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NeumannのRCAケーブルを試してみた。

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 今年(2012年)の夏に大阪・日本橋にあるカリスマ的(笑)ネット通販業者「ProCable」のショップに行ったことについては前に述べた。その際についでにケーブルをいくつか調達している。ヘッドシェル用のリード線については以前インプレッションをアップしたが、今回紹介するのはNeumann(ノイマン)のRCAケーブルだ。

 Neumann社は1928年にベルリンに創設された老舗のマイクロフォンのメーカーである。このケーブルは同社のマイクに接続することを前提に作られた線材を利用したものだ。見かけは細くて高級感もまったく無い、いかにも“業務用”といった感じである。「ProCable」の主宰者は“ドイツの録音にジャストフィットする”などと述べているが(爆)、そんなことは度外視していろんなジャンルの音源を試してみた。

 聴感上の特性はフラットで、この点は私がリファレンスとして使っているMOGAMI2534に似ている。しかし、Neumannのケーブルは中高域に何とも言えないコクがある。ここで“コクっていったい何だよ”という突っ込みが入るのかもしれないが(笑)、それは“陰影”とか“微妙な温度感”とかいう言葉に代えてもいいだろう(却って意味不明になりそうだが ^^;)。

 もちろん、俗に言う“ツヤ”とも違う。音色における“ツヤ”は時としてエッジが立った耳障りな展開になることがあるが、本製品はそんな“ツヤ”は持ち合わせていない。クセは少ないが、フラット一辺倒ではなく独特の味わいがある。これは良いケーブルだ。

 解像度や音の色付けの鮮やかさでは、これより優れたケーブルはいくらでもあると思う。しかし、何のかんの言っても“しょせんは電線”なのだ。ケーブルに対して過大な期待を持つと「ProCable」の主宰者が述べているように、音の出し方が“ツギハギだらけのフランケンの怪物状態”になってしまう可能性もある。この程度で十分だと感じるユーザーも少なくないだろう。

 何度でも言うが、この業者は安価で質の良いケーブルを見つけてくることに限ってはかなりの手腕を持っていると思う。しかし、いざ肝心のスピーカーやアンプの選定となると、途端にだらしのない展開になる。こういう“ある面では評価はできるが、別の面ではまったく話にならない業者”というのが、ひょっとすると消費者にとってはかなり相手にしにくい存在なのかもしれない。いずれにしろ、ユーザー側としては(謳い文句にダマされずに)商品のパフォーマンスを逐一見分ける判断力が必要だと思う。

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