ヴァイオリン2台のデュオ曲ばかりを集めたディスクというのも珍しいが、これは曲・演奏とも申し分なく、中身が濃い。演奏者はアルゼンチン出身のルイス・ミカルとマルタ・カルフィで、2人で“ミュンヘン・ヴァイオリン・デュオ”というユニットを組んでいたこともあるという。85年の録音で、レーベルはドイツのCALIGだ。
曲目はヴィエニアウスキのエチュード/カプリース、ボッケリーニの二重奏曲、ジャルディーニのソナタ等、一般には馴染みのないものばかり。しかしながら、どれもびっくりするような名曲ではないものの、いずれも肌触りが良く聴きやすい。2人のテクニックは確かなもので、アキュレートでありながら、音色の明るさと何とも言えないロマンティシズムを醸し出していて感心する。
そしてこのレコードの一番のセールスポイントは、録音だ。かなりマイクとの距離が短い。ならばキツくて鋭いサウンドになっているのかと思うが、鮮明ではあるが決して聴き辛くない。2台のヴァイオリンは銘柄や製作年度も異なると思われるのだが、それぞれの音色の違いがシッカリ出ているのも高ポイントだ。
次に紹介するのは、エリザベート=クロード・ジャケ・デ・ラ・ゲールという女流作曲家のチェンバロ曲集だ。その名はこのディスクを聴くまで知らなかったが、17世紀後半から18世紀初頭にかけて活動していたフランスの作曲家で、このレコードは初期の作品が収められている。演奏者はアイルランド出身の女流エマー・バックリー。82年の録音でレーベルは仏ハルモニアムンディである。
曲自体はどれもメランコリックで仄暗く、気軽に聴き流せるものではない。しかし決して厳格では無く、旋律は優美だ。バックリーの演奏は技巧を強調せずにスムーズに弾き切っている。押しの強さが感じられないのも、曲の雰囲気に合致していると思う。なお、この曲集は世界初録音だということだ。
録音場所はフランス西部のソーヴァン城。それほど広いホールではないと想像するが、音場感は出ている。特に優秀なのが低音で、演奏ノイズも含めた臨場感豊かな展開である。高域もキンキンせずにまろやかだ。このレーベルはレコードジャケットの美しさには定評があるが、このディスクのパッケージも実にキレイで、壁に飾っておきたいほどだ。
サイモン&ガーファンクルの「セントラル・パーク・コンサート」(二枚組)といえば、1981年9月19日にこの有名ユニットが一時的に再結成してセントラル・パークでコンサートをおこなった際のライブ盤で、全世界でアルバム・チャートの上位にランクされた。収録曲についてもコメントする必要が無いほどお馴染みのものばかりだ。
このディスクが自室のレコード棚に収まっている。別に優秀録音盤でもないが、手に入れた経緯が面白いので、ちょっと言及しておきたい。実はこれ、某電器店で初めてCDプレーヤーを購入したときに、オマケとしてもらったもの(笑)。
CDプレーヤーを買ったらLPレコードが付いてくるという、何とも玄妙な事態になったのだが、当時(80年代半ば)はCDが完全に市民権を得ておらず、まだ好事家のアイテムに過ぎなかったのだ。新種のコンポーネントであるCDプレーヤーを何とか売ろうと、メーカーもショップもプッシュしていたことは想像に難くない。この“レコードのオマケ”も、その形振り構わぬマーケティングの賜物だったのだろう。ちなみに、そのときに購入したプレーヤーはONKYO製で、それから長らく愛用していた。
曲目はヴィエニアウスキのエチュード/カプリース、ボッケリーニの二重奏曲、ジャルディーニのソナタ等、一般には馴染みのないものばかり。しかしながら、どれもびっくりするような名曲ではないものの、いずれも肌触りが良く聴きやすい。2人のテクニックは確かなもので、アキュレートでありながら、音色の明るさと何とも言えないロマンティシズムを醸し出していて感心する。
そしてこのレコードの一番のセールスポイントは、録音だ。かなりマイクとの距離が短い。ならばキツくて鋭いサウンドになっているのかと思うが、鮮明ではあるが決して聴き辛くない。2台のヴァイオリンは銘柄や製作年度も異なると思われるのだが、それぞれの音色の違いがシッカリ出ているのも高ポイントだ。
次に紹介するのは、エリザベート=クロード・ジャケ・デ・ラ・ゲールという女流作曲家のチェンバロ曲集だ。その名はこのディスクを聴くまで知らなかったが、17世紀後半から18世紀初頭にかけて活動していたフランスの作曲家で、このレコードは初期の作品が収められている。演奏者はアイルランド出身の女流エマー・バックリー。82年の録音でレーベルは仏ハルモニアムンディである。
曲自体はどれもメランコリックで仄暗く、気軽に聴き流せるものではない。しかし決して厳格では無く、旋律は優美だ。バックリーの演奏は技巧を強調せずにスムーズに弾き切っている。押しの強さが感じられないのも、曲の雰囲気に合致していると思う。なお、この曲集は世界初録音だということだ。
録音場所はフランス西部のソーヴァン城。それほど広いホールではないと想像するが、音場感は出ている。特に優秀なのが低音で、演奏ノイズも含めた臨場感豊かな展開である。高域もキンキンせずにまろやかだ。このレーベルはレコードジャケットの美しさには定評があるが、このディスクのパッケージも実にキレイで、壁に飾っておきたいほどだ。
サイモン&ガーファンクルの「セントラル・パーク・コンサート」(二枚組)といえば、1981年9月19日にこの有名ユニットが一時的に再結成してセントラル・パークでコンサートをおこなった際のライブ盤で、全世界でアルバム・チャートの上位にランクされた。収録曲についてもコメントする必要が無いほどお馴染みのものばかりだ。
このディスクが自室のレコード棚に収まっている。別に優秀録音盤でもないが、手に入れた経緯が面白いので、ちょっと言及しておきたい。実はこれ、某電器店で初めてCDプレーヤーを購入したときに、オマケとしてもらったもの(笑)。
CDプレーヤーを買ったらLPレコードが付いてくるという、何とも玄妙な事態になったのだが、当時(80年代半ば)はCDが完全に市民権を得ておらず、まだ好事家のアイテムに過ぎなかったのだ。新種のコンポーネントであるCDプレーヤーを何とか売ろうと、メーカーもショップもプッシュしていたことは想像に難くない。この“レコードのオマケ”も、その形振り構わぬマーケティングの賜物だったのだろう。ちなみに、そのときに購入したプレーヤーはONKYO製で、それから長らく愛用していた。