「ヘンリー&ジューン 私が愛した男と女」
(原題:HENRY & JUNE )作家アナイス・ニンの日記を基に、まだ無名だったヘンリー・ミラーとその妻ジューンとの関係を描く。90年アメリカ作品。フィリップ・カウフマン監督といえば、「ライトスタッフ」(83年)そして「存在の耐えられない軽さ」(88年)でキャリアの絶頂を迎えたものの、本作を境に高評価を得ることが出来なくなったことに思い当たる。...
View Article「牡丹燈籠」
68年大映作品。福岡市総合図書館の映像ホールにおける特集上映“怪談映画の夜”にて鑑賞。結論から言えば、大して面白くは無かった。全然怖くないし、それどころか笑ってしまうような場面も散見される。ただし、山本薩夫という日本映画史上にその名を残す映像作家もこういう映画を撮っていたのかという、そんな事実に対しては興味を覚える。...
View Article「獅子王たちの夏」
90年東映作品。非凡な才能を持ちながら若くして世を去った脚本家兼演技者の金子正次が遺したシナリオは、自身が出演した「竜二」(83)を除いて4本ある。本作はその中の1本を映画化したものだが、何とも冴えない出来に終わってしまった。作り方が根本的に間違っているようなシャシンである。...
View Article「夜明けの祈り」
(原題:LES INNOCENTES)こういう宗教ネタを前面に出した映画は、個人的には評価を差し控えたいのだが、主演女優の存在感と映像の美しさで何とか最後までスクリーンと対峙することが出来た。また歴史の一断面を知ることが出来るという意味では、観る価値はあると言える。...
View Article九重に行ってきた。
今年の夏はまとまった休みが取れたのだが、個人的に何やかやと用事が多くて長期の旅行には行けるはずもなかった(それ以前に、懐具合があまり芳しくなかったという事情もある ^^;)。それでもずっと家にいるというのは飽きるので、一泊でドライブに出掛けることにした。行き先は大分県の九重連山である。...
View Articleドレッシングは“ご当地製”に限る。
先日大分の九重連山に行ってきたことを書いたが、自宅用の土産の一つとして買ってきたのが、地域で製造・販売されている焙煎アマミを使用したドレッシングである。...
View Article「スパイダーマン:ホームカミング」
(原題:SPIDER-MAN:HOMECOMING )随分と“軽い”仕上がりだ。今回からアベンジャーズ陣営に正式参加するための措置かと思ったのだが、アベンジャーズ関連作品もけっこうハードな題材を扱うこともあるので、理由はそれではないだろう。いわば“二軍扱い”の若造のエピソードに過ぎないということか。そう割り切って観れば、楽しめるかもしれない。...
View Article「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」
(原題:ANTHROPOID)暗くて重い映画だが、明るい題材ではないので仕方がない。とはいえ、掘り下げが浅いので歴史物としての存在感が出せていない。史実を知らない観客にとっては“勉強”にはなるだろうが、それ以外の価値は見出しにくい映画だ。...
View Article「デッドコースター」
(原題:Final Destination 2 )2003年作品。間一髪で飛行機事故を逃れた高校生たちが、死神から追い回され次々と無惨な最期を遂げてゆくという「ファイナル・デスティネーション」(2000年)の続編。前回はアイデア倒れの凡作と言うしかなかったが、この二作目は「マトリックス...
View Article「ベイビー・ドライバー」
(原題:BABY DRIVER )世評通りの面白さだ。ストーリーはありがちだが、キャラクター設定と“仕掛け”が抜群に上手く、最後までまったく飽きさせない。一部では“カーチェイス版「ラ・ラ・ランド」”という声もあるらしいが、はっきり言って「ラ・ラ・ランド」より遙かに楽しめる。特に音楽の使い方の巧拙は、天と地ほどの違いがある。...
View Article「エル ELLE」
(原題:ELLE)物足りない出来だ。監督がポール・ヴァーホーヴェンだから、もっとエゲツなく、もっとセンセーショナルに盛り上げて然るべきだったが、彼もトシを取って丸くなったのか切れ味不足で退屈至極な展開に終始。期待していた“変態度”が低すぎて話にならない(笑)。...
View Article「夏の別れ」
81年作品。高名な脚本家である中島丈博が設立した“中島丈博ぷろだくしょん”の第一回作品だが、第二回以降の話を聞いたことがないので、このプロジェクトは自然消滅したのだと思う(間違っていたらゴメン)。そのことを暗示させるように、何とも気勢の上がらない出来だ。...
View Article「ワンダーウーマン」
(原題:WONDER WOMAN)予想を上回る面白さで、鑑賞後の満足度は高い。矢継ぎ早に作品を投入し、駄作はあるが快作も確実に存在するMARVEL陣営に比べ、DCコミック側は感心しない展開が目立っていたのだが、本作の登場によって状況が変わってきた。次なる「ジャスティス・リーグ」のシリーズにもいくらか期待が持てる。...
View Article「復活の朝」
92年作品。いくつかの映画と数多くのテレビドラマのシナリオを手掛けた吉田剛の、現時点では唯一の監督作である。それも、当初は野村芳太郎がメガホンを取る予定だったが、体調を崩して降板したため吉田にお鉢が回ってきたという経緯がある。終末医療を描いた看護婦作家・江川晴の小説「外科病棟」の映画化だ。...
View Article「おしゃれ泥棒」
(原題:How to Steal a Milion )66年作品。“午前十時の映画祭”のプログラムの一つとして今回初めてスクリーン上で観ることが出来た。名匠ウィリアム・ワイラー監督がこんなお手軽ラブコメを作っていたのかと驚いたが、配役や作品のカラーを考えれば文句を言うのも野暮であろう。少なくとも、公開当時はかなりウケが良かったことは想像できる。...
View Article原田伊織「明治維新という過ち」
正式タイトルは「明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」。今まで日本人の多くは、幕末期の勝者である薩摩・長州の“官軍教育”によって明治維新をポジティヴな視点で理解してきたが、歴史の実相はそうではなく、明治維新というのは薩長(特に長州)のテロによる暴力的なクーデターに過ぎなかった・・・・という内容の本だ。...
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