(原題:THE MARVELS )マーベル・コミックのヒーローたちが活躍する、いわゆる“マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)”が末期的状況に入り込んだことを如実に示す一作。もっとも、そう思うのは私のようなアメコミの門外漢に限った話らしく、コアなファンはとても喜んでいるようだ。しかし、面白くないものは面白くない。個人的に楽しめないシャシンを持ち上げるわけにはいかないのだ。
キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースは、宇宙の平和を守るために今日も幅広く活動しているが、そんな彼女の前に、的外れな復讐心を抱いた難敵ダー・ベンが現われる。ダー・ベンは異次元のパワーをもたらすバングルと呼ばれる腕輪を探し求めており、そのためには手段を選ばない。一方、女子高生ヒーローのミズ・マーベルと強大なパワーを覚醒させたばかりのモニカ・ランボーは、それぞれの力を解放させるとキャロルを含めた3人がランダムに入れ替わってしまう状況に追い込まれる。そんな珍妙な事態に戸惑う間にも、ダー・ベルの脅威は迫ってくる。
正直言って、キャプテン・マーベルは前作(2019年)でスクリーン上に初登場した時点から愛嬌に欠け感情移入しにくいキャラクターだった。それに加えて今回はミズ・マーベルにモニカ・ランボーという、馴染みの無い面子が何の前振りも無しに登場。敵方の事情やバングルの由来も判然としない。それもそのはずで、この映画はディズニー提供の配信ドラマを逐一チェックしている観客のみを対象としているらしい。
もっとも、従来からマーベル等のアメコミ作品は“一見さんお断り”の傾向はあった。ただしそれは、関連した映画を観ていれば何とか付いていけるレベルだったと思う。しかし、2019年の「アベンジャーズ エンドゲーム」より後のMCUフェーズ4以降の展開は、ネット配信作品も含めたすべてのネタを網羅していなければストーリーを追えない体制に移行したようだ。これでは、一般的な映画ファン(?)としては敬遠するしかない。
また、映画単体として見ても、本作のヴォルテージの低さは如何ともし難い。活劇場面は平板だし、SFXも大して上出来だとは思えない。主人公以外の登場人物たちは深みは無く、ヘンなお笑いネタが散りばめられるのも愉快になれない。加えて“ニャーベルズ”の登場も唐突で、よほどの猫好きでなければ楽しめないだろう。ニア・ダコスタの演出は凡庸で、盛り上がる箇所を見つけるのが難しい。まあ、上映時間を105分に抑えた点だけは評価出来る。
ブリー・ラーソンにテヨナ・パリス、イマン・ベラーニ、ゾウイ・アシュトン、パク・ソジュン、そしてサミュエル・L・ジャクソンといった顔ぶれはパッとせず、印象的な演技もしていない。今後はMCU作品はよっぽど興味を惹かれる題材のシャシンは別にして、スクリーン上で対峙するのは原則として遠慮したい。
キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースは、宇宙の平和を守るために今日も幅広く活動しているが、そんな彼女の前に、的外れな復讐心を抱いた難敵ダー・ベンが現われる。ダー・ベンは異次元のパワーをもたらすバングルと呼ばれる腕輪を探し求めており、そのためには手段を選ばない。一方、女子高生ヒーローのミズ・マーベルと強大なパワーを覚醒させたばかりのモニカ・ランボーは、それぞれの力を解放させるとキャロルを含めた3人がランダムに入れ替わってしまう状況に追い込まれる。そんな珍妙な事態に戸惑う間にも、ダー・ベルの脅威は迫ってくる。
正直言って、キャプテン・マーベルは前作(2019年)でスクリーン上に初登場した時点から愛嬌に欠け感情移入しにくいキャラクターだった。それに加えて今回はミズ・マーベルにモニカ・ランボーという、馴染みの無い面子が何の前振りも無しに登場。敵方の事情やバングルの由来も判然としない。それもそのはずで、この映画はディズニー提供の配信ドラマを逐一チェックしている観客のみを対象としているらしい。
もっとも、従来からマーベル等のアメコミ作品は“一見さんお断り”の傾向はあった。ただしそれは、関連した映画を観ていれば何とか付いていけるレベルだったと思う。しかし、2019年の「アベンジャーズ エンドゲーム」より後のMCUフェーズ4以降の展開は、ネット配信作品も含めたすべてのネタを網羅していなければストーリーを追えない体制に移行したようだ。これでは、一般的な映画ファン(?)としては敬遠するしかない。
また、映画単体として見ても、本作のヴォルテージの低さは如何ともし難い。活劇場面は平板だし、SFXも大して上出来だとは思えない。主人公以外の登場人物たちは深みは無く、ヘンなお笑いネタが散りばめられるのも愉快になれない。加えて“ニャーベルズ”の登場も唐突で、よほどの猫好きでなければ楽しめないだろう。ニア・ダコスタの演出は凡庸で、盛り上がる箇所を見つけるのが難しい。まあ、上映時間を105分に抑えた点だけは評価出来る。
ブリー・ラーソンにテヨナ・パリス、イマン・ベラーニ、ゾウイ・アシュトン、パク・ソジュン、そしてサミュエル・L・ジャクソンといった顔ぶれはパッとせず、印象的な演技もしていない。今後はMCU作品はよっぽど興味を惹かれる題材のシャシンは別にして、スクリーン上で対峙するのは原則として遠慮したい。