94年作品。竹中直人の監督作の中では一番良い出来だと思う。もっとも、他の作品が概ね低調なので本作だけ目立ってしまうという“事情”もあるのだが(笑)、観てあまり損をしないシャシンであることは確かだろう。
舞台は18年間一度も火事が起きていないという小さな海辺の町だが、もちろんそこにも消防士たちは存在する。そこで思いがけない大火災が発生して彼らは慣れない消火活動に決死の思いで臨む・・・・などという展開は皆無だ(爆)。冒頭にそれらしいシーンはあるのだが、見事に“空振り”で笑いを取った後、彼らの何気ない日々を映画は丹念に追う。
事件といえば、突然場違いなほどの美人がこの町にやってきたことぐらいだ。キレイな女を見るとすぐにデレデレするくせに、実は口べたで異性との付き合いが苦手な信幸と、消防団長で子持ちの男やもめの達哉は、彼女に果敢にアタックするつもりが実際にはせいぜい世間話しかできない。まあ、最初から彼女と駆け落ちするほどの勇気も無いのだが、それが決してネガティヴに描かれず、淡々と脱力系のタッチで綴られているので不愉快な感じはしない。
予定通りにやがて彼女は町を去って行くのだが、最後に達哉と会うシーンはいくらでも盛り上げられるとは思うものの、そこでもあえて引いたタッチにしているのが(竹中作品には珍しく)何ともスマートだ。
竹中自身をはじめ、赤井英和、鈴木京香、塚本晋也、温水洋一、浅野忠信、津田寛治といった多彩な面々がそれぞれあまり出しゃばらずに粛々と仕事をこなしているのも好感が持てる。忌野清志郎による音楽も快調だ。
舞台は18年間一度も火事が起きていないという小さな海辺の町だが、もちろんそこにも消防士たちは存在する。そこで思いがけない大火災が発生して彼らは慣れない消火活動に決死の思いで臨む・・・・などという展開は皆無だ(爆)。冒頭にそれらしいシーンはあるのだが、見事に“空振り”で笑いを取った後、彼らの何気ない日々を映画は丹念に追う。
事件といえば、突然場違いなほどの美人がこの町にやってきたことぐらいだ。キレイな女を見るとすぐにデレデレするくせに、実は口べたで異性との付き合いが苦手な信幸と、消防団長で子持ちの男やもめの達哉は、彼女に果敢にアタックするつもりが実際にはせいぜい世間話しかできない。まあ、最初から彼女と駆け落ちするほどの勇気も無いのだが、それが決してネガティヴに描かれず、淡々と脱力系のタッチで綴られているので不愉快な感じはしない。
予定通りにやがて彼女は町を去って行くのだが、最後に達哉と会うシーンはいくらでも盛り上げられるとは思うものの、そこでもあえて引いたタッチにしているのが(竹中作品には珍しく)何ともスマートだ。
竹中自身をはじめ、赤井英和、鈴木京香、塚本晋也、温水洋一、浅野忠信、津田寛治といった多彩な面々がそれぞれあまり出しゃばらずに粛々と仕事をこなしているのも好感が持てる。忌野清志郎による音楽も快調だ。