(原題:SMOKEY AND THE BANDIT RIDE AGAIN)80年作品。77年製作の「トランザム7000」は本当に面白いアクション・コメディだった。確か地方興行はジョージ・ロイ・ヒル監督の「スラップ・ショット」との二本立てだったと思うが、おそらくは当初“添え物”扱いでブッキングされたこっちの方が、ロイ・ヒル御大の新作の影を薄くするほどの存在感を示していた。で、満を持して作られたこの続編だが、残念ながら前作ほどは楽しめない。何やら監督と主演俳優との意識合わせが出来ていない印象だ。パート3が製作されていないのも当然かと思わせる。
テキサスの州知事選挙の候補者であるビッグ・イノスは、現知事の歓心を買うためにある荷物をマイアミからダラスに運ぶ仕事を引き受ける。実務を請け負ったのが、トラックレースに優勝したスノーマンとその好敵手であるバンディットだった。バンディットは前作でいい仲になったキャリーにフラれたばかりで落ち込んでいたが、今回の仕事についてスノーマンから聞いたキャリーは自身の結婚式を放り出してバンディットたちと合流する。
しかし、そこに立ち塞がったのがキャリーの婚約者の父親で保安官のジャスティスだった。かくしてバンディットと彼に味方するトラック野郎たちと、ジャスティス率いるパトカー軍団との賑々しいバトルが始まる。
粗筋だけチェックすると、面白そうに思える。事実、ある程度は引き込まれるのだが、パート1に比べると爽快感に欠けるのだ。何より、バンディットに扮するバート・レイノルズのパフォーマンスがいただけない。何やらヘンな“内省的演技”に色目を使っているようで、単純明快な活劇編のカラーに染まりきっていない。
たぶん本作はレイノルズとハル・ニーダム監督との共同製作のようなものだろうが、元スタントマンでカーアクションに力を入れたい監督と、俳優としての深みや渋みを表現したかったであろうレイノルズの意向に齟齬が生じていたのかもしれない。早い話が、面白いところがニーダムで面白くないところがレイノルズということか。人気スターがノリまくって作った映画が成功したことは、あまりないと思われる。
それでもヒロイン役のサリー・フィールドをはじめジェリー・リード、パット・マコーミック、ジャッキー・グリーソンといった顔ぶれは好調。知事が輸送を希望した荷物が“思わぬもの”だったりするオチは悪くない。また、ラストのNGのフィルムを繋ぎ合わせたエンド・タイトルだけはかなりウケた。