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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

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 (原題:Mad Max Fury Road )どこが面白いのか分からない。脚本ダメ、映像ダメ、キャラクター設定ダメというこのシャシン、どこをどう見ても評価できるポイントは見つからない。褒め上げている評論家連中は、いったい何を考えているのやら。

 前作「マッドマックス サンダードーム」におけるバータータウンでの死闘を経て、再び荒野をさまようようになったマックス。最終戦争の悪影響はさらに大きくなり、資源はいよいよ枯渇して、世界は荒廃の極にあった。そんな中、彼は沙漠を支配する凶悪なボスであるイモータン・ジョーの軍団に捕らえられる。ジョーの部下である女戦士フュリオサの遠征軍に無理矢理同行させられたマックスだが、途中で彼女はジョーに反旗を翻し、仲間の女たちと共に脱走しようとする。居合わせたマックスは、フュリオサと意気投合してジョーの差し向ける軍団と戦うことになる。

 大立ち回りを演じながらの逃避行の果てにたどり着いた目的地には何もなく、結局は来た道を引き返すという、まさに極限的に芸の無い筋書きに呆れてしまう。とにかく何の捻りもなく、ただ“行って帰る”だけなのだ。そもそも、ジョーの根城にしている地区には、少なくとも大勢を養っていけるだけの食料や設備があることは最初から分かっている。ならば当てもなく荒野に飛び出す前に、クーデターを企てるなり何なりして体制を整える方が先ではないか(遠くにあるというユートピアめいたものを目指すのは、後回しにして結構)。

 売り物の活劇シーンは、ハッキリ言って予告編だけ見ればOKだ。ハデな場面の釣瓶打ちのように見えながら、展開は一本調子で退屈極まりない。もっと観る者を驚かせるようなアイデアと、メリハリを付けた演出が必要だった。

 そして最大の敗因は、マックスの存在感が限りなく小さいことだ。今回は行き当たりばったりに“反乱軍”に参加するだけで、彼が何かイニシアティヴを取って行動することは少ない。御馴染みのインターセプターと2連ショート・ショットガンが活躍することも無く、思わせぶりに挿入される過去のトラウマのフラッシュバック場面なんて鬱陶しい限り。演じるトム・ハーディの大根ぶりも相まって、映画が進むにつれて観る側のテンションが下がっていく。

 ならばシャーリーズ・セロン扮するフュリオサが目立っていたかというと、そうでもない。バックグラウンドにほとんど言及されていないため、キャラクターに深みが無いのだ。最低でもロボットアームとなった生い立ちぐらいは紹介しても良かったのではないか。

 監督のジョージ・ミラーは30年ぶりの新作に気合が入っていると思いきや、加齢による衰えが目立ち、昔のシリーズのような力強さが感じられない。とにかく、何のために作ったのか分からないような映画で、個人的には観る価値は無いと断言したい。

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