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Channel: 元・副会長のCinema Days
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LUXMANの管球式アンプを試聴した。

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 LUXMANの新型プリメインアンプ、LX−32uの試聴会に足を運んでみた。この機種は同社が展開するソリッドステート型のL−500番台のシリーズとは違う、真空管式のアンプだ。エクステリアも木箱に入ったレトロ調。以前リリースされていたSQ−38uの後継モデルと言うべき存在である。

 ただしLX−32uは純粋な管球式ではなく、トランジスタ式とのハイブリッドである。コントロールアンプ部分はソリッドステートで、パワーアンプは真空管が使われている。そのためか、真空管式アンプに対する一般的なイメージである柔らかさやウォームトーンとは少し距離を置いた音作りが成されている。



 低い出力しか得られないEL84型と呼ばれる形式の真空管を使用しており、パワーも15W×2(8Ω)と控えめだ。しかし、米国JBL社のS3900という大型機種を朗々と鳴らしている。このスピーカーが高能率であることを勘案しても、LX−32uの駆動力は不足感が無いことが示される。

 音像自体は管球式アンプのイメージそのままに輪郭がマイルドで艶やかな印象を受けるが、スッと広がる音場の清涼感は、新型のデジタルアンプを思わせる。聴感上のレンジも広い。感心したのは低域の再現性で、L−500番台のモデルで鳴らしたS3900のサウンドよりも、量感が勝っているところもある。

 試聴会では必ずしも幅広い種類のソースを再生してくれるわけではないが、この音色はジャンルを選ぶような感じはない。また今回は一種類のスピーカーしか繋げなかったが、スピーカーの選り好みはしないタイプだと見た。少なくとも、レトロ路線の上位機種であるL−305(こちらはトランジスタ型)よりも汎用性は高いと予想する。

 特筆すべきは外観で、基本コンセプトはSQ−38uと同じながら、ツマミの形状や配置がよく考えられており、SQ−38uよりもずっと上質に見える。アルミ削り出しのノブも高級感を醸し出す。



 さらに同機は価格が27万3千円である。L−305よりも安い。もちろん一般世間的な相場では十分に高価格機なのであるが、この性能を考えると思い切ったプライスだ(ちなみに、れっきとしたメイド・イン・ジャパンである)。

 正直言って欲しくなったが(笑)、長年使っていたACCUPHASEのアンプがオーバーホールでリファインされて戻ってきたため、当分はアンプの買い換えは控えなければならない。ただ心のどこかで“サブ・システム用に一台・・・・”という“悪魔の声”も聞こえているようで、油断出来ない今日この頃である(爆)。

 なお、同社のアナログプレーヤーであるPD−171のデモも行われていた。シッカリと作られており、見た目の質感は高い。モーターもトーンアームも同モデルのために開発されたものだ。しかしながら、定価40万円は容易に手を出せるプライスではない。おそらく、80年代前半で同じような定格を持つ製品がリリースされたとすれば、20万円以下の価格設定だろう。昨今はアナログの復権が取り沙汰されているが、まともに使えるプレーヤーは高価だ。まあ、需給関係を勘案すれば仕方がないのかもしれない。

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