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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「キャプテン・フィリップス」

 (原題:Captain Phillips)観ている間は退屈しないが、大きなインパクトは感じない。それは、センセーショナルな事件を元にした“実録物”であることが映画の足枷になっているからだと思う。...

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フェリクス・J・パルマ「時の地図」

 SF小説の巨匠H・G・ウェルズが主人公になり、19世紀末のロンドンで“活躍”するという伝奇ロマン。これは本当に面白かった。ハッタリめいた設定と大仰な語り口を前面に出しているが、文体と展開に“愛嬌”があり、各キャラクターも立っていて実に楽しい。スペインの俊英パルマによる痛快編だ。...

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「利休にたずねよ」

 くだらん。今年観た日本映画の中では、最低のシャシンだ。とにかく、何も描けていない。中身がまるで無い。見事なほどカラッポな映画である。こんな愚作を平気で垂れ流した製作側は、いったい何を考えているのだろうか。恥ずかしくないのだろうか。...

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「アムス→シベリア」

 (原題:Sibelia )98年オランダ作品。話の内容自体はマアマアだったように思う。アムステルダムを舞台に、無軌道な日々を送る野郎二人組と、素性の分からない女の子との青春群像を描いた一編。...

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「ハンナ・アーレント」

 (原題:Hannah Arendt )素材に対する考察は限りなく浅く、単にエピソードを漫然と並べているに過ぎない。伝記映画としては落第点だ。監督のマルガレーテ・フォン・トロッタが過去に撮った「ローザ・ルクセンブルク」(87年)と同じく、凡庸な展開である。やはりこの作家は歴史上の有名人物を扱うよりも、「鉛の時代」(81年)のように名もなき者をミクロ的に描く方がサマになると思う。...

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「長崎ぶらぶら節」

 2000年東映作品。作詞家のなかにし礼による同名小説(直木賞受賞作)の映画化。ストーリーや語り口には大きな欠点はないが、残念ながら映像面がまるでダメである。...

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「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」

 (原題:20 Feet from Stardom)とても興味深いドキュメンタリー映画だった。大物ミュージシャンを支えるバックコーラス隊に所属する女性歌手達の生き方を通じ、人間の才能に対しての厳然たる視線と諦観とが表現される。確固たる普遍性に裏打ちされた訴求力の大きい作品だ。...

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懲りずに選んだ2013年映画ベストテン。

 2013年の個人的映画ベストテンを発表したい。下半期に鑑賞ペースが落ちたことを勘案しても、食指の動く作品があまり多くなかったのは事実だ。それでも何とか10本を選んでみた。 日本映画の部 第一位 東京家族 第二位 舟を編む 第三位 そして父になる 第四位 旅立ちの島唄 十五の春 第五位 少年H 第六位 はじまりのみち 第七位 映画「立候補」 第八位 地獄でなぜ悪い 第九位 百年の時計 第十位...

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「プロヴァンス物語 マルセルの夏」

 (原題:La Gloire de mon Pere...

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「プロヴァンス物語 マルセルのお城」

 (原題:La chateau de ma mere )90年作品。マルセル・パニョルの自伝的小説「少年時代の思い出」の第二部と第三部を映画化したこの「マルセルのお城」は前回紹介した「マルセルの夏」の完全な続編に当たる。夏休みも終わり、マルセル一家はマルセイユに帰るが、マルセル少年のプロヴァンスへの思いはつのるばかり。ところが、父親の転勤が決まり、一家は週末ごとにプロヴァンスに行けることになる。...

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「永遠の0」

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渡邊二郎「歴史の哲学 現代の思想的状況」

 著者の渡邊は生前は東大文学部の名誉教授の座にも就いた哲学の研究者なので、本書で歴史研究に関する自前の哲学論を披露しているのかと思ったら、近現代の主要な歴史哲学の紹介本としての側面が強かったのには少々拍子抜けした。しかしながら、歴史哲学論の概観をコンパクトにまとめているという意味では存在価値はあると言える。...

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「カサブランカ」

 (原題:Casablanca)1942年作品。言わずと知れたメロドラマの古典とされている映画だが、私は東宝系で展開されている“午前十時の映画祭”のプログラムの一つとして今回初めてスクリーン上で観ることが出来た。印象としては悪くない。特にハンフリー・ボガート扮する主人公の“ダメっぷり”には納得してしまう(笑)。...

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「ジャンヌ」二部作

 94年作品。 第一部が「ジャンヌ/愛と自由の天使」(原題:Jeanne la Pucelle Les Batailles )、第二部が「ジャンヌ/薔薇の十字架」(原題:Jeanne la Pucelle Les Prisons...

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「フィルス」

 (原題:Filth )観た後に苦いものが残るブラック・コメディだ。原作は「トレインスポッティング」で知られるアービン・ウェルシュの小説だが、映画版としてはいたずらに映像ギミックに走ったダニー・ボイル監督の「トレイン〜」よりも訴求力がある。観て損は無い怪作だ。...

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“ポエム”という名のカルト宗教。

 去る1月14日(火)に放映されたNHKの「クローズアップ現代」は実に興味深かった。タイトルは「あふれる“ポエム”?! 不透明な社会を覆うやさしいコトバ」というもので、実態をひた隠しにして口当たりの良い謳い文句で誤魔化そうとする“ポエム化”なる風潮を切ってみせる内容である。なお出演者は司会の国谷裕子のほか、コメンテーターとして大学教員の阿部真大(社会学)とコラムニストの小田嶋隆が顔を揃えていた。...

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「メリー・ポピンズ」

 (原題:Mary Poppins)64年作品。昔から断片的にはテレビ画面で見ているが、東宝系で展開されている“午前十時の映画祭”において今回初めてスクリーン上で全編通して観ることが出来た。ウォルト・ディズニー・プロによるミュージカルの代表作とされており、実際にとても楽しい時間を過ごせた。...

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真空管式アンプの使いこなし。

 少し前に、TRIODE社の真空管式アンプの試聴会に足を運んだことがある。私はオーディオ歴だけは無駄に長いが(笑)、管球式のアンプは一度も使ったことがない。確かに“真空管式アンプこそが最高。トランジスタ式はロクな音が出ない”などと言うマニアは今も昔も少なくないのだが、だからといって発熱量がやたら大きく真空管そのものにも“寿命”がある管球式を使うのは、どうも二の足を踏んでしまう。...

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「セッションズ」

 (原題:The Sessions)とても感銘を受けた。重いテーマを扱っていながら作品には大らかなユーモアが感じられ、印象は実に軽やかだ。もちろん、観客への問題提起も忘れてはいない。こういうのを“プロの仕事”と呼ぶべきなのだろう。...

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「どこまでもいこう」

 99年作品。これまでいくつかのヒット作を手掛けてきた塩田明彦監督の、初期作品にして最良作。とにかく、観ている側をアッという間に子供時代にタイムスリップさせてしまう映像の喚起力と巧妙なディテールに瞠目させられる佳篇である。...

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