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Channel: 元・副会長のCinema Days
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型番が同じでも、取扱業者によって物が違う。

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 部屋の模様替えのため、手持ちの2つのオーディオシステム用に長めのラインケーブルが必要になる可能性が生じ、2本のXLRバランスケーブルを調達した。型番はいずれもGothamのGAC-2PURだ。Gothamのバランスケーブルは以前GAC-4/1を入手したことがあるが、GAC-2PURも評判が良いと聞き、今回買い求めた次第。

 ただし、2回の模様替えの時期がズレたこともあり、結果的に別々の時期に異なる業者から購入することになった。取引先は過去にも利用したことのあるオーディオケーブル市場とProCableだ。ところが、実際に納品されたものを見て驚いた。この2本、型番は同じながら中身は別物だったのだ。

 まず、ケーブルの色目が違う。ProCableで扱っている商品はライトブルーだが、オーディオケーブル市場は濃いめの青だ。ケーブルに刻印されている型番の文字は同じながら、印刷は一方は白くて一方は黒である。そして、太さも違う。ProCableの方が少し口径が大きい。さらに、被膜の材質も違う。オーディオケーブル市場のモデルは柔らかく、パッケージを開けると独特のにおいがする。対してProCable製は硬めで、においが希薄だ(なお、プラグはどちらもNEUTRIK社製の銀メッキである)。

 そして、これだけ見た目が異なると、当然のことながら音も違うのだ。

 結果から言うと、オーディオケーブル市場のモデルの勝ちである。中高音が滑らかで明るく、伸びが良い。鳴らすソフトによっては美音調の展開も見られる。しかもそれは繋ぐ機器を選ぶほどの押しつけがましいカラーリングではなく、汎用性の高さはしっかりと維持されている。対してProCable製は素っ気ない。たとえて言えば、この業者が扱っているBeldenのケーブルよりも音像のエッジが丸くなって少し聴きやすくなった代わりに、音の情報が間引かれているという印象だ。

 この2機種のどっちが本物でどっちがニセモノなのか、あるいは製造時期が違っていて仕様が変更になったものなのか、そんなことは分からない。しかしながら、こういう業務用ケーブル(特に海外ブランド)は、たとえ型番が一緒であっても、取り扱う業者によって商品が別物になることがあるということが今回よく分かった。加えて言えば、ProCableは普段からGothamのケーブルを酷評していることが妙に気になる。自分のところで評価していない商品を、どうして売っているのか分からない(苦笑)。

 結局、ProCableから調達したGothamのケーブルは、今回“お蔵入り”と相成った。いずれにしても、オーディオアクセサリーを選ぶ際の思わぬ留意事項がクローズアップされたことになり、使用する側としては面食らうばかりである。

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