「アデル、ブルーは熱い色」
(原題:La vie d'Adele - Chapitres 1 et 2 )薄味で、なおかつ上映時間が無駄に長い。第66回カンヌ国際映画祭において大賞を獲得した作品だが、主要アワードの受賞作が必ずしも良い映画ではないことを改めて実感した次第だ。...
View Article「十九歳の地図」
79年作品。今年(2014年)惜しくもこの世を去った蟹江敬三だが、個人的に彼のフィルモグラフィの中で最も印象に残っている映画が本作だ。監督は柳町光男で、この後に撮る「さらば愛しき大地」(82年)と並ぶ彼の代表作である。...
View Article「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」
(原題:Captain America:The Winter Soldier)お手軽なヒーロー物だと思ったら大間違いだ。重量級の娯楽編で、鑑賞後の満足感はとても大きい。荒唐無稽とも思える主人公像に真面目に向き合い、それを活かすストーリーを最大限に展開させており、まったく手抜きの無い製作スタンスには大いに感心した。...
View Article「二十才の微熱」
93年作品。一見フツーの大学生、実は夜には男娼のアルバイトをしている19歳の主人公(袴田吉彦)を中心に様々な人間模様が描かれる。監督は“ぴあフィルム・フェスティバル”でグランプリを受賞し、これが劇場映画デビューとなる橋口亮輔。...
View Article「アクト・オブ・キリング」
(原題:The Act of Killing)ドキュメンタリー映画の体を成していない、ワザとらしい作品だ。個人的にはまったく評価出来ない。こんなのが各映画賞を取ってしまうのだから、暗澹とした気持ちになる。...
View Articleサッカー観戦に行ってきたが・・・・。
去る5月3日(土)に、福岡市博多区の東平尾公園内にある博多の森球技場(レベルファイブスタジアム)にて、サッカーの試合を観戦した。対戦カードはホームのアビスパ福岡と大分トリニータである。...
View Article「そこのみにて光輝く」
どうしようもない連中の、どうしようもない言動をリアルなタッチで描いているのに映画は暗くならない。それどころか“感触”は柔らかく全編に渡って温かい空気感が漂う。作者のポジティヴな視線が印象的な佳編だ。...
View Article「ある過去の行方」
(原題:Le passe)観た印象は、あまり芳しくない。「彼女が消えた浜辺」「別離」と秀作を放ったイランの俊英アスガー・ファルハディ監督作だが、話を必要以上に作り込んだ挙げ句に求心力が低下している。“策に溺れた”というのは、こういう状態のことを言うのであろう。...
View Article「壬生義士伝」
2002年作品。浅田次郎のベストセラーの映画化で、監督は滝田洋二郎。新撰組の顛末を東北出身の構成員・吉村寛一郎を中心に描く。 泣かせるシーンもないではないが、映画全体としてはまとまりに欠け、いわば不完全燃焼である。冒頭、明治時代の東京で佐藤浩市扮する老境の斉藤一が偶然出会う医師が吉村寛一郎ゆかりの人物だったことから、斉藤の回想形式でドラマは始まる。...
View Article「アメイジング・スパイダーマン2」
(原題:The Amazing Spider-Man 2)前作に引き続き演出を担当した、マーク・ウェブの持ち味が発揮されている一作。物語の主眼は敵怪人との死闘ではなく、主人公ピーター・パーカーとガールフレンドのグウェンとのアバンチュールだ。これが2時間半の上映時間のかなりの部分を占める。その意味では“間延びしている”とも言えるのだが、“そういうものだ”と納得してみれば、なかなか面白い。...
View Article最近購入したCD(その29)。
オムニバスのCDセットである「My Dear」を購入してみた。イージーリスニングばかりを集めた、5枚組のボックスである。ポール・モーリアやレイモン・ルフェーヴルなど、この分野の代表的なミュージシャンを網羅しており、全100曲が収録されている。なお、この商品はCDショップの店頭では扱われておらず、通販のみである。...
View Article「ブルージャスミン」
(原題:Blue Jasmine)とても面白かった。悲惨な話なのだが、笑いが絶えない。その笑いはもちろん表面的なものではなく、対象を冷徹に“分析”した上で、そのチグハグさを滑稽な形で提示しようという、高度な技巧から来るものだ。それを易々とやってのけるウディ・アレン御大の腕前は、年を重ねてますます磨かれていると言って良い。...
View Article「ロッカーズ」
2003年作品。楽しめる映画だ。陣内孝則の長編映画初監督作だが、彼がかつて在籍していた福岡出身のバンド「ザ・ロッカーズ」をめぐる実録映画かと思ったら違った。ロッカーズが活躍していたのは80年前後だが、映画の舞台は(公開当時の)現代で、純然たるフィクションである。...
View Article「初春狸御殿」
昭和34年大映作品。福岡市総合図書館にある映像ホール“シネラ”で上映された市川雷蔵特集の中の一本だ。雷蔵の映画とはいっても「眠狂四郎」シリーズみたいな切れ味鋭いものとは全く異なり(笑)、全編にわたって脱力系の“御座敷芸”が披露されるだけの作品。映画全盛期にはこういう趣向のシャシンも存在価値はあったのかもしれない。...
View Article「ドリームキャッチャー」
(原題:Dreamcatcher)2003年作品。かつては名脚本家であり、監督としても「偶然の旅行者」等の佳作を世に出したローレンス・カスダンだが、昔日の勢いはすっかり影を潜めてしまった。久々に演出を担当した当作品も、まるで気勢の上がらない三流SFスリラーでしかない。...
View Article「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」
本作で妙に印象に残っているのは、主人公が両親と暮らしている家が安アパートの狭い一室であることだった。高校を卒業する息子がいる家族の住処としては、あまりにも質素だ。この父と母には(その言動から想像出来るように)甲斐性が無いのだろう。もしも一戸建てか少しは上等なマンションに家族が住めるような状況ならば、果たして主人公が林業なんかに興味を持ったのかどうか、すこぶる怪しい(笑)。...
View Article「ドラッグストア・ガール」
2003年作品。宮藤官九郎が脚本を手掛けたわりには、まあまあ楽しめる映画にはなっている。彼氏に振られた勢いでひょんなことから地方商店街の大手ドラッグストアでバイトすることになった女子大生と彼女に惚れ込んだ中年男どもが、ラクロスで町おこしに乗り出すという話だ。...
View Article