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Channel: 元・副会長のCinema Days
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ortofonの真空管式アンプを試聴した。

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 ortofon(オルトフォン)の真空管式アンプを試聴することが出来た。同社はデンマークのオーディオメーカーで、特に良く知れられているのがアナログレコード用のカートリッジだ。ステレオ初期から本格的な製品を発表し、名機と呼ばれているものも多い。ちなみにortofonのカートリッジは私も所有している。

 ただし近年は日本法人の「オルトフォンジャパン」が商品展開に大きく関与し、幅広いラインナップを揃えるようになった。今回聴けたアンプはKailas−b4という中堅機種で、定価は約17万円。前に紹介したDENONのPMA−2000REPIONEERのA−70等と競合する価格帯に位置する。



 なお、今回はアナログプレーヤーに接続しての試聴で、独ACOUSTIC SOLID社のハイエンド・プレーヤーが使われていた。カートリッジはもちろんortofon製である。スピーカーはこれもortofonのKalias 5で、価格は10万円台の半ばながら恰幅の良いスタイリングだ。

 出てきた音だが、残念ながらあまり芳しいものではない。音像にあまり存在感は無く、音場も薄い。解像度は高くなく、音の伸びも足りない。しかし、この結果は多分にスピーカーのKalias 5によるところが大きいと思う。Kalias 5は質感を期待するような製品ではなく、押し出し感と屈託の無さが身上のモデルだと個人的には思うからだ。

 本音を言えば、Kalias 5以外の、もっとアキュレートな持ち味のスピーカーに繋いで欲しかった。そうすればKailas−b4の真価も確かめられただろう。



 今回は(今回も? ^^;)あんまり参考にならないリポートなので無理矢理話を変えるが(爆)、この真空管式アンプというのは一見レトロな様式ながら、現在でもしっかりと存在価値をアピールしている。その理由は、ハイファイ性よりも温かみのある音色を特徴付けたサウンドデザインによるものだろう。もちろん、真空管式アンプでもスクエアーな音作りをしている製品もあるが、少なくともKailas−b4等のクラスまでは“いかにも管球式”といったテイストを前面に出しているように思う。

 有り体に言ってしまえば、いわゆる“デジタルっぽい音”に拒否反応を示すリスナーがけっこういて、そういう層が採用する選択肢の一つが管球式アンプということなのだろう。

 オーディオが不況に陥ってから随分と時間が経つが、意外と真空管式アンプが現状を打破するツールの一つになるかもしれない。ソリッドステート型アンプとの音の違いを特徴付けられるし、何より大きな真空管がフィーチャーされた見た目の面白さはインテリアとしての側面も強調できる。

 そういえば最近、TRIODERubyという小型でデザイン性を高めた管球式アンプをリリースしたが、売り方によっては女性のユーザーも取り込めるだろう。こういう商品がもっと世に出て欲しいものだ。

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