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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「クローバーフィールド・パラドックス」

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 (原題:THE CLOVERFIELD PARADOX )2018年2月よりNetflixにて配信。J・J・エイブラムス製作による「クローバーフィールド HAKAISHA」(2008年)の前日譚ということだが、私はその映画は未見である。だから本作には“単品”として接したのだが、これは怪作だと思った。とにかくワケが分からない。ただ、妙なパワーだけはあり、戸惑いながらも最後まで観てしまった(笑)。

 エネルギー資源が枯渇しつつある近未来。各国は共同で巨大な宇宙ステーションを作り上げ、新エネルギーの開発実験に取り組んでいたが、何年たっても進捗しなかった。だがやっと成功したと思われたその時、乗組員の目の前から地球が消えてしまう。しかしそれは、宇宙ステーションそのものが遠くへ飛ばされたということだ。



 戸惑う一同は、やがて壁の中から聞こえてくる呻き声に気づく。壁の内側を調べてみると、見知らぬ女性が閉じ込められており、しかも彼女はこのステーションのスタッフだと名乗るのだ。どうやら実験が成功したことにより異なる次元との交錯現象が発生したらしく、続けて船内に怪異なトラブルが次々と起こる。

 はっきり言って、意味の分からないことの連続だ。この宇宙ステーションで行われている新エネルギー開発実験の概要は、最後まで説明されない。当然、どうしてそれが異次元への扉を開くことになるのか不明だ。度々やってくる“絶体絶命のピンチ”とやらも、何がどうヤバくて、どうやったら危機を回避出来るのか皆目わからない。

 怪異現象の発生は、文字通り行き当たりばったりで、全容がほとんど掴めない。まあ、要するに“異次元と交錯しているのだから、何でもアリ”という状態で、話の辻褄を合わせる気などさらさら無いのだろう。この変異は地球にもおよび、地上ではモンスターらしきものがのし歩いているという設定になっているようだが、このあたりも詳説されない(続編を観ろということだろうか)。

 だが、全体に無手勝流でヤケクソじみた力感が漲っていることだけは認めていいし、デビューしてから日の浅いジュリアス・オナー監督としては、そこそこ健闘していると言っていいのかもしれない。ググ・バサ=ローやデイヴィッド・オイェロウォ、ダニエル・ブリュールといったキャストはあまりパッとしない。中国人クルー役でチャン・ツィイーも出ているのだが、印象に残らず。ただ、謎の女に扮したエリザベス・デビッキだけは、その高身長も相まって目立っていた。

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