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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「前田建設ファンタジー営業部」

 いかにも英勉監督作品らしい狂騒的なライトコメディだが、その中に無視できない重要なモチーフが織り込まれており、ドラマに厚みを持たせている。もっとも、作者はそれに気付いているかどうかは定かではない(笑)。とにかく、やたら大袈裟なこの監督の作風に一度慣れてしまえば(慣れない場合はお気の毒さまだ ^^;)、あとはラストまで引っ張ってくれる。...

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天神ビッグバン

 福岡市中央区天神の商業施設、天神ビブレが今年(2020年)2月11日をもって閉館した。実質的にビブレと同じロケーションであった天神コアも同年3月末で店じまいである。隣の福岡ビルは2019年に閉鎖され、今は解体工事中だ。これらの動きは、天神地区の再開発プロジェクト“天神ビッグバン”の一巻である。...

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「37セカンズ」

 御都合主義的なモチーフや無理筋の展開が目立つが、それでもこの映画を評価したい。斬新な主題と、キャスト(特に主演)の目を見張る働きにより、大きな求心力を獲得している。また、これが長編第一作になる新鋭監督の素質と将来性をも感じさせる。第69回ベルリン国際映画祭にて、パノラマ部門の観客賞及び国際アートシアター連盟賞を受賞。...

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「イフゲニア」

 (原題:Iphigenie )77年ギリシア作品。古代ギリシアの悲劇作家エウリピデスの「アウリスのイフゲニア」を映画化したもので、マイケル・カコヤニス監督作としては「エレクトラ」(61年)「トロイアの女」(71年)と並んで三部作を形成するとのことだ。私は前2作は観ていないが、本作だけでも十分に鑑賞する価値のある秀作だと思う。...

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「さよならテレビ」

 少しも面白くない。観ている間は退屈だ。しかし、実はこの“退屈で面白くない”という本作の内容が、取り上げた題材をストレートに反映している。つまり、面白くないものを面白くないまま提示することによって、テーマの本質に迫ろうという、倒錯した興趣を創出しているのだ。その意味で、なかなか示唆に富んだドキュメンタリー映画ではある。...

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「マクマホン・ファイル」

 (原題:THE LAST THING HE WANTED)2020年2月よりNetflixで配信された社会派サスペンス映画。キャスティングが悪くなかったので見てみたが、何とも冴えない出来だ。後でネットの評判をチェックしたところ、本国では酷評されているらしい。映画鑑賞にはある程度の“事前リサーチ”は必要であると、改めて思った次第である(笑)。...

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「スキャンダル」

 (原題:BOMBSHELL )元ネタのセクハラ事件の数年後に、このような実名入りの“ノンフィクション風ドラマ”を作り上げてしまったハリウッドの大胆さ(および抜け目のなさ)には驚くばかりだが、映画としては面白くない。特に前半の冗長な展開は眠気を誘う。中盤以降はいくらか盛り返すが、それでも観終わると釈然としないものが残る。テレビ画面で十分のシャシンかもしれない。...

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「序の舞」

 84年作品。1964年にデビューして以来、多くの作品を手掛けた中島貞夫監督の80年代以降の代表作の一つだ。女性キャラクターの造型とその内面描写、骨太なドラマ運び、見事な美術意匠と時代考証など、まさに横綱相撲と言って良いほどの安定感を見せる。2時間半近い上映時間の中、弛緩した部分はまるで見当たらない。...

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「1917 命をかけた伝令」

 (原題:1917)まるで期待外れ。米アカデミー賞の主要部門で無視されたのも当然と思われるような冴えない出来だ。宣伝では“驚異の全編ワンカット!”という惹句が躍ったが、ほぼ一日の出来事をワンカットで2時間以内に収められるはずもなく、少し考えればそれは間違いだと誰でも分かる。しかし、ワンカット云々を除外しても、本作のクォリティが低いことは明白だ。...

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「サード」

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「ROMA/ローマ」

 (原題:ROMA)2018年作品。第91回米アカデミー賞で監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3部門を獲得した話題作だが、確かに玄人受けするようなアート的なテイストに溢れた映画である。ただし、あくまでも“アート的”なのであって“アートそのもの”ではない。観る者を深く考えさせる要素は希薄で、作劇に斬新な視点が取り入られているわけでもないのだ。それゆえ、あまり高くは評価しない。...

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「グエムル 漢江の怪物」

 (英題:THE HOST)2006年作品。決して出来の良い作品ではないが、ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」(2019年)に繋がる製作動機のバックグラウンドを探る意味で興味深い映画である。しかも、怪獣映画という娯楽作品としての体裁を保ちつつ、作家性の発露にも手を抜いていない姿勢は認めて良いと思う。...

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「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」

 (原題:THE PEANUT BUTTER FALCON)共通性を指摘されるであろう、トラヴィス・ファイン監督の「チョコレートドーナツ」(2012年)よりは良い出来だ。だが、飛び抜けて上質ではない。有り体に言えば“中の上”というところか。やはり、劇映画としてはこの題材を扱うことはハードルが高いのだと思う。...

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ギュスターヴ・ル・ボン「群衆心理」

 フランスの社会心理学者ル・ボンにより1895年に書かれた文献だが、少しも古びていないどころか、21世紀の現在においてもその論旨は立派に通用する。言い換えれば、近代民主主義が誕生してから長い時間が経過したにも関わらず、我々は何も進歩していないのだろう。...

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「ジュディ 虹の彼方に」

 (原題:JUDY)かなりの力作で、キャストも熱演だ。見応えはある。しかしながら、物足りなさも感じた。それはひとえに、肝心な部分を描いていないことに尽きるだろう。米アカデミー賞では主演女優賞以外はノミネートされていない理由も、案外そんなところにあるのかもしれない。...

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「神経衰弱ぎりぎりの女たち」

 (原題:Mujeres Al Borde de un Ataque ed Nervious...

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「黒い司法 0%からの奇跡」

 (原題:JUST MERCY)正攻法の社会派映画で、観た後の充実感が大きい。この作品がアカデミー賞候補にならなかったことが不思議だ。そして、ここで描かれたことがほんの30年ばかり前の出来事であることも驚く。アメリカという国は、まだまだ底知れぬ闇を秘めているのだろう。...

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「ラスト・プレゼント」

 (英題:Last Present)2001年韓国作品。私は2002年のアジアフォーカス福岡映画祭で観ている。本国では大きな話題を呼んだらしいが、なるほど誰でも楽しめるラブコメディ(兼悲恋もの)に仕上がっており、鑑賞後の満足度も決して低いものではない。ただし、設定自体に長所と短所が混在しており、諸手を挙げての高評価は差し控えたいと思う。...

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「アースクエイクバード」

 (原題:EARTHQUAKE BIRD )2019年11月よりNetflixにて配信。食い足りない箇所もけっこうあるのだが、蠱惑的な吸引力のあるサスペンス編で、鑑賞後の印象は悪くない。特にラストの処理は秀逸で、この一点だけでも十分に存在価値のあるシャシンである。...

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「レ・ミゼラブル」

 (原題:LES MISERABLES)第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を獲得し、世評も悪くない作品だが、率直に言ってそれほどのシャシンとは思えない。理由は、脚本およびキャラクター造型に難があるからだ。何やら、ハードな題材を選べば事足りているという印象で、その次元に留まっている。とにかく、物語の練り上げが無ければ映画として成り立たないのだ。...

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