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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「ワンダーウーマン 1984」

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 (原題:WW84)コロナ禍でハリウッド製の大作が軒並み公開延期(あるいは公開見送り)になっている昨今、久々に劇場で上映してくれたこと自体は嬉しかったが、いかんせん本作は出来が悪すぎる。快作だった前回(2017年)と比べても、大幅に落ちる。製作陣はどうしてこの企画(脚本や予算計画)にゴーサインを出したのか、まるで分からない。

 通常の人間よりはるかに長命であるアマゾン族の王女、ワンダーウーマンことダイアナ・プリンスは、1984年の時点では首都ワシントンにある博物館で学芸員として働いていた。ある時、遺跡から発掘された“願いを叶える石”が博物館に持ち込まれる。彼女は冗談半分で前作で死に別れた恋人のスティーヴの復活を願ったところ、彼は別人のハンサム野郎の身体を借りて生き返る。



 一方、ドジで冴えない同僚のバーバラは、ダイアナに憧れるあまり“ダイアナのようになりたい”と石に念じてしまう。すると人間離れしたパワーを得てしまう。そんな折、博物館に多額の寄付をした投資ファンドの経営者マックスは、この石の存在を知る。実は借金で首が回らなくなっていた彼は、あろうことか石と同化することを願い、強大な権力を持つようになる。ダイアナを妬ましく思っていたバーバラは怪人チーターに変身。マックスと共闘してダイアナの前に立ちはだかる。

 まず、ワンダーウーマンがあまり活躍していないのは不満だ。いくらスティーヴを蘇らせた代償として力が十分に発揮出来ないとはいえ、スカッとした働きを見せてくれないとヒーロー映画としては失格である。また、いつの間にかダイアナが空を飛べるようになるという筋書きは唐突に過ぎる。

 マックスもチーターも悪役としては小物感が付きまとい、終盤の扱いなど無茶なプロットが際限なく積み上がっていく。それに、予算が足りなかったのかと思うほど映像がショボい。これでは70年代の「スーパーマン」シリーズと同レベルだ。パティ・ジェンキンスの演出はパート1とは打って変わって精彩が無く、やたら上映時間を引き延ばしているだけ。

 主役のガル・ガドットは相変わらず美しく愛嬌もあるが、30歳代半ばであのコスチュームはそろそろ辛くなってきた。あと一作が限度だろう。クリス・パインにクリステン・ウィグ、ペドロ・パスカルといった脇の面子にも特筆するようなものは無し。ただし、ラストショットで“あの人”が登場したのには驚くと共に嬉しくなった。次回作ではガドットとの本格的な共演を期待したい。

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