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Channel: 元・副会長のCinema Days
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SOULNOTEのアンプA-1を試聴した。

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 先日、今年(2016年)リリースされたSOULNOTEのプリメイン型アンプA-1に触れることが出来たのでリポートしたい。

 価格が17万円で、私も使用している同社のsa3.0とほぼ同じだ。だから当然sa3.0の後継機種という見方も出来るが、居合わせたメーカーのスタッフの話によると、まったく違う製品のようである。アナログアンプとデジタルアンプのハイブリッド構成であったsa3.0とは異なり、A-1は純正のアナログアンプだ。大きなトロイダル型トランスを搭載し、寸法(奥行き)と消費電力と発熱量は大きくなっている。そもそも、同ブランドを主宰していた著名な技術者である鈴木哲が、設計にほとんど関与していないとのことだ(彼と一緒に仕事をしてきたエンジニアが手掛けているらしい)。



 厚手の波型パネルを採用したルックスは、なかなか見栄えが良い。仕上げはシルバーとブラックの2種類が用意されているが、シルバーの方がリスニングルームでは映えるだろう。各部材も吟味されているようで、たとえばスピーカー端子はsa3.0に比べれば大きめだ。これならばケーブルの装着も幾分楽になるかもしれない。

 繋げられていたスピーカーは英国PMC社のものだ。前のsa3.0をはじめこのクラスのアンプとPMC製品とのコラボの音は聴いたことがないので、他のアンプに比べてA-1自体がどういう性格の音なのかはハッキリと把握は出来なかったが、聴いた感じは伸びや切れ味よりも温度感や厚みを重視したサウンドではないかという気がした。なお、スタッフの話だと“強いて言えば、sa3.0の後継ではなく、sa1.0の上級版という位置付けだ”とのことで、以前sa1.0を使用していた身としては納得するところがある。

 もちろん、このブランドのモデルらしく、某社製品みたいにスピーカーを選ぶようなクセの強さは見当たらないので、少なくともこのクラスのアンプでは汎用性が高くて“使える製品”であるのは確かのようだ。



 しかしながら、サイズと発熱が大きいことは置き場所に気を遣う必要がある。加えて、ボリュームがレベルごとにリレーを切り替えるような方式にしているらしく、音量を変えるとカチカチと音が出る。この方式を採用したことによってギャングエラー(左右の音量の違い)をキャンセルすることが出来たらしいが、使用する上で気にするリスナーもいるかもしれない。サウンド面では万人向けだが、使い勝手に関してはユーザーは注意が必要な製品だと言えるだろう。

 なお、ペアになるCDプレーヤーのC-1はこのクラスでは珍しい“CD専用機”で、SACDに重きを置かないリスナーにとっては選択肢が増えそうだ。・・・・というか、すでにメディアとして“終わって”いるSACDに対応するプレーヤーは、高級機だけで十分だと思う。

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