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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「スリーピー・ホロウ」

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 (原題:Sleepy Hollow )99年作品。ティム・バートンの監督作品としては、もっとも幅広い層にアピールできる映画だと思う。“オタク向け”や“子供向け”のシャシンではなく、こういう真っ当な(?)娯楽作をもっと手掛けて欲しい。

 1799年。ニューヨークの北にある小さな村スリーピー・ホロウで連続殺人事件が発生する。警察からはイカボッド捜査官が派遣され、聞き込みを開始すると、南北戦争時に悪名をとどろかせた首なし騎士が蘇って殺人を続けているらしい。最初は信じなかったイカボッドだったが、首なし騎士は彼の前に姿を現して、次々と村人を血祭りにあげていく。イカボッドは村の幹部の娘であるカトリーナと殺された父の復讐を誓う少年マスバスらの協力を得て、首なし騎士に対決を挑む。

 これ見よがしの“オタク邁進路線”が影を潜め、娯楽映画としてのまとまりを前面に打ち出している点は、ティム・バートンのフリーク達にとっては物足りないかもしれない。しかし、これはこれで正解であり、誰が観ても楽しめて、しかもバートン特有のテイストを“一般大衆が引いてしまわない程度”(謎 ^^;)に挿入している点は評価すべきだろう。

 イカボッド刑事の推理は行き当たりばったりだが、もとより本格ミステリーではないので許せる(笑)。主演のジョニー・デップをはじめ、マイケル・ガンボン、ミランダ・リチャードソン、クリストファー・ウォーケン、さらにはクリストファー・リーやマーティン・ランドーといった“それらしい顔ぶれ”も揃い、各々の個人芸が堪能できる。そして何より(この頃減量に成功してスリムになった)クリスティーナ・リッチの魅力が光る。

 活劇場面はけっこう盛り上がるし、美術・衣装・撮影は万全で、ダニー・エルフマンの音楽も好調。上映時間が犯罪的に長くないのも良心的で、観賞後の満足度は決して低くない。チェックする価値は十分ある。

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