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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「アイダよ、何処へ?」

 (原題:QUO VADIS,AIDA? )これは実にキツい映画だ。厳しく、一分の甘さも見せない。言うまでもなく、これは史実の重みとそれに翻弄される人々をリアリズムで描ききろうとした作者の覚悟が前面に出たもので、観る側も襟を正して対峙すべきシャシンだ。そして何より、ほんの20数年前に斯様な惨劇が繰り広げられていたという事実は、まさに慄然とする。...

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「この茫漠たる荒野で」

 (原題:NEWS OF THE WORLD )2021年2月よりNetflixで配信。「ジェイソン・ボーン」シリーズなどで知られるポール・グリーングラス監督作なので、ハードなアクションが展開するのかと予想したが、良い意味で期待を裏切られた。これは堂々とした風格のウエスタンだ。西部劇全盛時の作品群と比べても、まったく遜色がない。また、現代に通じるテイストも持ち合わせており、観て損のない佳編である。...

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「キャッシュトラック」

 (原題:WRATH OF MAN)ガイ・リッチー監督作としては、先日観た「ジェントルメン」と同程度のクォリティ(つまり、あまり上等ではない)。しかも、元ネタは2003年製作のフランス映画「ブルー・レクイエム」であり、彼のオリジナルでもない。筋書きも、凝っているようであまり練り上げられておらず、鑑賞後の印象は芳しいものではない。...

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「ケイト」

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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

 (原題:NO TIME TO...

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「由宇子の天秤」

 これは、先日観た吉田恵輔監督の「空白」とよく似たタイプのシャシンだ。つまりは、作者が無理なシチュエーションを仕立て上げ、登場人物たちを迷路に放り込んだ挙句に、何か問題提起をした気になっている。手練手管を弄しただけの筋書きに、観終わって暗澹とした気分になってきた。もっとスマートな作劇が出来なかったのだろうか。そもそも、プロデューサーは何をやっていたのだろう。...

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「アンナ・マデリーナ」

 (原題:安娜瑪徳蓮娜 Anna Magdalena)98年作品。特に優れた映画でもないのだが、当時の有名若手俳優たちの共演と絵に描いたようなラブコメ展開に“まあ、これで良いんじゃないか”と許してしまうようなシャシンだ(笑)。また、香港のゴールデン・ハーヴェストと日本のアミューズとの合作で、その頃はそういうプロジェクトも可能であったことは、今思うと実に感慨深い。...

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「最後の決闘裁判」

 (原題:THE LAST DUEL )2時間半を超える尺だが、最後まで飽きさせない。構成が巧みでドラマ運びに重量感がある。キャストのパフォーマンスや映像は申し分ない。そして何より“決闘”の当事者たちが百戦錬磨の騎士であるにも関わらず、見事な“女性映画”になっている点が大いに評価出来る。見応えのある歴史劇だ。...

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「DUNE デューン 砂の惑星」

 (原題:DUNE PART ONE...

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「かそけきサンカヨウ」

 今泉力哉監督作品としてはヴォルテージがやや低いように思えるが、それでも繊細なタッチと丁寧な絵作りが印象的で、鑑賞後のインプレッションは良好だ。ここ数年続けざまに映画をリリースしている同監督だが、いずれも一定の水準を維持しているのは大したものだと思う。...

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「暴走機関車」

 (原題:Runaway Train )85年作品。1966年に黒澤明が企画し、菊島隆三や小國英雄らと共に仕上げた脚本を元にしている。もっとも、出来上がった映画を観た黒澤は批判したらしいが、個人的には面白いと思う。全編に緊張感がみなぎり、思い切った展開に最後まで目が離せない。キャストの奮闘も特筆ものだ。...

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「顔」

 2000年作品。阪本順治監督と藤山直美(これが映画初主演)の組み合わせから予想されるコテコテの喜劇ではなく、あえてジットリとした犯罪ドラマにして、その中で随所にコメディ的センスを織り込もうとしている作戦が成功している。...

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「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」

 (原題:SOUND OF METAL)世評はとても高く、米アカデミー賞をはじめ各アワードを賑わせていたが、個人的には気に入らない。とにかく、設定やストーリー、各モチーフに釈然としないものが目立ち、ほとんど感情移入が出来なかった。もっと平易で普遍性の高いネタや筋書きを用意すべきだったと思う。...

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「モーリタニアン 黒塗りの記録」

 (原題:THE MAURITANIAN )とても重大なネタを扱っていることは分かるのだが、盛り上がりに欠け、映画的興趣は乏しい。どうも見せ方を間違えているような作品だ。観客を楽しませるようなモチーフはけっこう揃っているのだから、もっと(良い意味での)ケレンを駆使して欲しかった。...

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「悲愁」

 (原題:Fedora)78年作品。ビリー・ワイルダー監督が晩年近くに撮った映画だが、同監督の全盛期はとうの昔に過ぎていて、本作もヴォルテージの高さはあまり感じられない。ただし、ミステリー映画としてはそこそこ良く出来ていて、期待せずに観れば退屈せずにエンドマークまで画面に対峙できる。ただ、そのことより封切当時(日本公開は80年)における評論家筋の熱狂的ともいえる高評価の方に興味を覚える。...

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「ほんとうのピノッキオ」

 (原題:PINOCCHIO )カルロ・コッローディによる有名な児童文学「ピノッキオの冒険」の本家イタリアでの映画化で、ディズニーのアニメーション「ピノキオ」(1940年)とは一線を画す、原作に近い線を狙っている。そしてそれは、ある程度成功していると思う。とにかく、変則的なファンタジーとしての訴求力は目覚ましいものがある。...

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「ビッグ・ヒット」

 (原題:The Big Hit )98年作品。お手軽な活劇編だが、ソツのない作りで楽しめる。主人公をはじめ各キャラクターが屹立しており、作劇はテンポが良い。91分という、娯楽映画の鑑のような上映時間も言うことなし。多少筋書きが強引でも、こういう体裁のシャシンならば笑って済まされる。...

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「ひらいて」

 ストーリーもキャラクター設定も、ついでに言えば主要キャストも嫌いなのだが(笑)、映画としては実に面白い。マイナス要因を積み上げた挙げ句、いつの間にかプラスに転じたという、希有な事例を目撃出来る貴重なシャシンだ。この奇妙な味わいは原作によるところが大きいとは思うが、それを見事に映像化した作者の非凡な腕前にも感心する。...

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「マリグナント 狂暴な悪夢」

 (原題:MALIGNANT )開巻しばらくは心霊怪異譚かと思わせて、やがてサイコ・サスペンスからスプラッタ系に移行。後半からはSF仕立てのモンスター映画の様相を呈してくるという、あらゆる要素を詰め込んだ“お得感”の大きいホラー編だ。もちろん諸手を挙げて高評価するようなシャシンではないが、B級と割り切れば最後まで飽きずに楽しめる。...

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「カンパニー・マン」

 (原題:CYPHER)2001年作品。デビュー作の「CUBE」(97年)が評価されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督は、この映画でも“密室劇”を大々的に展開している。その仕掛けは賑々しくて結構なのだが、題材自体に新奇さが足りず、筋書きもそれに沿ったものてになっているため、インパクトはそれほどでもない。だが、最後まで退屈しないだけのヴォルテージは保持している。...

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