「GTMAX」
(原題:GTMAX )2024年11月よりNetflixから配信されたフランス製のアクション編。特に高評価するようなシャシンではないのだが、あまり堅いことを考えずに眺めていれば退屈せずに過ごせるし、まあ悪くないのではないだろうか。もちろんカネ払って映画館で鑑賞したならばストレスを感じるところだが(笑)、テレビ画面だと何となく許せてしまう。...
View Article「愛を耕すひと」
(原題:BASTARDEN )見応えのある大河ドラマだ。作劇が冗長になる点も少しあるが、崇高な使命を達成するために、立ちはだかる幾多の困難に正面からぶつかる主人公の姿は感動を呼ぶ。また、あまり知られていなかった彼の国の近世の有様が紹介されているのも興味深く、鑑賞後の満足度はかなり高い。...
View Article「聖なるイチジクの種」
(英題:THE SEED OF THE SACRED FIG)イランを舞台にしたサスペンス編。かなりシビアな題材を扱っており、ドラマ運びもヘヴィなタッチなのだが、如何せん脚本の完成度が低い。加えて167分という、かなりの長尺。エンドマークを迎えるまでは、けっこう忍耐力を要した。2024年の第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を獲得するなど高い評価は得ているのだが、個人的には受け付けない内容だ。...
View Article「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」
(原題:CAPTAIN AMERICA: BRAVE NEW WORLD)巷の評価が芳しくないので期待はしていなかったが、実際観てみたらけっこう楽しめる。もちろん、この手のシャシン特有の“一見さんお断り”の雰囲気は拭えず、私もこのシリーズを全部チェックしているわけではないので、中身をすべて理解したとは言い難い。それでもあまり不満を覚えることなく、最後まで付き合えた。...
View Article「ララミーから来た男」
(原題:THE MAN FROM LARAMIE)1955年作品。勧善懲悪の図式を取ることが多かったそれまでの西部劇とは異なり、複雑な人間関係をフィーチャーし、一筋縄ではいかない展開を見せる。公開当時は異色作として受け取られたことだろう。かといって面白くないわけではなく、各キャラクターは十分に“立って”おり、適度な活劇場面も挿入される。...
View Article「セプテンバー5」
(原題:SEPTEMBER 5 )実録物らしい緊迫感はあり、最後まで引き込まれることは確かである。ただし、鑑賞後の満足度はそれほど高くはない。これはひとえに、扱われている事件は広く知られており、その“結末”も皆が分かっているからに他ならない。主題や各モチーフは骨太ではあるのだが、本作ならではのインパクトには欠ける。このあたりが、各賞レースでは今ひとつ振るわない理由かもしれない。...
View Article「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」
(原題:FIREBRAND )正直、映画としてはあまり面白くはない。だが、取り上げた題材とキャストの奮闘、そして時代劇に相応しいエクステリアの創出はチェックする価値はある。観て損は無いレベルには仕上げられていると思う。2023年の第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作だ。...
View Article「ゆきてかへらぬ」
作品のエクステリアはとても魅力的で、昨今の邦画の中では突出したクォリティを示す。キャストも全員が上質のパフォーマンスを見せ、批判すべきところは見つからない。また、シッカリとした演出は好感が持てる。しかし、映画としてはあまり盛り上がらないのだ。これはたぶん、作劇のコンセプト自体に問題があったのだと思う。...
View Article「ドゥーム・ダーム」
(原題:DHOOM DHAAM )2025年2月よりNetflixから配信された、インド製のアクションコメディ。この国の娯楽作品に付き物のミュージカル場面は出てこないし、3時間を超える作品も少なくない中、本作は108分にまとめられている。ならば物足りないのかというと、断じてそうではない。これは快作だ。最初からラストまで、存分に楽しませてくれる。...
View Article「ブルータリスト」
(原題:THE BRUTALIST )これは面白くない。正直、観て損したという感じだ。ストーリーは工夫が足りず、各キャラクターにはまったく感情移入出来ない。そもそも題材自体が大して興味を惹かれるものではなく、それに何とか興趣を持たせようという意図も感じられないのだ。加えて、215分(途中休憩あり)という気の遠くなるような長さ。海の向こうでの高評価も、俄に信じがたい。...
View Article「長い灰色の線」
(原題:THE LONG GRAY LINE)1954年作品。巨匠ジョン・フォード監督の、この時期の代表的な映画とされているもの。確かに評価が高いだけあって、見応えのあるシャシンだ。おそらく、この監督の本格西部劇以外の作品では屈指のクォリティを示していると思う。出演俳優は粒ぞろいだし、映像面での訴求力もハイレベルだ。...
View Article「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」
(原題:NO OTHER LAND )高い求心力を持つドキュメンタリー作品で、観る価値は大いにある。何より、今の世界情勢を多角的な視点で考える上で、絶好の教材に成り得ることは間違いない。2024年の第74回ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞を受賞し、第97回米アカデミー賞でも長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作だ。...
View Article「ANORA アノーラ」
(原題:ANORA )主演女優がとても健闘していることは分かるが、映画全体としては面白味が感じられない。第77回カンヌ国際映画祭や第97回米アカデミー賞などで高く評価され主要アワードを獲得した作品ながら、個人的には傑出した点を見出せなかった。まあ、世評と自身の感想が食い違うことはよくあるので気にはしないのだが、今回はその“見解の差”はけっこう大きい。...
View Article「オントラック つまづき人生を変える方法」
(原題:PA VILLSPOR )2025年2月よりNetflixから配信されたノルウェー作品。スポ根仕立てのホームコメディだが、ユニークかつ訴求力の高いテーマを扱っており、観て良かったと思わせるものがある。キャストは好調だし、散りばめられたギャグのレベルは決して低くはない。何よりこの映像をチェックするだけでも価値がある。...
View Article「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
(原題:A COMPLETE UNKNOWN)とても見応えがあり、楽しめた。超有名ミュージシャン、しかも現時点で健在という、映画として扱うには難しい素材を違和感なく料理していることに感心する。何より、主人公たちが奏でる楽曲が素晴らしいのだ。観ている間、素直に“ああ、音楽って何てイイんだろう!”という感慨を深めた。本年度を代表する秀作かと思う。...
View Article商店街の社員食堂を利用してみた。
先日、福岡市中央区天神にあるアーケード商店街“新天町”の奥まった場所に併設されている従業員のための食堂“新天町倶楽部”で昼食を取ってみた。社員食堂といっても一般の者も利用可能で、随分前から存在自体は認知していたが、利用するのは初めてだった。メニューは日替わり定食をはじめ豊富で、そして安い。折からの物価高で外食するとけっこうな出費が必要な昨今、実にありがたいスポットだ。...
View Article「早乙女カナコの場合は」
監督が、まったく信用出来ない矢崎仁司であり、普段ならスルーするところだが、原作が何度も直木賞候補に挙がっている柚木麻子なので敢えて鑑賞。結果、気分を害すること無く最後まで付き合えた。脚本を矢崎自身が手掛けていないことが大きいのかもしれないが、本作のシナリオ担当は朝西真砂と知愛という、名前も知らない面子。しかし、本作に限っては何とか上手く機能しているようだ。...
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