(原題:STAR WARS:THE LAST JEDI )スピンオフ作品も含めたこのシリーズの中では、一番面白くない。まず言っておきたいが、「スター・ウォーズ」はSFではない。第一作(エピソード4)が公開された70年代後半にはSF映画がまだ(大量に客を呼べるコンテンツとして)市民権を得ていなかったこともあり、そのエクステリアからSFとして分類されたのも当然だが、99年製作の「ファントム・メナス」以降は、もとより科学的考証とは縁の無い本シリーズはファンタジー映画として捉えるべきだろう。
以前も書いたが、私はファンタジー映画が嫌いである。話が絵空事であることを“免罪符”にするかのごとく、脚本がいい加減なケースも珍しくはない。本作はその“ファンタジー映画の難点”が突出して全面展開しており、評価出来る余地は無いと結論付けられる。
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もはやフォースの何たるかが全く定義付けられておらず、御都合主義的な“何でもあり”の状態に陥っている。ならばそのフォースを使えば話は手っ取り早く終わるはずなのだが、なぜかレジスタンス側は無謀な計画を強行。しかも、統制が取れておらず被害は大きくなるばかり。当然のことながら多数の犠牲者が出るが、しばらくするとそのことを忘れたかの如く、戦略性が希薄なバトルに打って出る。
敵役のファースト・オーダー陣営も似たようなもので、やたら不気味で尊大な首魁はあっさりと消え、代わって指揮を執るカイロ・レンも個人的なルサンチマン以外には行動の規範となるものが見られない。前作から主人公の座についたレイは、わざわざルークを探し出すのだが、結局彼女は何を得たのか分からない。そもそも、ルークに実質的な存在価値があるのかも怪しいものだ(特に終盤の扱いは無理筋で脱力した)。
とにかく言動に一本筋の通った登場人物が見当たらず、行き当たりばったりに勝手に暴れているだけだ。ライアン・ジョンソンの演出はメリハリが無く、やたら長い上映時間も相まって、眠気を抑えるのに苦労した。また、中盤に3つの場面が同時進行するのは「ジェダイの復讐」の、終わり近くの雪原(正確には塩だが)での戦いは「帝国の逆襲」の、それぞれ二次使用であることは論を待たない。もっと気の利いた斬新なアイデアは出せないのだろうか。
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それにしても、前作でハン・ソロが退場し、レイアも(演じるキャリー・フィッシャーはもういないので)今回限り。それどころかC-3POとR2-D2の出番もわずかだ。製作元がディズニーに移管されてから、旧シリーズからの“切り離し”が表面化しているということだろうか。昔からのファンを切り捨ててまで新たな展開を見せようというのならば別にそれでも構わないが、こんな気勢の上がらないシロモノでは今後の期待が持てない。たぶん次作は“仕方なく”観るだろうが、それ以降は(もし製作されるとしても)チェックする気が起きない。
デイジー・リドリーやジョン・ボイエガ、アダム・ドライバーなど、キャストの演技には特筆すべきものは無い。特に困ったのはケリー・マリー・トランなるアジア系女優の起用。どう見てもスクリーンの真ん中に出てこられるようなタマではない。ただ、ベニチオ・デル・トロの登場は唯一興味を覚えた。彼が主人公を演じるスピンオフ作品が出来れば、ひょっとしたら観るかもしれない。
以前も書いたが、私はファンタジー映画が嫌いである。話が絵空事であることを“免罪符”にするかのごとく、脚本がいい加減なケースも珍しくはない。本作はその“ファンタジー映画の難点”が突出して全面展開しており、評価出来る余地は無いと結論付けられる。

もはやフォースの何たるかが全く定義付けられておらず、御都合主義的な“何でもあり”の状態に陥っている。ならばそのフォースを使えば話は手っ取り早く終わるはずなのだが、なぜかレジスタンス側は無謀な計画を強行。しかも、統制が取れておらず被害は大きくなるばかり。当然のことながら多数の犠牲者が出るが、しばらくするとそのことを忘れたかの如く、戦略性が希薄なバトルに打って出る。
敵役のファースト・オーダー陣営も似たようなもので、やたら不気味で尊大な首魁はあっさりと消え、代わって指揮を執るカイロ・レンも個人的なルサンチマン以外には行動の規範となるものが見られない。前作から主人公の座についたレイは、わざわざルークを探し出すのだが、結局彼女は何を得たのか分からない。そもそも、ルークに実質的な存在価値があるのかも怪しいものだ(特に終盤の扱いは無理筋で脱力した)。
とにかく言動に一本筋の通った登場人物が見当たらず、行き当たりばったりに勝手に暴れているだけだ。ライアン・ジョンソンの演出はメリハリが無く、やたら長い上映時間も相まって、眠気を抑えるのに苦労した。また、中盤に3つの場面が同時進行するのは「ジェダイの復讐」の、終わり近くの雪原(正確には塩だが)での戦いは「帝国の逆襲」の、それぞれ二次使用であることは論を待たない。もっと気の利いた斬新なアイデアは出せないのだろうか。

それにしても、前作でハン・ソロが退場し、レイアも(演じるキャリー・フィッシャーはもういないので)今回限り。それどころかC-3POとR2-D2の出番もわずかだ。製作元がディズニーに移管されてから、旧シリーズからの“切り離し”が表面化しているということだろうか。昔からのファンを切り捨ててまで新たな展開を見せようというのならば別にそれでも構わないが、こんな気勢の上がらないシロモノでは今後の期待が持てない。たぶん次作は“仕方なく”観るだろうが、それ以降は(もし製作されるとしても)チェックする気が起きない。
デイジー・リドリーやジョン・ボイエガ、アダム・ドライバーなど、キャストの演技には特筆すべきものは無い。特に困ったのはケリー・マリー・トランなるアジア系女優の起用。どう見てもスクリーンの真ん中に出てこられるようなタマではない。ただ、ベニチオ・デル・トロの登場は唯一興味を覚えた。彼が主人公を演じるスピンオフ作品が出来れば、ひょっとしたら観るかもしれない。