所有しているアナログレコードの中で録音が優秀なものを紹介したい。アメリカのNONESUCHからリリースされていた「中世のクリスマス」というディスクは、往年のオーディオ評論家・長岡鉄男がその著書の中で絶賛していたものだ。演奏はジョエル・コーエン指揮のボストン・カメラータ(どういう楽団なのか、具体的にはよく知らない)。75年にボストン美術館で録音されている。
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文字通り中世に作られたクリスマス用の楽曲が中心で、どのナンバーも親しみやすく、楽しく聴ける。そして録音はすこぶる優秀だ。とにかく、どこまでも広がるホールエコーに圧倒される。音場は前後左右上下に展開し、fレンジ、Dレンジ共に広大。その中で音像は強固に定位。滲んだりボケたりすることは決して無い。
おそらくは少ないマイクで録られたのだろう。曲の途中で楽器が移動する場面があるのだが、その様子がスムーズで違和感を覚えない。まさにオーディオシステムのチェック用にはもってこいである。ただし、アメリカで製造されているため盤質は良くない。さらにはジャケットの紙質と印刷も安っぽい。もっとも、これはこのレーベルに共通していることなので、文句は言うまい。
英国のAmon RaはSaydisc傘下の古楽専門レーベルである。リリースされた数々のレコードの中で、84年に録音されたこの「フルート・コレクション」は、発売当時に演奏内容と音質の良さで評判になったらしい。クリストファー・ホグウッドやトレヴァー・ピノックら古楽器の名手達と何度も共演したスティーヴン・プレストンが、8種類のバロック・フルートを操り、時代の移り変わりによる音色の違いを演出する。
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曲目はダカンの「かっこう」、クヴァンツの「ソナタ ニ長調」、ドヴィエンヌの「ソナタ ホ短調」など、馴染みの無いナンバーばかりだが、どれもチャーミングで聴き飽きることは無い。プレストンの演奏は闊達で、高度なテクニックに裏打ちされ、流れるようにメロディを奏でていく。チェンバロを担当するルーシー・カロランとの息もピッタリだ。
マイクとの距離感は的確で、直接音が多いものの、圧迫感が無くスンナリと聴き手に伝わってくる。楽器ごとの音色の違いがよく出ているのはもちろんだが、明るさを伴った艶やかな音像の捉え方には感心した。それにしても、Amon Raのレーベル・デザインは、アラン・パーソンズ・プロジェクトの「アイ・イン・ザ・スカイ」のレコード・ジャケットを思い起こさせる(笑)。
プリンス&ザ・レヴォリューションが84年にリリースした「パープル・レイン」は、この時代を代表する大ヒットアルバムだ。ほぼ同時期に発売されたマイケル・ジャクソンの「スリラー」と並んで、いつまでも色あせることのない名盤として語り継がれることだろう。なお、プリンスの自伝的映画のサントラでもあるが、映画の出来の方も悪くなかった。
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また、彼の作品はポップス系としては録音がけっこう良いことでも知られる。このディスクをはじめとしてプリンスが80年代から90年代前半にかけて吹き込んだ作品群は、どれも上質だ。もっとも、「パープル・レイン」がその中でも特別録音が良いわけではない。それでも今回敢えて取り上げたのは、そのレコード盤の色である。
国内盤なのだが、色がタイトル通り紫である。おそらくは初回プレス分のみの“特典”だったと思うが、所有欲は十分満たされる(笑)。黒以外のカラーリングが施されたレコードは他にも何枚か持っているが、盤上の溝が見えにくいという欠点がある。しかしながら、そういうディスクがターンテーブルの上で回っているのを見るだけで、何だか楽しい気分になるのだ。これもCDでは味わえないレコード再生の醍醐味なのだろう。
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文字通り中世に作られたクリスマス用の楽曲が中心で、どのナンバーも親しみやすく、楽しく聴ける。そして録音はすこぶる優秀だ。とにかく、どこまでも広がるホールエコーに圧倒される。音場は前後左右上下に展開し、fレンジ、Dレンジ共に広大。その中で音像は強固に定位。滲んだりボケたりすることは決して無い。
おそらくは少ないマイクで録られたのだろう。曲の途中で楽器が移動する場面があるのだが、その様子がスムーズで違和感を覚えない。まさにオーディオシステムのチェック用にはもってこいである。ただし、アメリカで製造されているため盤質は良くない。さらにはジャケットの紙質と印刷も安っぽい。もっとも、これはこのレーベルに共通していることなので、文句は言うまい。
英国のAmon RaはSaydisc傘下の古楽専門レーベルである。リリースされた数々のレコードの中で、84年に録音されたこの「フルート・コレクション」は、発売当時に演奏内容と音質の良さで評判になったらしい。クリストファー・ホグウッドやトレヴァー・ピノックら古楽器の名手達と何度も共演したスティーヴン・プレストンが、8種類のバロック・フルートを操り、時代の移り変わりによる音色の違いを演出する。
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曲目はダカンの「かっこう」、クヴァンツの「ソナタ ニ長調」、ドヴィエンヌの「ソナタ ホ短調」など、馴染みの無いナンバーばかりだが、どれもチャーミングで聴き飽きることは無い。プレストンの演奏は闊達で、高度なテクニックに裏打ちされ、流れるようにメロディを奏でていく。チェンバロを担当するルーシー・カロランとの息もピッタリだ。
マイクとの距離感は的確で、直接音が多いものの、圧迫感が無くスンナリと聴き手に伝わってくる。楽器ごとの音色の違いがよく出ているのはもちろんだが、明るさを伴った艶やかな音像の捉え方には感心した。それにしても、Amon Raのレーベル・デザインは、アラン・パーソンズ・プロジェクトの「アイ・イン・ザ・スカイ」のレコード・ジャケットを思い起こさせる(笑)。
プリンス&ザ・レヴォリューションが84年にリリースした「パープル・レイン」は、この時代を代表する大ヒットアルバムだ。ほぼ同時期に発売されたマイケル・ジャクソンの「スリラー」と並んで、いつまでも色あせることのない名盤として語り継がれることだろう。なお、プリンスの自伝的映画のサントラでもあるが、映画の出来の方も悪くなかった。
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また、彼の作品はポップス系としては録音がけっこう良いことでも知られる。このディスクをはじめとしてプリンスが80年代から90年代前半にかけて吹き込んだ作品群は、どれも上質だ。もっとも、「パープル・レイン」がその中でも特別録音が良いわけではない。それでも今回敢えて取り上げたのは、そのレコード盤の色である。
国内盤なのだが、色がタイトル通り紫である。おそらくは初回プレス分のみの“特典”だったと思うが、所有欲は十分満たされる(笑)。黒以外のカラーリングが施されたレコードは他にも何枚か持っているが、盤上の溝が見えにくいという欠点がある。しかしながら、そういうディスクがターンテーブルの上で回っているのを見るだけで、何だか楽しい気分になるのだ。これもCDでは味わえないレコード再生の醍醐味なのだろう。