2003年作品。楽しめる映画だ。陣内孝則の長編映画初監督作だが、彼がかつて在籍していた福岡出身のバンド「ザ・ロッカーズ」をめぐる実録映画かと思ったら違った。ロッカーズが活躍していたのは80年前後だが、映画の舞台は(公開当時の)現代で、純然たるフィクションである。
中村俊介扮する主人公と重い病気を抱えたギタリストとの関係や、彼が手術直後にコンテスト会場に現れて喝采を浴びたという話も出来すぎで、本当かどうかわからない。でも、陣内にとってそういうことはどうでもいいのだと思う。自分の昔の姿をネタにしてロックに打ち込む普遍的な青春像を描きたかったのだろう。
物語を自己満足的にしないためか、はたまた自身の照れもあるのか、観客を喜ばせるためのギャグが数多く挿入されており、大いに笑わせてくれる。それぞれは使い古されたネタばかりなのだが、ロックンローラーらしい(?)リズム感で次から次へと繰り出され、考えるヒマを与えない(博多弁のノリも良い)。
圧巻はコンサートのシーンで“さすが本職は違う”と思わせる素晴らしさだ。しかも、主人公達のバンドだけではなく、このコンテストに参加している他のグループの高い実力もそれぞれ短い時間ながら的確に紹介されており、その手際の良さに唸るばかりだ。
クライマックスのライヴ場面の余韻で蛇足とも思えるエピソードも気にならない。サウンドトラックにはオリジナル音源ではなく、中村をヴォーカルに置いた新バンドで昔の楽曲をカバーしているが、これが殊の外よろしい。
玉木宏や岡田義徳、上原美佐といった若手キャストが万全で、佐藤浩市や麻生祐未、大杉漣に小泉今日子、鈴木京香に中井貴一などの豪華なゲスト出演も楽しい。福岡を舞台にした明朗青春篇としては「博多っ子純情」以来の快作であると思う。
中村俊介扮する主人公と重い病気を抱えたギタリストとの関係や、彼が手術直後にコンテスト会場に現れて喝采を浴びたという話も出来すぎで、本当かどうかわからない。でも、陣内にとってそういうことはどうでもいいのだと思う。自分の昔の姿をネタにしてロックに打ち込む普遍的な青春像を描きたかったのだろう。
物語を自己満足的にしないためか、はたまた自身の照れもあるのか、観客を喜ばせるためのギャグが数多く挿入されており、大いに笑わせてくれる。それぞれは使い古されたネタばかりなのだが、ロックンローラーらしい(?)リズム感で次から次へと繰り出され、考えるヒマを与えない(博多弁のノリも良い)。
圧巻はコンサートのシーンで“さすが本職は違う”と思わせる素晴らしさだ。しかも、主人公達のバンドだけではなく、このコンテストに参加している他のグループの高い実力もそれぞれ短い時間ながら的確に紹介されており、その手際の良さに唸るばかりだ。
クライマックスのライヴ場面の余韻で蛇足とも思えるエピソードも気にならない。サウンドトラックにはオリジナル音源ではなく、中村をヴォーカルに置いた新バンドで昔の楽曲をカバーしているが、これが殊の外よろしい。
玉木宏や岡田義徳、上原美佐といった若手キャストが万全で、佐藤浩市や麻生祐未、大杉漣に小泉今日子、鈴木京香に中井貴一などの豪華なゲスト出演も楽しい。福岡を舞台にした明朗青春篇としては「博多っ子純情」以来の快作であると思う。