「エンドレス・ワルツ」
2012年に惜しまれつつ世を去った若松孝二監督による95年作品で、間違いなく彼の代表作の一つ。70年代前半に活躍した天才的サックス・プレイヤー阿部薫(町田康)と、その妻でエキセントリックな作風で知られた小説家鈴木いづみ(広田玲央名)の破滅的な愛を描く。実話を元にした稲葉真弓の原作の映画化だ。...
View Article「わるいやつら」
80年松竹作品。原作が松本清張で監督が野村芳太郎監督とくれば、代表作「砂の器」をはじめ、対象に肉迫するようなタッチが印象的な一連の映画を思い出すが、本作はこのコンビとしては珍しく“引いた”描き方をしている。あえて言えばドキュメンタリー・タッチに近い。...
View Article「偽りなき者」
(英題:THE HUNT)日常生活に潜む恐怖の陥穽を描くという映画は過去にもけっこうあったが、たいていはコケおどしのレベルに終わっていたように思う。しかし、本作にはいかにもありそうなシチュエーションが丹念に構築されており、その分衝撃度は高い。...
View Article「しあわせな孤独」
(英題:Open Hearts )2002年作品。恋人が交通事故で半身不随になったことにより、あろうことか加害者の夫(医者)と心を通わせていく若い女を描くデンマーク映画。本国では大ヒットしたというが、私はまるでダメな映画だと思う。...
View Article「シュガーマン 奇跡に愛された男」
(原題:SEARCHING FOR SUGAR MAN )ドキュメンタリー映画としての出来は凡庸だ。しかし、素材の面白さはそれを補って余りある。映画を見終わる頃には、誰しもこの“主人公”を好きになってしまうだろう。...
View ArticleSOULNOTEの新製品を試聴した。
2006年に発足した国産ガレージメーカーの雄「SOULNOTE」の新製品の試聴会に足を運んでみた。目玉は同社がFANDAMENTALブランドで売り出しているプリアンプのハイエンドモデルLA10とペアになる、メインアンプのMA10の試作品である。...
View Article「勝手に死なせて!」
95年作品。ブラジルに単身赴任していた一家の主(風間杜夫)が交通事故死。遺体となって帰ってきた。ところが葬儀の仕方を巡って妻(名取裕子)と親戚連中の意見が対立。さらに死体を横取りしようとする愛人(立河宣子)やヘンな葬儀屋などが入り乱れ、事態は紛糾する。果たして無事に葬儀は行われるのか。...
View Article「クラウド アトラス」
(原題:CLOUD ATLAS )ウォシャウスキー兄弟・・・・じゃなかった(笑)、ウォシャウスキー“姉弟”らしい、底の浅い世界観が全面展開されており、ストーリー面では退屈至極。さらに共同監督が二流のトム・ティクヴァで、おまけに上映時間が3時間近い。どう考えても駄作っぽいのだが、多彩なキャストの“コスプレ大会”として見ればそこそこ楽しめるシャシンである。...
View Article「大失恋。」
95年作品。遊園地を舞台に、8組の男女が繰り広げる恋愛模様。コラムニストの清水ちなみが一般女性からのアンケートを基に編纂した同名エッセイの映画化で、監督は当時「ゴジラ」シリーズを経て“便利屋監督NO.1”(なんじゃそりゃ)との異名をとっていた大森一樹。 正直言って、全然期待していなかった。いかにもお手軽そうな雰囲気と、トレンディ・ドラマ俳優総出演の感があるキャスト。期待しろと言う方が無理だ。...
View Article「ザ・マスター」
(原題:The Master)人間関係の玄妙さを巧みに描いた佳編である。第二次大戦で太平洋戦線に従軍していたフレディは、戦争のストレスおよび現実逃避のために飲み続けていた酒によりメンタル面で重大な障害を負ってしまう。戦争が終わっても職を転々とし、根無し草のような生活を送る彼が迷い込んだのは、結婚パーティーが行われている客船だった。...
View Article名護屋城跡に行ってきた。
先日、佐賀県唐津市にある名護屋跡に行ってきた。この城は桃山時代に豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に拠点として建てられたもので、国の特別史跡に指定されている。福岡市から車で行ける距離にあるのだが、私は今まで行く機会がなく、足を運ぶのは今回が初めてである。...
View Article「天使の分け前」
(原題:THE ANGELS' SHARE )ケン・ローチ監督作としては「エリックを探して」に続く甘口のヒューマン・コメディだが、今回はいささか甘すぎた。こういう筋書きにしたいのならば、もっと主人公に同情を寄せられるようなシチュエーションをあらかじめ作っておくべきだ。...
View ArticleAVANTGARDE ACOUSTICの新型スピーカーを試聴した。
先日、ドイツのハイエンド・スピーカーメーカーAVANTGARDE ACOUSTIC(アヴァンギャルド・アコースティック)社の新製品uno finoを聴く機会があった。このモデルは同社の製品の中では最廉価だが、それでもペアで200万円はする。当然のことながら私は買えないが(笑)、サイズは比較的小振りで(とは言っても重量は55kgである...
View Article「舟を編む」
新時代の“サラリーマン映画”であり、評価できる。特に昨今の就職難で、ようやく正社員として採用されたはいいが、居場所が見つからずに悩んでいる若い社会人に奨めたい。...
View Article「奇人たちの晩餐会」
(原題:Le Diner de cons)98年作品。吉本新喜劇を思いっきりハイ・ブロウに仕上げるとこういう感じになるんだろうか(笑)。監督も担当したフランシス・ヴェベールによる同名の舞台劇を元ネタにした場面変化の少ない作劇だが、テンポの良い演出とキャストの個人芸、そして会話の面白さにより、なかなか気の利いたフレンチ・コメディに仕上がっている。...
View Article「ハッシュパピー バスタブ島の少女」
(原題:BEASTS OF THE SOUTHERN WILD )つまらない。アカデミー作品賞にノミネートされたとも思えぬ低調な映画である。もちろん、オスカー候補作がすべて良い映画であるとは限らないが、たとえ面白くない作品であっても何か新機軸を打ち出してやろうという作り手の意図ぐらいは感じることが多い。しかし、本作は徹頭徹尾ダメである。観る価値は無い。...
View Article「ブラッド・イン ブラッド・アウト」
(原題:Blood in Blood out)93年作品。メキシカン・マフィアの生態を、ロスアンジェルス東部地区で生まれ育った3人の少年たちの成長を通して描く。...
View Article「至福のとき」
(原題:幸福時光)2002年作品。大連を舞台に、冴えない中年男と目の不自由な少女との交流を描く。ノーベル賞作家・莫言の短編小説の映画化で、メガホンを取ったのは張藝謀。...
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