(英題:The Monky Kid )95年作品。1959年生まれの王小燕(ワン・シャオイェン)監督の少女時代をモチーフにし、70年ごろの文化大革命に揺れる北京の下町を舞台に、困難な時代を生きた人々の生活を子供の視点から描く。なお、本作は日本で一般封切りされておらず、私は第8回の東京国際映画祭で観ている。
陳凱歌や張藝謀ら“中国第五世代”の映像作家のように文革の理不尽さをリアリズムで描破するのではなく、子供時代のノスタルジアをメインに押し出し、ユーモラスな味付けで綴っているのが気持ち良い。何より子供の描写が出色で、まったくの自然体。日本の子役がやるようなクサい小芝居は皆無。
紹介されるエピソードも笑えるものが多く、「おもひでぽろぽろ」や「ちびまる子ちゃん」の路線に近い。インテリである母親や労働奉仕で農村に駆り出される父親の苦悩、知識階級と労働者層の確執などシビアーな素材も描かれてはいるのだが、徹底的に子供側からカメラを回しているので深刻さは希薄だ。
ただ、観終わって物足りなさを感じることも確かで、これはあくまでも自然な子供の描写がそれ自体で完結してしまい、イラン映画のようにプラスアルファのスペクタクル性(?)といったものが無いからである。“よくできた子供たちのスケッチ”という次元に留まっているのがもどかしい。もっとドラマティックな展開を用意することも出来たと思うのだが・・・・。
主に若手監督作品を対象とした東京国際映画祭のヤングシネマ・コンペティション部門に出品された作品だが、どちらかというと小規模な映画祭の児童映画コーナーあたりがふさわしい映画だと思った。
陳凱歌や張藝謀ら“中国第五世代”の映像作家のように文革の理不尽さをリアリズムで描破するのではなく、子供時代のノスタルジアをメインに押し出し、ユーモラスな味付けで綴っているのが気持ち良い。何より子供の描写が出色で、まったくの自然体。日本の子役がやるようなクサい小芝居は皆無。
紹介されるエピソードも笑えるものが多く、「おもひでぽろぽろ」や「ちびまる子ちゃん」の路線に近い。インテリである母親や労働奉仕で農村に駆り出される父親の苦悩、知識階級と労働者層の確執などシビアーな素材も描かれてはいるのだが、徹底的に子供側からカメラを回しているので深刻さは希薄だ。
ただ、観終わって物足りなさを感じることも確かで、これはあくまでも自然な子供の描写がそれ自体で完結してしまい、イラン映画のようにプラスアルファのスペクタクル性(?)といったものが無いからである。“よくできた子供たちのスケッチ”という次元に留まっているのがもどかしい。もっとドラマティックな展開を用意することも出来たと思うのだが・・・・。
主に若手監督作品を対象とした東京国際映画祭のヤングシネマ・コンペティション部門に出品された作品だが、どちらかというと小規模な映画祭の児童映画コーナーあたりがふさわしい映画だと思った。