は望めないという意見もある。
ただ、今回のようにケーブルの仕様を変えるだけで大きな音の変化が見られたケースもあるし、それにXLR型コネクターは機器にしっかりと固定されて接続するので、使用上の安心感にも繋がる。バランス接続が可能であるならば、トライする価値はあるだろう。