(原題:A Midsummer Night's Dream )何度も映画化されているウィリアム・シェイクスピアの古典喜劇だが、ここで取り上げるのは99年にアメリカで製作されたもの。原作での舞台はギリシアであったが、本作では19世紀のイタリアに変更されている。そのため明るく楽天的な雰囲気が付与されたのは良いのだが、出来としてはパッとしない。要するに凡作だ。
トスカーナに住む若い娘ハーミアは、親が決めた結婚相手のディミトリアスが気に入らず、交際中のライサンダーと駆け落ちする。一方でディミトリアスにはヘレナという女友達がいるが、ヘレナは彼を熱烈に愛していた。その様子を見た妖精王オベロンは、何とか彼女の思い実現させてやろうと、手下の妖精パックに媚薬を使って2人の仲を取り持つように命じる。ところが、オベロンがついでに仲の悪い女王タイタニアを困らせてやろうと考えたことから、事態は思わぬ方向に動き出す。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
ルチアーナ・アリジによる美術セットと、ガブリエラ・ペスクッチの衣装デザインは素晴らしい。オベロン役のルパート・エヴェレットをはじめ、スタンリー・トゥッチ、ミシェル・ファイファー、クリスチャン・ベイル、デイヴィッド・ストラザーン、ソフィー・マルソーとキャストはかなり豪華。中でも、パックによってロバに変身させられる大根役者のボトムを演じるケヴィン・クラインの名人芸には唸った。
しかしながら、映画そのものは退屈。原因は脚色と演出が気合い入っていないためで、要するに“ここが見せ場だ!”というドラマのツボがない。漫然と原作通りのネタを追っているだけである。マイケル・ホフマン監督の仕事ぶりは凡庸で、「恋の闇 愛の光」(95年)や「素晴らしき日」(97年)といった旧作と比べると、かなり落ちる。
なお、メンデルスゾーンのおなじみの音楽が結婚行進曲を除いて大々的にフィーチャーされていないのも不満。かわりになぜか(イタリアが舞台だからということで)ヴェルディの「乾杯の歌」がしつこく使われているけど、ほとんど効果があがっていない。
トスカーナに住む若い娘ハーミアは、親が決めた結婚相手のディミトリアスが気に入らず、交際中のライサンダーと駆け落ちする。一方でディミトリアスにはヘレナという女友達がいるが、ヘレナは彼を熱烈に愛していた。その様子を見た妖精王オベロンは、何とか彼女の思い実現させてやろうと、手下の妖精パックに媚薬を使って2人の仲を取り持つように命じる。ところが、オベロンがついでに仲の悪い女王タイタニアを困らせてやろうと考えたことから、事態は思わぬ方向に動き出す。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

ルチアーナ・アリジによる美術セットと、ガブリエラ・ペスクッチの衣装デザインは素晴らしい。オベロン役のルパート・エヴェレットをはじめ、スタンリー・トゥッチ、ミシェル・ファイファー、クリスチャン・ベイル、デイヴィッド・ストラザーン、ソフィー・マルソーとキャストはかなり豪華。中でも、パックによってロバに変身させられる大根役者のボトムを演じるケヴィン・クラインの名人芸には唸った。
しかしながら、映画そのものは退屈。原因は脚色と演出が気合い入っていないためで、要するに“ここが見せ場だ!”というドラマのツボがない。漫然と原作通りのネタを追っているだけである。マイケル・ホフマン監督の仕事ぶりは凡庸で、「恋の闇 愛の光」(95年)や「素晴らしき日」(97年)といった旧作と比べると、かなり落ちる。
なお、メンデルスゾーンのおなじみの音楽が結婚行進曲を除いて大々的にフィーチャーされていないのも不満。かわりになぜか(イタリアが舞台だからということで)ヴェルディの「乾杯の歌」がしつこく使われているけど、ほとんど効果があがっていない。