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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「アウトレイジ 最終章」

 期待していなかったが、実際に観た印象も予想通りの“中の下”のレベルだ。もっとも、前2作も観ているので、惰性でスクリーンに対峙したというのが実情である(苦笑)。ただ、この監督独特の作劇のリズムは健在なので、観ている間はさほど退屈はしなかったのはまあ良かった。...

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エリオット・パティスン「頭蓋骨のマントラ」

 ミステリーとしては設定がかなりの“変化球”だが、決して奇を衒うことがなくストレートにグイグイと引き込まれる。国際的な人権問題を告発する等、ジャーナリスティックな視点を伴っているため、話が全然絵空事にならない。読み応えのある本だと言える。...

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「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」

 面白そうな題材は扱っているが、アプローチを間違えている。アメリカ占領下にあった戦後の沖縄で、米軍の圧政と戦った瀬長亀次郎という人物を描いたドキュメンタリー作品。那覇市長や衆議院議員も務めたということだが、私は不勉強にも彼のことを知らなかった。だから、瀬長が実質的にどういう功績を残したのか興味津々だったのだが、劇中ではまるで紹介されていないのだ。...

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「動天」

 90年作品。この映画は何と、大手総合商社の一つであったトーメンが製作している。思い起こせば80年代から90年代初頭にかけて、映画作りとは縁の無いようなカタギの(?)企業が次々と映画業界に参入していたものだ。当時は景気が良かったのでそんなケースは珍しくもなかったのだが、今考えると随分と賑やかな話である。現在ではまずあり得ないだろう。...

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「オン・ザ・ミルキー・ロード」

 (原題:ON THE MILKY ROAD )エミール・クストリッツァ監督のお馴染みの個性的な持ち味は発揮されているが、内容を勘案すると上映時間が長すぎる。しかも、中盤以降の展開は明らかに冗長だ。余計なシークエンスを削ってタイトに仕上げれば、もっと評価出来る映画になったと思われる。...

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「ヒア・マイ・ソング」

 (原題:HEAR MY SONG)91年イギリス作品。ピーター・チェルソムはベテランの域に入る監督だが、近作はあまりパッとしない。だが、彼も初期にはこんなチャーミングな映画を撮っていたのだ。コメディと音楽映画、そしてロードムービーを良い案配でブレンドし、当時は若手ながら実に作劇のツボを押さえている。...

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「婚約者の友人」

 (原題:FRANTZ)近代史を題材に反戦と平和への希求という正攻法のテーマを扱っていながら、一方ではこの監督らしい屈折ぶりと捻った展開の玄妙さが存分に堪能できる。洗練されたエクステリアも併せて、観た後の満足感が実に高い映画である。...

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「ポンヌフの恋人」

 (原題:LES AMANTS DU PONT-NEUF...

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「ミックス。」

 正直言ってあまり出来は良くないのだが、最後まで退屈せずに観ていられたのは、やっぱり第一に主演の新垣結衣の存在感ゆえであろう(笑)。同世代の他の女優達と比べると、明らかに演技力では後れを取っている。だが、彼女には独特の“素”の魅力があり、観る者を惹き付けてしまう。パフォーマンス能力だけが俳優の真価ではない。新垣みたいにキャラクターだけでポジションを得てしまうケースだってあるのだ。...

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「遙かなる走路」

 80年松竹作品。トヨタ自動車の創業者の伝記映画で、戦前に彼が自動車を作りだすまでの軌跡を追う。木本正次の著書「夜明けへの挑戦」の映画化だ。とても真面目に作られているが、堅苦しさはない。現在の自動車業界の現状をチェックする意味でも、存在価値のある映画である。...

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「50年後のボクたちは」

 (原題:Tschick )観ている間はまあ退屈はしないが、取り立てて良くもない。少年達のロード・ムービーとしては「マイ・フレンド・フォーエバー」(95年)よりも幾分マシだが、「スタンド・バイ・ミー」(86年)にはとても及ばない。有り体に言えば“中の下”の出来であろう。...

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「真実の瞬間」

 (原題:GUILTY BY SUSPICION )90年作品。タイトルの“瞬間”は“とき”と読ませる。マッカーシズムに翻弄されたハリウッドの実態を描く野心作。監督のアーウィン・ウィンクラーはプロデューサーとして有名だが、演出家としては彼が60歳ぐらいの時に撮った本作がデビュー作である。おそらくは長年温めていた題材であるためか、かなり重量感のある仕上がりになっており、鑑賞後の満足度も高い。...

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「ゲット・アウト」

 (原題:GET OUT )何の変哲もないB級ホラーである。本国アメリカではかなりヒットしたそうだが、その理由があからさまに透けて見える点も、大いに脱力する。まあ、キワ物映画として名高い(?)「パラノーマル・アクティビティ」シリーズなどを手掛けたプロデューサーが一枚噛んでいるらしいので、さもありなんという感じだ。...

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「ワイルド・アット・ハート」

 (原題:WILD AT HEART...

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「女神の見えざる手」

 (原題:MISS SLOANE )面白い映画だ。骨太の演出は最後まで揺るがない。主人公の造型はもとより、題材はタイムリーで、社会の欺瞞を追求するジャーナリスティックなテイストも満載。観る価値は大いにある。...

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「殺意の夏」

 (原題:L'Ete Meurtrier )83年フランス作品。主演女優のイザベル・アジャーニの魅力を堪能するための映画である。思えば、出世作「アデルの恋の物語」(75年)以来、アジャーニはコンスタントに映画に出ていたにも関わらず出演作の日本での公開は覚束ない状態だった。封切当時においては、少なくなかった彼女のファンは、彼女の主演作を久々に観ることが出来て溜飲を下げたことだろう。...

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「彼女がその名を知らない鳥たち」

 沼田まほかるによる原作は数年前に読んでいるが、この映画化作品は小説版のテイストを崩さずに娯楽映画として仕上げた良作だと思う。奇を衒わず平易なストーリー運びに徹した脚色と、ソツのない演出。そしてキャストの頑張りがとても印象的なシャシンである。...

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「妖獣都市」

 87年作品。「バンパイアハンターD」(2000年)などで知られるアニメーション監督、川尻善昭の実質的なデビュー作。表現方法は少々どぎついが(笑)、なかなか見せるシャシンではある。菊地秀行の同名小説(私は未読)の映画化だ。...

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「ザ・サークル」

 (原題:THE CIRCLE)つまらない。題材に対する掘り下げがほとんど成されていないばかりか、話の展開が行き当たりばったりで、中盤以降は映画作りそのものを放り出したような惨状だ。しかも、キャスティングおよび演技は最悪。まさに本年度ワーストワンの有力候補であり、(少なくとも個人的には)存在価値はあまり無いと断言できる。...

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「戦場の小さな天使たち」

 (原題:Hope and Glory)87年イギリス作品(日本公開は88年)。面白い。戦争の実相を悲惨さから捉えた作品は数多いが、ここでは別の切り口により、戦争と庶民の関係性の一断面を見せてくれる。間違いなく、ジョン・ブアマン監督の代表作の一つだ。...

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