2001年作品。死の世界から浸食してくる不気味なアクシデントに巻き込まれるOLと大学生を描く黒沢清監督作。中盤までは非常に面白い。単に“インターネットが「あの世」に繋がった”という身も蓋もないモチーフを完全に乗り越え、何だかワケのわからない邪悪な雰囲気を画面に充満させることに成功している。
この“死のサイト”以外にも、「助けて」と呟く携帯電話や赤いテープで封印された開かずの間(これはインパクトあり)などの謎めいたアイテムが次々に登場。しかもそれらがどんな意味を持っているのか全然説明しない点が観客の不安感を増幅させる。
恐怖描写で突出していたのが、開かずの間の壁から突然幽霊が現れ、こちらにまっすぐ歩いてくる途中で一瞬よろける場面(笑)。「リング」の貞子みたいに最初から這いずって来るのではなく、それまで機械的に歩を進めているのに、なぜか足がもつれて転倒しそうになり、そこをグッと踏ん張ってまた歩いてくるという、この意外性に膝を叩いて喜んでしまった。
しかし、映画は終盤になって失速。最後まで身近な怪異談でいればいいものを、なぜか“世界の終末がどうのこうの”といった大仰なネタに振ってしまい、結局「カリスマ」(2000年)の姉妹編に終わってしまった。黒沢清監督としては「CURE/キュア」に並ぶ快作かと思われたが、実に残念である。
麻生久美子は主演のはずだが印象が薄い。対して加藤晴彦は“ただ何となく日常を送っている今時の大学生”をうまく表現していたと思う。滔々と仮説を述べる武田真治はちょっとウザいが、何しに出てきたのかわからない哀川翔がヘンに印象的。
この“死のサイト”以外にも、「助けて」と呟く携帯電話や赤いテープで封印された開かずの間(これはインパクトあり)などの謎めいたアイテムが次々に登場。しかもそれらがどんな意味を持っているのか全然説明しない点が観客の不安感を増幅させる。
恐怖描写で突出していたのが、開かずの間の壁から突然幽霊が現れ、こちらにまっすぐ歩いてくる途中で一瞬よろける場面(笑)。「リング」の貞子みたいに最初から這いずって来るのではなく、それまで機械的に歩を進めているのに、なぜか足がもつれて転倒しそうになり、そこをグッと踏ん張ってまた歩いてくるという、この意外性に膝を叩いて喜んでしまった。
しかし、映画は終盤になって失速。最後まで身近な怪異談でいればいいものを、なぜか“世界の終末がどうのこうの”といった大仰なネタに振ってしまい、結局「カリスマ」(2000年)の姉妹編に終わってしまった。黒沢清監督としては「CURE/キュア」に並ぶ快作かと思われたが、実に残念である。
麻生久美子は主演のはずだが印象が薄い。対して加藤晴彦は“ただ何となく日常を送っている今時の大学生”をうまく表現していたと思う。滔々と仮説を述べる武田真治はちょっとウザいが、何しに出てきたのかわからない哀川翔がヘンに印象的。