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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「リーサル・ウェポン3」

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 (原題:LETHAL WEAPON 3 )92年作品。人気シリーズの3作目だが、主人公のリッグス刑事のキャラクターが1作目(87年)に比べて激変しているのには驚いてしまう。

 最初は彼はマーティン・スコセッシ監督の「タクシー・ドライバー」(76年)の主人公のような超危険人物で、その破滅願望は周囲はもちろん自分自身も消し去ってしまうようなヤバさだった。ところが1作目の終盤では同僚達の“友情パワー(?)”で真人間に近付き、2作目(89年)では色恋沙汰も交えて社会復帰が完了。本作では絵に描いたような脳天気キャラに徹している。ハッキリ言って、これではマイケル・ベイ監督の「バッドボーイズ」シリーズと変わらない。



 今回の敵役は街のならず者達に武器を横流ししている元警官、というチンケな野郎どもである。第1作の麻薬シンジケートや、第2作の南アフリカ政府の破壊工作部隊といった大物と比べれば、明らかに見劣りする。こういう小物は所轄の捜査員に任せておけば良いはずなのだが、なぜかリッグスと相棒のマータフ刑事が出動し、ロスアンジェルス市内の社会的インフラに壊滅的なダメージを与えてしまう。

 ストーリー運びは行き当たりばったりで、前作の胡散臭いキャラクターであるレオ・ゲッツも意味なく顔を出す。主人公2人とは別に捜査を進めているケバい女刑事が登場するが、プロット上で効果的だとは思えない。まあ、当然のことながらリッグスと懇ろになるという設定なのだが、それならそうで合理的な設定が必要かと思う。

 リチャード・ドナーの演出は覇気が無く、アクションシーンも派手だが大味。主役のメル・ギブソン御大をはじめダニー・グローヴァー、ジョー・ペシといった顔ぶれにも新味が無い。ただし、レネ・ルッソ扮する女刑事が主人公と互いの身体の傷を見せ合って服を脱いでいく・・・・という展開だけは面白い(別の映画でも使えそうなネタだ)。

 なお。撮影監督はヤン・デ・ボンが担当。映像の切り取り方にはソツが無い。彼がカメラマンに専念した仕事は(今のところ)これが最後で、以後は演出家として活動することになる。

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