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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「エントラップメント」

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 (原題:Entrapment)99年作品。期待せずに観た映画だが、そこそこ面白かった。ストーリーはそれなりの仕掛けが施されているが、決して無理筋の展開にならないし、不自然に観客に頭を捻らせるようなこともない。また、主演者は映画を最後まで保たせられるだけの存在感を発揮している。観て損は無い好編だ。

 ニューヨークの高層ビルに保管してあったレンブラントの名画が盗まれた。女性保険調査員のジンは、これは名の知れた美術品泥棒のマックの犯行だと睨む。上司の許可を得てマックに近づくが、あっさり正体を見破られてしまう。



 ところが彼女は、実は自分が泥棒であることを明かし、逆に銀行の大金強奪計画にマックを引き入れてしまう。その計画とは、当時騒がれていた2000年問題で一時的に銀行のコンピューターが処理を停止する間に、銀行のカネをごっそりと自分の口座に移してしまうというものであった。

 サスペンス物らしくプロットはよく考えられているが、それほど凝ったトリックが展開されるわけではない。これは主役のショーン・コネリーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズの共演を楽しむ映画なのだ。余裕綽々でベテランの美術泥棒を演じるコネリーと、お色気要員も兼ねた(笑)食えない保険エージェントに扮したゼタ=ジョーンズの2人は、実にスクリーン映えする。特にゼタ=ジョーンズがレーザービームをくぐり抜ける訓練をする場面は、本当にセクシーだ。

 ジョン・アミエルの演出は取り立てて優れてはいないが、堅実で無理がない。ヴィング・レイムスやウィル・パットンといった脇の面子もソツなく役柄をこなしている。そして最大の見どころは、クアラルンプールにあるペトロナスツインタワーでの立ち回り。単なるサスペンス場面ではなく、観光気分も大いに味わえる。

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