(原題:SENTINELLE)2021年3月よりNetflixにて配信された、フランス製の活劇編。はっきり言って、出来はかなりヒドい。ストーリーは行き当たりばったりで何の工夫も無く、キャラクター設定もお粗末の一言。1時間20分という短い尺ながら、やたら長く感じられた。
フランス陸軍の通訳としてシリアに従軍したクララは、理不尽な戦争の悲劇を目の当たりにしてPTSDを患ってしまう。海外勤務を終えて故郷のニースに帰り、テロ対策の歩哨を命じられた彼女だが、向精神薬がないと日常生活も送れない有様だった。そんなある日、妹のタニアがナイトクラブに行った後に何者かに暴行され、瀕死の状態で発見されるという事件が発生。クララは犯人を見つけて妹の復讐をするために向こう見ずな行動に出るが、容疑者のロシアの大手IT会社の社長には、警察も手も出せない有様だった。
戦争帰りの兵士が義憤に駆られて大暴れするという、今までも何度となく扱われてきたネタだが、本作には目立った工夫が見受けられない。犯人を捜すプロセスをはじめ、敵のアジトを特定するくだりや、そこに侵入する段取りなどは、まさに手抜き。それどころか、中盤以降は“どこかでフィルムが飛んでいないか”と思うほどシークエンスの繋ぎが荒く、脈絡の無いシーンが突然出てきたりする。
ならば活劇場面はどうかといえば、これも低調。クララの格闘シーンはスクリーンにまるで映えず、かといってリアリティがあるわけでもない。また、キレの良いガンプレイやカーチェイスなども無し。そもそも、クララは悩みを抱えているにしては振る舞いが直情径行で、観る側としては感情移入しにくい。敵方の存在感の無さにも閉口する。
ジュリアン・ルクレール監督の仕事ぶりは冗長で、安手のテレビドラマ並だ。主演のオルガ・キュリレンコは頑張っているとは思うが、まだまだ鍛え方が足りない。そして、それをカバーする演出上の措置も無い。マリリン・リマにミシェル・ナボコフ、マーティン・スワビーといってた脇の面子も弱体気味で、結局印象に残ったのは、風光明媚な南仏の描写だけであった。
フランス陸軍の通訳としてシリアに従軍したクララは、理不尽な戦争の悲劇を目の当たりにしてPTSDを患ってしまう。海外勤務を終えて故郷のニースに帰り、テロ対策の歩哨を命じられた彼女だが、向精神薬がないと日常生活も送れない有様だった。そんなある日、妹のタニアがナイトクラブに行った後に何者かに暴行され、瀕死の状態で発見されるという事件が発生。クララは犯人を見つけて妹の復讐をするために向こう見ずな行動に出るが、容疑者のロシアの大手IT会社の社長には、警察も手も出せない有様だった。
戦争帰りの兵士が義憤に駆られて大暴れするという、今までも何度となく扱われてきたネタだが、本作には目立った工夫が見受けられない。犯人を捜すプロセスをはじめ、敵のアジトを特定するくだりや、そこに侵入する段取りなどは、まさに手抜き。それどころか、中盤以降は“どこかでフィルムが飛んでいないか”と思うほどシークエンスの繋ぎが荒く、脈絡の無いシーンが突然出てきたりする。
ならば活劇場面はどうかといえば、これも低調。クララの格闘シーンはスクリーンにまるで映えず、かといってリアリティがあるわけでもない。また、キレの良いガンプレイやカーチェイスなども無し。そもそも、クララは悩みを抱えているにしては振る舞いが直情径行で、観る側としては感情移入しにくい。敵方の存在感の無さにも閉口する。
ジュリアン・ルクレール監督の仕事ぶりは冗長で、安手のテレビドラマ並だ。主演のオルガ・キュリレンコは頑張っているとは思うが、まだまだ鍛え方が足りない。そして、それをカバーする演出上の措置も無い。マリリン・リマにミシェル・ナボコフ、マーティン・スワビーといってた脇の面子も弱体気味で、結局印象に残ったのは、風光明媚な南仏の描写だけであった。



