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Channel: 元・副会長のCinema Days
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ROTELのCDプレーヤーを購入した(その1)。

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 CDプレーヤーを買い替えた。それまで使っていたプレーヤーはONKYOのC−1VLであるが、購入してすでに8年近くもなり、また回転メカであるCDプレーヤーは経年劣化が大きいことも考え併せて、今回の更改に踏み切った次第。また私が使っていたC−1VLは一度“音飛び”が発生したことがあり、修理に出しても原因不明で戻ってきたこともあって(その後、いつの間にか収束)、今後も長く使うことに対して懸念があったことも事実だ。

 新しい機種は、ROTELRCD−1570である。あまり聞かないブランド名だが、ROTELは1961年創立という、長いキャリアを持つ日本のメーカーだ。70年代までは積極的に商品展開をおこない、オーディオ雑誌などにも広告を出していたが、80年代に入って見かけなくなった。消滅したのかと思っていたら、英国人スタッフをチーフ・エンジニアに迎え、営業の軸足を欧州に移して存続していたらしい。10年ほど前から国内市場に“復帰”し、取扱店は限られるもののコンスタントに製品を投入している。



 もちろん、今回RCD−1570を選んだ理由はその音質に納得したからである。CDプレーヤーを選ぶにあたり、まず過度な音の色付けがあるものは除外した。“音の入り口”で強いカラーリングが施されていては、システム全体の使いこなしが難しくなるからだ。そして出来るだけ情報量が確保されているモデルが望ましい。

 斯様なスタンスで各メーカーの機種を試聴した後に候補に残ったのは、RCD−1570とONKYOのC−7000Rであった。後者はフラットで音の伸びは良いが中高域に硬さがあり、長く使う場合に“聴き疲れ”を覚えることも考えられ、また今まで使ったことのないブランドの製品を導入してみるのも面白いと思い、このROTELのモデルを入手するに至った。

 音を出してみると、C−1VLよりも明らかに分解能がアップしていることが分かる。細かい音が良く聴こえるようになった。しかも、各音像に不要なエッジが立っていない。音の表面(?)が滑らかに磨き上げられ、実に聴きやすい。音場はスムーズに広がり、某社製品みたいに余計な“(音色の)味付け”も感じられず、特定帯域での強調感もない。物理特性のみを重視するのではなく、ヒアリングによってサウンドの質感が練り上げられたような印象を受ける。



 接続するアンプを選ばず、使いやすい製品だと思う。もちろん30万円超の機器と比べれば差があるが、10万円台で買えるプレーヤーとしては音質を最優先に考えるユーザーに幅広く奨められる。

 ただし、ユーザーインターフェースの面では受け付けないリスナーもいると思う。なぜなら、この製品はトレイ式ではなくスロットイン形式を採用しているからだ。大半のプレーヤーは本体からCDを載せるトレイがスライドして出て来るのだが、RCD−1570はカーステレオのように前面パネルにあるスロットにCDを挿入させる方式を採用している。セットする際、大事なディスクに傷が付くのではないかという懸念を抱かれるのも当然だ。

 しかし、実際に操作してみると、盤面がダメージを負う確率はトレイ式とあまり変わらない印象を受ける。トレイ式ではディスクを載せるときと演奏が終わってトレイから取り出す際に乱暴に扱うとCDに傷が入る可能性があるが、スロットイン式ではCDを細いスロットに挿入するときに、無造作にやると上手く入らず、誤ってCDを床に落としてしまう危険性があると感じた。いずれにしても、ディスクは丁寧に扱いたいものだ。

 引き続き、使い勝手等に関して次のアーティクルで述べたい。

(この項つづく)

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