「ダイアモンドは傷つかない」
82年作品。当時はヤクザ映画などに代表されるような男臭い(≒むさ苦しい)実写映画を数多く手がけていた東映が、珍しく若い女性層の動員を狙って仕掛けた一本。しかも、5月の連休明けを勝手に“OL週間”と命名し、東陽一監督の「ザ・レイプ」(田中裕子主演)との二本立てで臨んだという、今から考えると何とも向こう見ずなマーケティングを採用している。...
View Article「夜、鳥たちが啼く」
佐藤泰志の小説の映画化にしては、極端に暗くも重くもないので“物足りない”と感じるかもしれない。しかしながら、適度な明るさと温度感を伴う方が観る側にとって幾分気が楽であるのは確かだ。ましてや監督は最近登板数が多くプログラム・ピクチュアの担い手のような存在になった城定秀夫だ。いたずらにヘヴィなタッチを期待するのは筋違いである(笑)。...
View Article「サボテン・ブラザース」
(原題:i Three Amigos! )86年作品。お手軽すぎる邦題は、監督ジョン・ランディスの代表作「ブルース・ブラザーズ」(80年)の二番煎じを狙ったものだ。内容もそれに相応しく(?)超ライトで歯ごたえのない、観た後すぐに忘れてしまいそうになる脱力系コメディである。だが、本作は内容自体よりも“周辺のネタ”の方が興味深い。その意味ではコメントするに値するシャシンである。...
View Article「戦場記者」
現時点で“観るべき映画”の筆頭に挙げられる。ただ、もちろん映画鑑賞なんてのは単なる娯楽であり、有り体に言えば“ヒマ潰し”でもある。だから他人から“必見の映画だ”などとゴリ押しされる筋合いは無い。しかし、時として観ておけば知見が広がる(かもしれない)シャシンというのが出てくることがある。本作はそれに該当する。...
View Article無目的に選んでしまった2022年映画ベストテン。
年末の“ノルマ”として、2020年の個人的な映画ベストテンを今年も発表したいと思う(^^;)。 日本映画の部 第一位 PLAN 75 第二位 香川一区 第三位 マイスモールランド 第四位 窓辺にて 第五位 マイ・ブロークン・マリコ 第六位 教育と愛国 第七位 こちらあみ子 第八位 ビリーバーズ 第九位 土を喰らう十二ヵ月 第十位 戦場記者 外国映画の部 第一位 ナワリヌイ 第二位 あのこと...
View Article「ブラックアダム」
(原題:BLACK ADAM)正直あまり期待していなかったのだが、実際観てみると面白い。深みは無いものの、単純明快で理屈抜きに楽しめる(ダーク)ヒーロー編だ。少なくとも、筋書きの帳尻合わせに多大な上映時間を費やした挙げ句に成果があがっていなかった「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」よりも、数段良心的な内容である。...
View Article「勝利への脱出」
(原題:Escape to Victory )80年作品。第二次世界大戦中に、捕虜となっていた連合軍兵士とドイツ代表との間で行われたサッカーの試合をネタにした娯楽編だが、現時点で考えるとタイムリーな題材だ。2022年に開催されたサッカーワールドカップの余韻があることは別にしても、この映画は実際の出来事をモデルにしており、それは1942年に行なわれた国際試合で、場所はウクライナだ。...
View Article「ホワイト・ノイズ」
(原題:WHITE NOISE )2022年12月よりNetflixにて配信されているが、私は劇場での先行公開にて鑑賞した。監督が秀作「マリッジ・ストーリー」(2019年)のノア・バームバック、主演が同作でコンビを組んだアダム・ドライバーということで期待していたのだが、どうにも気勢の上がらない出来だ。変化球で攻めてきた題材を、何の工夫も無く受け流しているような感じで、評価するに値しない。...
View Article「フラッグ・デイ 父を想う日」
(原題:FLAG DAY)ショーン・ペンの、アメリカン・ニューシネマ的な“アンチ・ヒーロー”のスタイルを再認識できる作品。しかも今回は監督作として初めて自ら出演しており、実子を家族役としてキャスティングしているという念の入れようだ。思い入れの強さが窺え、それだけ見応えはある。ただし、万全の内容かというと、そうではない。...
View Article「かがみの孤城」
観終って、これは子供向けのシャシンかと思ったが、よく考えると主人公たちと同年代の若年層が鑑賞して果たして納得できるかどうかも怪しい。それだけ低調な出来である。ところがなぜか絶賛している向きが少なくない。それも子供だけではなくいい年の大人まで“感動した”というコメントを残していたりする。アニメーションだから採点が甘くなるのかもしれないが、あまり好ましい傾向だとは思えない。...
View Article「川のながれに」
いわゆる“ご当地映画”のメリットを最大限に活かしており、好感度が高い。もしも同じようなスキームを、都会を舞台にした全国一斉拡大公開するようなシャシンで展開したら、ウソっぽくて観ていられないだろう。しかも、扱われている主題自体は決してワザとらしかったり独りよがりなものではなく、確固とした普遍性を保持しているあたりも評価出来る。...
View Article音楽ストリーミングサービスの導入を検討してみる。
去る1月13日、音楽配信サイトe-onkyoの運営元であるXandrie(ザンドリエ) Japanは、2023年度後半にストリーミングサービスをフランス発のハイレゾ音楽配信キャリアQobuz(クーバス)へ移行することを発表した。実現すれば、国内外の約9000万曲がハイレゾ仕様で商品ラインナップとなるという。...
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