86年作品。早い話が学園を舞台にしたラブコメなのだが、昨今のいわゆる“壁ドン映画”とは次元が違う出来である(とはいえ、最近のお手軽ラブコメをチェックしているわけではないので、正確な表現ではないかもしれないが ^^;)。スタッフの堅実な仕事ぶりとそれに応えるキャストの頑張りさえあれば、カタギの映画ファン(?)も納得させるだけの結果に繋がるのだ。
高校2年生の吉岡多佳子は、友人の緑子の“葬式”に出席していた。緑子はショックな出来事に遭遇すると、勝手に自分の“葬式”を催し、周囲の者たちをそれに付き合わせるのだ。今回の“葬式”の原因は、片思いしていた二枚目の教育実習生に婚約者がいることを知ったからだった。その帰り道、クラスメートの汀子から好きな人がいると聞かされた多佳子は気が動転し、発作的にR15指定作品が上映中の映画館に飛び込んでしまう。
だが、そんな多佳子に熱い視線を向ける者たちがいた。それは下級生の基志と、多佳子をモデルに裸婦画を描くことを狙っている美術部員の絹子だった。さらには彼女を憎からず思っている野球部員の沓掛勝もいて、多佳子をめぐる人間関係は慌ただしくなってくる。氷室冴子による同名小説の映画化だ。
オフビートなキャラクターばかりが出てくるのだが、決して浮ついたタッチにはなっていない。これはやはり大森一樹監督(脚本も)の起用のたまもので、子供向けのシャシンではないのだ。各登場人物の内面は十分に掘り下げられており、突飛に思える彼らの行動も、実はそれなりの切迫した背景があることが平易に示されている。加えて、多佳子たちの会話がけっこう知的だ。
表現には奇を衒ったところは無いが、含蓄がある。主演は斉藤由貴で、当時はNHKの朝ドラの主演もこなし、人気は絶頂にあった。そんな彼女に入浴シーンからラストは彼女の全裸図(笑)の披露までさせているのだから、プロデューサーの手腕は侮れない。
大森の演出は快調で、テンポ良く彼女たちのハイスクールライフを綴っている。相楽晴子に高井麻巳子、柳葉敏郎、菅原加織、小林聡美といった濃すぎる級友役や、原田貴和子に川津祐介、星由里子、蟹江敬三などの脇の面子も光る。舞台になっている金沢の街の風景はとても魅力的だ。
高校2年生の吉岡多佳子は、友人の緑子の“葬式”に出席していた。緑子はショックな出来事に遭遇すると、勝手に自分の“葬式”を催し、周囲の者たちをそれに付き合わせるのだ。今回の“葬式”の原因は、片思いしていた二枚目の教育実習生に婚約者がいることを知ったからだった。その帰り道、クラスメートの汀子から好きな人がいると聞かされた多佳子は気が動転し、発作的にR15指定作品が上映中の映画館に飛び込んでしまう。
だが、そんな多佳子に熱い視線を向ける者たちがいた。それは下級生の基志と、多佳子をモデルに裸婦画を描くことを狙っている美術部員の絹子だった。さらには彼女を憎からず思っている野球部員の沓掛勝もいて、多佳子をめぐる人間関係は慌ただしくなってくる。氷室冴子による同名小説の映画化だ。
オフビートなキャラクターばかりが出てくるのだが、決して浮ついたタッチにはなっていない。これはやはり大森一樹監督(脚本も)の起用のたまもので、子供向けのシャシンではないのだ。各登場人物の内面は十分に掘り下げられており、突飛に思える彼らの行動も、実はそれなりの切迫した背景があることが平易に示されている。加えて、多佳子たちの会話がけっこう知的だ。
表現には奇を衒ったところは無いが、含蓄がある。主演は斉藤由貴で、当時はNHKの朝ドラの主演もこなし、人気は絶頂にあった。そんな彼女に入浴シーンからラストは彼女の全裸図(笑)の披露までさせているのだから、プロデューサーの手腕は侮れない。
大森の演出は快調で、テンポ良く彼女たちのハイスクールライフを綴っている。相楽晴子に高井麻巳子、柳葉敏郎、菅原加織、小林聡美といった濃すぎる級友役や、原田貴和子に川津祐介、星由里子、蟹江敬三などの脇の面子も光る。舞台になっている金沢の街の風景はとても魅力的だ。