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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「第11回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その2)

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 このイベントでは何度も登場している評論家の福田雅光だが、今回も怪しげな(?)オーディオ・アクセサリーを引っさげて講演会を開催していた。彼が紹介したのは、スウェーデンのEntreq社の仮想アース装置である。

 近年、オーディオシステムの電源においてアース処理を施すことは“常識”になりつつあるという。ところが本格的な接地工事をやるとなると、手間も費用も馬鹿にならない。そもそも集合住宅などでは不可能な場合も多々ある。そこで登場したのが“仮想アース”という方法だ。

 それに対応する製品を用意し、オーディオ機器の空き端子に専用の付属アースケーブルを介して接続するだけで、いとも簡単にアース処理が実現するのだという。



 Tellusと名付けられたこのモデルは、見た目は単なる木箱だ。私は当初、アンプの梱包資材だと思っていたほどである(爆)。ただ中身は金・銀・銅・亜鉛などが独自の割合で配合されたマテリアルが詰まっているらしい。後面に入力端子があり、そこにアンプなど専用ケーブルで接続する。なお、デモに使用されていたのはスピーカーがB&Wのもので、アンプ類はLUXMAN。いずれも高級品クラスである。

 実際に聴いた感じは、確かに効果はあるようだ。Tellusを取り付けると音場の見通しが良くなり、音像の密度も上がる。しかし、Tellus自体の15万円程度という価格を考えると、導入したいと考えるユーザーがいるのかどうか全く想像出来ない。

 そもそも、Tellusの機能が本式のアース工事と比べてどうなのかも示されていないし、中級ぐらいのシステムでは効果があるのかどうかも不明だ。やはりこれも他のオーディオアクセサリー同様“買ってみなければ分からない”というレベルの商品だろう。輸入を取り扱っているのがOYAIDEだというのも臭い(笑)。あのメーカーは私はあまり信用していないんだよね。



 毎度の事ながらFURUTECH社のインライン・パワーフィルターも紹介されていたが、ある程度の効果は認めるものの、価格は安くないし見た目が不格好でもあるので、個人的には導入は遠慮したい(笑)。

 あとは電源ケーブルの新作の紹介と、アンプ付属の電源ケーブルとの聴き比べが行われた。結果は言わずもがなで、やはり付属ケーブルと市販ケーブルとの間には“越えられない壁”があることを再認識した(もちろん、両者を聴き分けられないリスナーもいることは承知しているが ^^;)。電源ケーブルの換装は、必須科目になりつつあるのかもしれない。

 それにしても、福田がいつもデモ用に使う音楽ソフトは面白味がない。現代音楽の管弦楽曲やマリンバ独奏なんか、いくら機器の比較用だといってもそう何回も聴きたいものではない。もっと平易で聴き所が分かりやすいソフトを使用して欲しいものだ。

(この項つづく)

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