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Channel: 元・副会長のCinema Days
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Paradigmのスピーカーを試聴した。

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 興味深いスピーカーを試聴することが出来たので、リポートしたい。82年設立の、カナダのトロントに本社を置くParadigm(パラダイム)社の製品は、以前より何回か高額クラスのモデルを聴く機会があり、そのクリアな音に感心していたが、実はローコストのラインナップも揃っている。それがMonitorシリーズだ。



 先行してブックシェルフ型のSE ATOMが発売されているが、今回聴いたのは近々正式輸入と販売が開始されるという、トールボーイ型のSE 3000Sである。構成は3ウェイの4ユニット。サイズは高さが1mほどの標準的な外観だが、仕上げは丁寧であまり安っぽい感じは無い。能率はおよそ90dBでインピーダンスは8Ωなので、アンプを驕る必要も無く使いやすい定格だと思われる。

 さて肝心の音だが、これはかなり良い。上位機種ほどの圧倒的なクリアネスは期待出来ないが透明度は及第点には達しており、全体的に均整が取れていて聴きやすい。何より印象的なのは、音色の明るさだ。それも米国JBL社やイタリア製のスピーカーのような輝かしいサウンドではなく、鳴らすソースを引き立たせるための、絶妙な匙加減のブライトネスを獲得している。



 音像はヴォーカルが多少大きくなる傾向があるが、情報量自体は十分確保している。そして聴感上のレンジはほぼフラットで、特定帯域での不自然な強調感も無い。音場は前に展開するタイプ。屈託無く音楽を聴くには相応しいサウンドデザインかと思う。ただし、音のクセの強いアンプとの相性は良くないだろう(もっとも、“アンプで音を作っていく”という方法論が正当なのかどうかは、疑問の残るところであるが ^^;)。

 このスピーカーの予価は、何とペアで10万円強らしい。ハッキリ言ってこれは“価格破壊”ではないだろうか。この倍のプライスタグが付いていても全然おかしくない。このスピーカーを使えば、定価ベースならば20万円ほどで音楽ジャンルを問わずにオールマイティに鳴らせるシステムが手に入る。もちろんアンプ類に予算を投入すれば、より高いパフォーマンスを期待出来るだろう。

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