「予告犯」
決して上等な映画ではないのだが、とても重要なテーマを扱っているおかげで、最後まで飽きずに画面に対峙することが出来た。また、本作の内容と似たようなことがいつ起きるか分からない時勢であることが、より一層この映画の存在感を大きくしている。...
View Article「EMMA」
(原題:SKYGGEN OF EMMA )88年デンマーク作品。子供をダシに使ったサスペンス編としてはリュック・ベッソン監督の「レオン」(94年)やジョン・カサヴェテス監督の「グロリア」(80年)などが挙げられるが、本編も小品ながら気の利いた出来だ。...
View Article「雪の轍」
(原題:Kis Uykusu)インテリぶったオッサンが、延々とグチをこぼす映画。別にそれ自体がイケナイということではないが、セリフの扱い方には興趣が乏しく、映画として面白味が無い。これで3時間16分も引っ張ってもらっては、観る側にとっては辛いものがある。...
View ArticleNmodeの新型アンプを聴いてみた。
国内主要ガレージメーカーのひとつであるNmodeの新作アンプ、X-PM100を試聴することが出来た。駆動するスピーカーはDynaudio、プレーヤーはPS...
View Article「TAXi 2」
(原題:Taxi 2)2000年作品。リュック・ベッソン製作・脚本で大ヒットしたカー・アクションの続編。へなちょこだった前作と比べると、格段に楽しめる。1時間半という上映時間も含めて、観てトクをしたような気になる明朗娯楽編だ。...
View Article「リアル鬼ごっこ」
呆れて笑ってしまった。先日観た「ラブ&ピース」に続く園子温監督の奇天烈劇場だが、あの映画に存在した感動ポイント(のようなもの)は今回皆無。徹底的に自身の下世話な嗜好のみで塗り固められた悪ノリ作品である。決して広く奨められるようなシャシンではないが、“こういうものだ”と見切った上で接すれば、あまり腹も立たないだろう。...
View Article「タイムトラベラー きのうから来た恋人」
(原題:Blast from the Past )99年作品。期待しないで観たが、けっこう楽しめた。フレドリック・ブラウンの短編小説「ドーム」と似た設定ながら、本作はああいう暗くてシニカルな話ではない。また、これも共通する部分が多いと思われるジム・キャリー主演の「トゥルーマン・ショー」(98年)よりもはるかに良い出来だ。...
View Article「ターミネーター:新起動/ジェニシス」
(原題:Terminator Genisys)話が滅茶苦茶だ。よくもまあ、こんな救いようもない欠陥品のシナリオを採用したものである。プロデューサーのオツムの程度が限りなく低かったのか、あるいは“裏の事情(?)”によりショボい脚本を使わざるを得なかったのかは知らないが、いずれにしろ観客をバカにした所業であることは間違いない。...
View Article「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」
(原題:The Assassination of Richard Nixon)2004年作品。74年に旅客機を乗っ取ってホワイトハウスに激突させ、当時のニクソン大統領を暗殺しようとした未遂犯の実録映画。題材は面白いが、要領を得ない出来に終わっている。...
View Article「バケモノの子」
雑な映画だ。細田守監督の前作「おおかみこどもの雨と雪」は観ていないが、少なくとも「時をかける少女」や「サマー・ウォーズ」で見せた同監督の才気がここではどこにも見当たらない。では何があるのかというと、いかにも向こう受けを狙った親子愛や家族愛(のようなもの)の押し付けである。しかも、キャラクターの掘り下げやシナリオの精査を捨象したまま御題目だけが先走りしていて、これではとても評価出来ない。...
View Article「マルコヴィッチの穴」
(原題:Being John Malkovich)99年作品。スパイク・ジョーンズの監督デビュー作だが、第一作からこれほどの才気を漲らせていたことに改めて驚かされる。国内外で多くの賞を獲得したのも納得出来るような快作だ。...
View Article「神々のたそがれ」
(英題:Hard to Be a God)全編が汚物と臓物に溢れ、その中を身なりも内面も卑しいような連中が動き回るだけの映画だ。もっとも“見た目が汚いからダメだ”と言うつもりは無い。それなりの映画的興趣やカタルシスが提示されていればイチャモンを付ける筋合いはないのだが、本作にはそれらは見当たらない。正直“スカトロ趣味のある者以外は、受け付けないのでは”と思った(笑)。...
View Article「エントラップメント」
(原題:Entrapment)99年作品。期待せずに観た映画だが、そこそこ面白かった。ストーリーはそれなりの仕掛けが施されているが、決して無理筋の展開にならないし、不自然に観客に頭を捻らせるようなこともない。また、主演者は映画を最後まで保たせられるだけの存在感を発揮している。観て損は無い好編だ。...
View Article「なつやすみの巨匠」
出来の良さにびっくりした。福岡市西区にある能古島を舞台にした地方発信の映画だが、同じく以前福岡県内で製作された“ご当地映画”である「千年火」や「スーパー・ハイスクール・ギャング」といった作品が低レベルであったこともあり、大して期待せずに臨んだのだが、これは嬉しい誤算であった。...
View Articleハモの天丼は、美味しい(笑)。
先日、出張で大阪に行ってきた。昼食時に梅田近辺をウロウロしていてふと目に付いたのが“夏季限定メニュー、ハモ天丼”という看板。これは食べるしかないと思って店に入ったが、ひょっとしてハズレかもしれないという心配は結果として無用に終わった。早い話、とても美味しかったのだ(笑)。...
View Article「野火」
この題材を塚本晋也監督が手掛けるということで、エゲツない場面がてんこ盛りかと思っていたが、意外に描写は抑制されている。しかし、それによってメッセージ性が薄められているかというと、決してそうではない。理屈やイデオロギー抜きの、戦場の剥き出しの悲惨さが凝縮して伝わってくる。かなりの力作と言えよう。...
View Article「ミュータント・タートルズ」
(原題:TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES )90年作品。ここで紹介するのは2014年に製作されたものではなく、90年代に作られたシリーズ物の第一作である。監督はミュージックビデオ界出身のスティーヴ・バロン。...
View Article「群青色の、とおり道」
気持ち良く鑑賞出来た。地方発信の映画ながら余計な気負いが無く、よくある話を丁寧に追っていることに好感を覚える。これ見よがしの“仕掛け”に走るよりも、地道に題材を扱った方が“ご当地映画”としては成功する場合があるのだ。...
View Article「ゆきゆきて、神軍」
86年疾走プロダクション作品。監督は原一男。公開当時は大きな反響を呼び、国内外で多くの賞を獲得している。とにかく凄いドキュメンタリー映画だ。“感動した”とか“共感した”といったレベルの凄さではない。あまりの衝撃に真っ青になってしまうような問題作である。...
View Article「人生スイッチ」
(原題:Relatos salvajes)とても楽しめた。まさにブラック・コメディの快作だ。本国アルゼンチンでは、何と歴代ナンバー1ヒットを記録したらしい。コアな映画ファンは面白がって観るだろうが、とても一般ウケはしないと思われる本作を大々的に受け入れてくれる彼の国の状況は、とても興味深いものがある。...
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