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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」

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 (原題:AVENGERS:INFINITY WAR )ある意味“衝撃的”とも言えるラストが話題になっているようだが、それ以前に、この手の映画としてはドラマ運びの破綻があまり見られずウェルメイドに徹している点が評価出来る。長い上映時間も気にならず、最後まで楽しめた。

 アスガルドが滅亡し、新天地として地球に向かっていたソー達だったが、そこに魔人サノスの宇宙船が襲撃してくる。人口過多の宇宙のバランスを完全に保つためには、全生命の半分を消し去る必要があると信じるサノスは、それを実行すべく強大なパワーを持つ6つのインフィニティ・ストーンを集めるため動き出したのだ。居合わせたハルクだけは何とか地球に逃れ、ソーは通りがかったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの連中に救助される。



 一方、サノスとその軍団はインフィニティ・ストーンの大半が存在する地球に侵攻。仲違いしていたアイアンマンことトニー・スタークと、キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースおよびそれぞれの派閥はこの危機に一致団結する。だがサノスのパワーは強大で、さすがのアベンジャーズも苦戦を強いられる。

 出てくるヒーローとヒロインの数は膨大なものになり、名前を覚えるのも苦労する。しかし演出を担当するアンソニー&ジョー・ルッソは、少しも混乱することなくドラマを交通整理し、それぞれに見せ場を用意しつつストーリーをパワフルに押し進める。しかも、銀河系はみ出し者集団が前面に出てくるパートでは脱力したギャグを大幅に挿入するなど、シリアス一辺倒ではなく作劇にメリハリを付けているのが良い。

 クライマックスの、ブラックパンサーことティ・チャラが統治するワカンダ王国を舞台にした戦いは、畳み掛けるようなタッチで盛り上がる。そして意外すぎる結末は、この手の映画のファンにショックを与えるだろう。もちろんこのまま終わりではなく、続編では違う展開が期待出来る(もっとも、約1年間は待たなければならないが ^^;)。



 ロバート・ダウニー・Jr.をはじめクリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、スカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチ、クリス・エヴァンスといったお馴染みの面々に関しては言うこと無し。悪役のジョシュ・ブローリンも怪演だ。

 それにしても、DCコミック陣営もそうだが、このマーベル・スタジオの作品群がすでに“一見さんお断り”の領域に踏み込んでいることは、果たして映画興行の常道に照らし合わせると望ましい方法論なのか、よく分からない。前の「ブラックパンサー」のように、単品でも楽しめる映画の方も充実させて欲しいと思ったりする。

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