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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「ラスベガスをやっつけろ」

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 (原題:Fear and Loathing in Las Vegas)98年作品。ヤク中患者から見た世界をラリラリの映像で綴るという方法は、最初は面白いけど20分もすれば飽きてくる。ひょっとすると作っている連中も素面ではなかったのではと思ったが(笑)、とにかくテリー・ギリアム監督としては明らかに“調子の悪い時期”に撮ったシャシンだろう。

 1971年。ジャーナリストのラウル・デュークとサモア人の弁護士ドクター・ゴンゾーは、ラスベガスで開かれるレーシスョーの取材のため、真っ赤なスポーツ・カーを駆って当地に乗り込んでくる。ところが、来る前の道中から二人はドラッグ三昧で、着いた時には足腰もロクに立たない始末。もちろん、宿泊先のホテルでもヤクをキメてばかりでレースの取材という目的も忘れてしまう。

 狼藉の限りを尽くすジャンキーどもの行動を追っただけの映画で、それ以外は何もないという、ある意味潔い作品かもしれない(爆)。ただそれが、観る者まで酩酊状態に誘うような仕掛けもイマジネーションも持ち合わせていないというのが問題だ。

 各描写はカルト化するほど全編これぶっとびラリラリ状態が突き抜けているわけでもなく、幻覚場面はいたって凡庸。当然のことながらストーリー的に何か面白いかというと別段なし。ギャグも不発。単に「思いつき」の次元で作ってしまったようなシロモノだ。

 しかしながら配役は無駄に豪華で、主演の二人はジョニー・デップとベニチオ・デル・トロ、脇にはトビー・マグワイアやキャメロン・ディアス、クリスティーナ・リッチにハリー・ディーン・スタントン、エレン・バーキンと、さすがにギリアム監督のネームヴァリューは大したものだ。

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